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セーリング日本代表での経験を起業につなげて。世界中の人が「プライド」を持てる社会を目指す大学生【堤悠人・18歳】

セーリング日本代表での経験を起業につなげて。世界中の人が「プライド」を持てる社会を目指す大学生【堤悠人・18歳】

「気になる10代名鑑」1348人目は、つつみ悠人さん(18)。セーリングの日本代表としての活動で得た経験をきっかけに、企業とNGOを繋げ、日常に社会貢献を浸透させる事業を構想しています。世界中の人が夢を持って努力できる未来を実現したいと話す堤さんに、そのために行っている取り組みや熱い想いについて、詳しく聞きました。

堤悠人を知る5つの質問

Q1.プロフィールを教えてください。

日常に社会貢献が浸透している社会の実現を目指して、今年の2月に株式会社ImpactDropを立ち上げました。

日本は、寄付文化が他国に比べて浸透していないですが、その背景には、NGOが社会的に認知されていないことがあります。そのうえ、彼らはお金を持っていない若者層にリーチできないことにも悩んでいます。

他方で、一般企業は利益追求だけでなく社会貢献にも取り組む必要性が年々高まっているのですが、具体的にどういったことが効果的な取り組みなのかが、いまいち理解されていない。このふたつのニーズを満たすことが、ぼくのやろうとしている活動です。

具体的には、企業からの協賛金をもとに、NFCという、交通系ICにも使われている無線通信技術を内蔵した水筒を作り、マイボトルへの給水回数を記録し、その回数に応じて国際NGOに寄付が届く仕組みを構築しようとしています。利用者はお金を使わず寄付することができ、ペットボトルの利用も削減することができるという、三者全員が得するシステムを考えています」

Q2.活動をはじめたきっかけは?

小学3年から高校2年までセーリングをやっていて、中学1年生で日本代表に選出されてから、25か国以上を訪れました。活動を通じて他国の選手と交流するなかで、ウクライナ侵攻の影響で、母国での練習ができずイタリアに避難している選手や、その戦争の飛び火によって爆撃を受けたルーマニアの友人から、ショッキングなエピソードを聞いて。日本にいるとそういった情報が入りにくいですが、世界で起こっている問題に対する認知がなかったり、何もアクションを起こせないぼくたちにも課題があると思ったんです。

カンボジアのトンレサップ湖をプライベートで訪れたことも、きっかけのひとつになっています。現地の人の水上生活はぼくにとって衝撃的でした。今にも崩れそうな狭い部屋に16人で暮らしていたり、飲用の水と排泄用の水が同じだったりして。自分に何かできることはないかと考えるきっかけになりました。

セーリングで、ペットボトルをはじめとする海洋プラスチックは競技の妨げになっている実感があったので、これまでの経験と海洋プラスチックを掛け合わせて取り組めることがないかと考えた結果、いまに至ります」

 

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Q3.活動する中で、印象的だった出会いは?

まだこの活動をする決意が決まっていなかった、昨夏のサマースクールで出会った起業家がいて。

人生で初めて、この人になりたいと思える大人に出会ったので、後日にも、迷惑かもしれないっていうぐらい、LINEで起業のことをいろいろ聞きました(笑)。ですが、しつこく聞いてくること自体を評価していただいて。その後も継続的に学びの機会をいただき、指導してもらっています。

人は何かをするときに動機があると思うんですけど、それが自分のうちから来る内的動機なのかどうかというのが、人の面白さを決めると思っていて。自分の過去と現在と未来を繋げて一貫性を持たせて活動するっていうことを、彼はものすごく忠実にしていて、そこに共感したというのがひとつです。

また、その目標を達成するためにどういうことをするのか考えたときに、当初ぼくは、会社を設立する以外の方法はないと思っていたのですが、企業に限らず、民間、個人、いろんなセクターがあるよねと話されていて。それをいかにして統合して解決したい問題に取り組むのかという考え方が刺激的でした。彼の、問題解決に対する熱狂ぶりも凄まじくて、出会えてよかったなと思いました」

Q4.活動を通じて、実現したいビジョンは?

ぼくのなかでの大きな目標は、『世界中の人が夢を知覚して、それに向かって努力できる環境をつくること』です。人が幸福である理由はどこにあるんだろうと考えると、誰かと遊ぶといったような、短期的なものでは本質的な幸せは得られないと思っていて。人間が最もメンタル的に安定して、かつ人生の意味を感じるというのは、自分の人生をかけて、目標を持って、それに向かって努力していく時間なんです。『プライド』というメンタルの安定による幸福を世界のみんなに体感してもらいたい。

それを達成するための条件には、精神的側面と物質的側面があると思います。日本って、自分の夢を追いかけられる環境はあるはずなのにそうしていない人たちが結構いて。彼らに関しては、そのアイデア・手段を教えなきゃいけないと考えています。そして、戦時下だったり、お金がない人は夢を持つチャンスすら与えられてない現実があるので、そのふたつに同時に取り組む必要があるんです。

いまぼくがおこなっている活動は、物質的側面にアプローチするものですね。精神的側面としては、今年の3月にTEDx Keio Highでプレゼンをしたりもしていて。今後、YouTubeにアップされる予定です。少しでも誰かの挑戦を促せたらと思っています」

Q5.将来の展望は?

事業を通じて、社会貢献するのって当たり前だよね、と言えるような環境をつくり、当事者意識を上げていきたいです。それとは別に、事業を始めてから実感したのですが、結局お金がなかったら何もできない。なので、お金に関することを学ばなきゃいけないなって思っていて。長期的な目標としては社会貢献があるけど、その前にキャッシュフローなどビジネスをきちんと理解するのが今のぼくに必要なことだと考えています。

もっと遠い将来に関して、ひとつ確実に言えるのは、まとまった単位のお金を動かせるような人になっていたいということです。その使い道というか、事業の方法は時代によって変わっていくものだと思ってるので、いまのビジネスにそれを反映するのではなく、そのときの自分がそうなっていれば理想だなと思います」

堤悠人のプロフィール

年齢:18歳
出身地:読書、絵描き、折り紙、ギター
所属:慶応義塾大学総合政策学部、株式会社ImpactDrop
趣味:神奈川県川崎市
特技:哲学的思考
大切にしている言葉:If you’re confortable, you’re in the wrong room.

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Photo:Nanako Araie
Text:Yuzuki Nishikawa

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