
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、海洋を漂う「ゴーストギア」をご紹介します。
海洋ごみのひとつである「ゴーストギア」
7月20日は海の日。日本は世界有数の海洋国家です。領海と排他的経済水域を合わせた管轄海域は世界6位、海岸線の長さも世界で6位を誇ります。また、国内で最も海から遠い地点である長野県佐久市でも直線距離で約115kmしかなく、私たちの暮らしは海と密接につながっています。

そんなふうに身近な存在である海ですが、近年、海洋ゴミによる環境への影響が深刻な課題となっています。特にマイクロプラスチックが海の生きものに与える影響についてはたびたび報道されているため、目にしたことがある方も多いでしょう。
海洋ゴミの中には、まだあまり知られていないタイプのものがあります。そのひとつが「ゴーストギア」と呼ばれるものです。これは、漁業で使われていた網やロープ、かごなどの漁具が放棄や逸失、投棄されることで、海洋に残り続けるものを指します。

もともと魚を獲るための道具ですから、海の生きものが絡めとられることはもちろん、船舶の航行に影響を与えることもあります。生態系だけでなく、人々の暮らしにも大きな影響を及ぼすのです。
毎年50万〜100万トン!ウミガメや海鳥に影響を与える「ゴーストギア」
WWFジャパンによると、世界の海には毎年50万〜100万トンものゴーストギアが流出していると推定されています。さらに、北太平洋の「太平洋ごみベルト」では、漁網やロープなどの漁業由来のごみが、浮遊するプラスチックごみの大きな割合を占めているとされています。
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気づいて!海の緊急事態。
そのプラスチックごみは、どこから?
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海を漂うプラスチックごみに絡まってしまったウミガメ。この映像はプラスチックごみによる海の汚染が海洋生物に与える影響を示しています。中でも特に生物に深刻な被害を与えるのが「ゴーストギア」です(続く)👉© SECAC / WWF pic.twitter.com/JF4jrV1aHA
— WWFジャパン (@WWFJapan) September 30, 2022
海に流れ出たゴーストギアは、海の生きものに深刻な被害をもたらします。ウミガメや海鳥、海洋哺乳類などは、漁網に絡まって身動きが取れなくなったり、呼吸ができなくなったりして命を落としてしまうケースが報告されているほか、サンゴや海底環境を傷つけるなど、生態系全体への影響も懸念されているのです。
こうした問題を受けて、世界ではゴーストギアの発生防止や回収に向けた取り組みが進められています。では、日本ではどのような対策がおこなわれているのでしょうか。
気仙沼の文化も伝える廃漁具アップサイクル
宮城県を拠点とする「amu」は、廃漁具をアップサイクルする企業。廃棄するのに大きな負担となっていた漁具をアップサイクルし、価値ある資源として提案しています。

宮城県や沖縄県などから回収した廃漁具を原料としたトートバッグやシャツ、サングラスなどを展開。気仙沼の伝統行事である「出船おくり」という出航を見送る際の光景や、気仙沼の特産品であるフカヒレ作りに利用する「室根おろし」と呼ばれる風をデザインした製品はスタイリッシュ。地域の文化的価値も伝えていける取り組みです。
廃漁具が絵馬へと生まれ変わった!
愛知県で、複合プラスチックを資源として再循環させる技術開発をしている「REMARE」。海洋プラスチックのアップサイクルにも取り組んでいます。
その中で、廃漁具を原料とする絵馬「UMI-EMA(ウミエマ)」を、一般社団法人フィッシャーマン・ジャパンと住吉大社と共同企画。2025年7月から住吉大社で販売されています。ジンベエザメやウミガメなどの動物が描かれた絵馬は、奉納せずに自宅へ持ち帰ってもOK。海を身近に感じるグッズとして、飾っておくのも良さそうです。売り上げの一部は海洋保全活動へ寄付されます。

ゴーストギアを生まない循環づくりを
本来は漁業を支えるための漁具も、海へ流出すれば「ゴーストギア」となり、長い期間、海洋環境に負荷を与える存在となってしまいます。なるべく回収できる機会と技術が多くなり、さらにそれを再活用できる循環が当たり前になるといいですね。
Reference:
WWFジャパン 深刻な海洋プラスチック問題の原因「ゴーストギア」を無くそう!
Text:Itsuki Tanaka






