
「気になる10代名鑑」1317人目は、菅藤康雄さん(18)。高校1年生のときに発生した能登半島地震をきっかけに、防災の活動を始め、現在はふたつの団体に所属しています。被災の経験がない中で、身近な家族の話や被災地を訪れた経験を通して活動の目的が見えてきたと話す菅藤さんに、その活動内容や大切にしていることについて話を聞きました。
菅藤康雄を知る5つの質問
Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「防災をテーマに掲げ、学生団体『NOTO STUDENT FUNDRAISING PROJECTS(NSF)』とNPO法人『日本若者防災復興協会』で活動しています。
NSFは能登半島地震をきっかけに立ち上がった学生団体ですが、現在は福島や首都直下地震など、より幅広い防災・災害の課題を扱う団体へと発展しています。ここでは、街頭募金や防災イベントへの出展、防災に関する情報発信などをおこなっています。
大学生を中心に立ち上げたNPO法人『日本若者防災復興協会』では事務局長を務めていて。こちらはNSFの活動を支える役割を担っていて、企業との連携や助成金申請、事務手続きなどを担当しています。
最近は、文京区の防災フェスタで防災クイズを実施したり、首都直下地震をテーマにしたプロジェクトを進めたりしています。災害を遠い出来事ではなく、自分ごととして考えてもらうきっかけをつくることに力を入れています」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「高校1年生のときに発生した能登半島地震です。
ぼく自身は大きな災害を直接経験したことはありません。ただ、宮城県で生まれ、母が以前気仙沼で働いていたこともあって、東日本大震災については小さいころから話を聞く機会があって。母の知人が亡くなったことや、当時の写真などを通して、震災はどこか身近な存在だったんです。
そんな中、お正月にテレビで能登半島地震の被害を目にし、大きな衝撃を受けました。さらに、能登を支援する学生団体が立ち上がることを知り、『何かやってみたい』という気持ちで参加したのが始まりです。
最初から防災や復興支援の知識があったわけではありません。でも、活動を続ける中で被災地や防災について学ぶ機会が増え、少しずつ自分自身の関心も深まっていきました」
Q3. 活動するうえで、大切にしていることは?
「『何のためにやっているのか』という目的を認識した上で活動することです。
活動を続けていると、目の前の作業をこなすことが目的になってしまうこともあります。でも、目的意識がなくなると、自分自身のモチベーションも下がってしまいますし、団体としての団結感も薄れていってしまうと思っています。
実際、活動を始めたばかりのころは、募金活動をしながら『本当に意味があるのかな』と思うことがありました。
でも、七尾市や石巻市を訪れたりして、被災地の現状を直接見たことで、自分たちの活動とのつながりを実感できるようになりました。建物の解体が進み、復興へ向かう様子を見る中で、『だから自分たちは活動しているんだ』という目的が以前より明確になった気がします。
目的を共有しながら活動することで、個人としても団体としても前に進んでいけると思っています」

Q4. 印象的だった出来事は?
「昨年12月に石川県七尾市、3月に宮城県石巻市を訪れたことです。
ぼくは宮城県生まれですが、震災当時は幼く、被災地の記憶はほとんどありませんでした。3月に祖父母に会いに行く機会があり、自分から『石巻にも行ってみたい』と希望して訪れました。
大川小学校や門脇小学校を見学したのですが、ピアノや校長室、被害を受けた壁などが当時のまま保存されていて、写真や映像で見るのとは全く違う衝撃がありました。
また、施設内には来館者が自由に思いを書き残せるノートが置かれていました。そこには、震災当時に高校生や大学生だった人たちが、家族や友人を亡くした経験や避難したときの思いを綴っていました。いまの自分と同世代だった人たちの言葉を読む中で、一人ひとりに異なる人生や体験があることを強く実感しました」
Q5. 将来の展望は?
「現在活動しているメンバーは関東圏に住んでいる人がほとんどです。今後は全国にメンバーを増やし、防災について学んで、行動する若者の輪を広げていきたいです。
また、今年秋には防災庁の設置も予定されているので、将来的にはそうした行政機関とも連携できるような活動を目指しています。
個人としては、大学生のうちに防災士の資格を取得したいと考えています。防災に関する知識だけでなく、避難所運営や災害時の対応についても学び、より専門性を持って活動に関わっていきたいです」

菅藤康雄のプロフィール
年齢:18歳
出身地:埼玉県朝霞市
所属:日本若者防災復興協会、創価大学、NSF PROJECTs、KNOW NUKES TOKYO、トンガリーズ埼玉支部、U18DRAFT9期
趣味:野球観戦、音楽を聞くこと
特技:新しいことを始めること、
大切にしている言葉:英知を磨くは何のため、君よそれを忘るるな
菅藤康雄のSNS
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Photo:Nanako Araie
Text: Yuka Miyazaki







