
「気になる10代名鑑」1319人目は、森咲絢さん(16)。世界人権宣言をテーマにした小学生向けのバイリンガル絵本制作プロジェクト『UDHR for kids』を立ち上げ、おもにイラストを担当しています。幼いころから大好きだった「描くこと」を武器に挑戦する森咲さんに、きっかけとなったアメリカ生活のエピソードや立ち上げまでの話を聞きました。
森咲絢を知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「小学生向けの日英バイリンガル絵本を制作するプロジェクトです。
絵本としては堅苦しく聞こえるかもしれませんが、『世界人権宣言』を題材にしていて。人権という少し難しい内容を、ストーリーとイラストを通して、子どもたちが自然に学べるかたちにしたいと考えています。
また、クラウドファンディングサイトの『CAMPFIRE』でもプロジェクトを展開していて、『世界中の子どもたちが、自分たちを守るための武器である人権を知ってほしい』という想いを発信しています。
プロジェクトを進める上では、ピッチイベントに参加したり、実際にニーズ調査をおこなったりして、さまざまななアプローチで課題解決に取り組んでいます」

Q2. 活動を始めたきっかけは?
「アメリカに住んでいたときの、帰国子女としての経験が大きいです。
例えば、現地の学校では目に見えないカーストのようなものが存在していました。英語がうまく話せない子がからかわれたり、人種によって不当な扱いを受けたりする光景を目の当たりにして、幼心にショックを受けたのを覚えています。
また、いまも世界中で戦争が起きていて、人間が生まれ持つはずの権利が守られていない現状があります。しかし、こういった話を学校で学ぶ機会はあっても、言葉が難しくて自分の生活と結びつきにくいと思うんですよね。
だからこそ、子どもたちが自然に共感できるような身近なものとして届けたいと思ったのがきっかけです」
Q3. 活動にあたってのファーストアクションは?
「まずは自分が抱えていたモヤモヤを友人と話し合い、どのような課題があるのかを見つめ直しました。その上で、自分にしかできないアプローチは何かとアイデアを出し合ったんです。
わたしは幼いころから絵を描くのが大好きで。おじいちゃんがわたしの描いた絵を壁に飾って、褒めてくれたことがすごく嬉しかったんです。その得意なことを活かして、子どもでも手に取りやすい絵本というかたちにしようと決めました。
物語にはキャラクター構成では多様性を意識して、三つ編みの赤毛が特徴的なミラ、茶髪のウィリアム、そしてアメリカ出身のキャビーという、異なる背景を持つ3人の主人公が登場します。
彼らが星のかたちをした妖精といっしょに世界を旅しながら、風船のように人権のピースを集めていくストーリーとなっています」

Q4. 活動をしている中で、印象的だった出来事は?
「絵本を広めるために、起業家や投資家が集まる『スタートアップパーク』でのピッチイベントに参加したことです。
これまでは親や先生といった身近な大人としか関わりがありませんでしたが、社会で活躍するプロの人たちから真剣なアドバイスをもらえたことは、大きな刺激になりました。『ここの表現は直したほうがいい』『この視点は考えているのか』といった、表面的な応援ではない、本気のフィードバックは『ずっしり』ときましたね。でも、それらが自分たちのビジョンを修正し、成長させてくれました。
また、3日間で起業を体験する同施設内のプログラムでは、この絵本のアイデアを掲げて最年少のリーダーとして仲間を集めました。自分のアイデアに共感してくれる仲間といっしょに、活動する大変さも楽しさも知ることができて、忘れられない経験になりました」
Q5. 将来の展望は?
「このプロジェクトを通して、だれもが自分らしく幸せに暮らせる平和な社会を実現させたいです。
生物や環境について学校で学んでいるので、将来は、それらに関わる社会課題をより多くの人にわかりやすく伝え、解決につなげられる存在になりたいと考えています。
幼いころから自然や動物が大好きなので、今回の絵本プロジェクトのように、イラストや物語という親しみやすいかたちを通して、社会にいい影響を与えていきたいです」

森咲絢のプロフィール
年齢:16歳
出身地:茨城県 つくば市
所属:茗溪学園高等学校、NGGL(茨城県次世代グローバルリーダー育成プログラム)8期生
趣味・特技:バスケ、映画鑑賞、音楽鑑賞、お絵描き、ピアノ、バナナパンケーキ作り
大切にしている言葉:昨日の自分を超えろ!
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Photo:Nanako Araie
Text:Selna Iwasa






