Teen's Snapshots

「考えることが面倒」なAI時代、「考える」が創作のテーマ。本当に作りたいものを問い続け、発信する高校生クリエイター【文太郎・16歳】

「考えることが面倒」なAI時代、「考える」が創作のテーマ。本当に作りたいものを問い続け、発信する高校生クリエイター【文太郎・16歳】

気になる10代名鑑」1299人目は、文太郎さん(16)。映像制作や折り紙、アクリル絵画など、さまざまな領域のアート作品を手がける高校生です。「考える」ことをテーマに、思春期ならではの葛藤も作品に閉じ込めている文太郎さんに、そのテーマの理由や将来の展望を聞いてみました。

文太郎を知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?

小さいころから、絵を描いたり、映像作品をつくったりと、あらゆる創作をしています。高校生になってからは、美術部でアクリル画にも挑戦し始めました

最近の傑作は、絵でも映像ではないのですが、折り紙で作ったフェラーリです。小学3年生のころにハマった折り紙をずっと続けているのですが、体に身についた折り方を駆使して完成させたのが、この作品です。50cm×50cmの紙と、約6時間格闘しました(笑)」

Q2. どんなことをテーマに活動をおこなっていますか?

あえて言うならば、考えることの大切さ、そして考えないことの怖さをテーマにしています。

小さいころから、創作が好きで、当時は特にテーマも決めず気ままに作品を作っていました。でも中学2年生くらいから、だんだんとテーマが『考える』に定まるようになってきた気がします。最近で言うと、いまは16歳なので、2年後に与えられる選挙権を漠然と意識したからかもしれません。何事も本質を見るには、時間をかけた議論と本音を言うことが大事なのだと考えるようになりました。

スマホやAIがとても身近にあるいま、考えることがめんどくさくなってきていると感じていて。これからの時代、テキパキと仕事をこなすことよりも、独自のアイディアや他と違う存在になることのほうが大切になってくると思っています。だから、『考える』ということについてアートを通して発信していきたいです」

Q3. 影響を受けた人物は?

『ジョジョの奇妙な冒険』などを手がける荒木飛呂彦先生の作風が大好きです。

あの不思議な画風や世界観はもちろん、斬新な色使いには特に影響を受けています。

作中で、シーンによって色を反転させメリハリをつけるような色使いに惹かれましたね。荒木先生の作品に出会い、美術への情熱も以前より増した気がしています」

Q4. 活動をする中でつらかったことは?

思春期も関係しているのかもしれませんが、空気を読む文化、出る杭が打たれる雰囲気が好きではなくて、なかなか自分の意見を言えない中学生時代を過ごしました。自分を解放することが怖くて。創作意欲はあって表現したいこともたくさんあるのに、自分を出せなくてモヤモヤしていました。自分でも理由は分かりませんが、周囲の目が気になってしまって。

でも、だんだんと『本当に作りたいものを作ろう』と思えるようになってきました。『出る杭は打たれる、しかし出過ぎた杭は打たれない』という言葉に背中を押しされたんです。中学生のときもこの言葉は知っていましたが、時の流れの中で意味を実践できるようになりました。

昨年の冬、『Bun²』というキャラクターが主人公の『BE MYSELF?』というアニメーションを制作しました。友人の冨井瑠太などに作ってもらった音源とのコラボ作品です。この作品は、周囲の目を気にして自分のやりたいこと押し殺してしまう、そんな自分に向けたものでもありましたね」

Q5. 将来の展望は?

将来何をするかはまだ決まってはいませんが、『考える』をテーマに自分の世界観を広げていきたいです。

実は、小学2年生のころからの夢で、映画を1本は作りたいと思っています。小学生のときは、計画を練って宇宙船まで作ったのに、頓挫してしまって。

昔から人々に語り継がれている、神話のようなストーリーを作りたいです。普通の人が、強大な目標のために力を合わせて、平和な世界を実現する。神話はだいたいそんなストーリーなのですが、面白いからこそ語り継がれていると思っていて。そんな映画を、いちから自分の手で作りたいです」

文太郎のプロフィール

年齢:16歳
出身地:神奈川県鎌倉市
所属:横須賀総合高等学校、美術部
趣味:美術館に行くこと、古着屋巡り
特技:折り紙で何かの折り方を考えること
大切にしている言葉:旅に出よう

Photo:Nanako Araie
Text:Haru Ninagawa

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