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警備員さんにも届いた、忘れられない雨の日のライブ。ファンタジーと日常の間で「優しい音楽」を届けたい【乙音・19歳】

警備員さんにも届いた、忘れられない雨の日のライブ。ファンタジーと日常の間で「優しい音楽」を届けたい【乙音・19歳】

「気になる10代名鑑」1291人目は、乙音さん(19)。シンガーソングライターとして関西を拠点に路上ライブをおこなっています。『優しい音楽』をテーマにしたオリジナルソングを届ける乙音さんに、印象的だった雨の日のフリーライブの出来事や将来の展望について聞いてみました。

乙音を知る5つの質問

Q1. プロフィールを教えてください。

シンガーソングライターとして、関西を拠点に活動しています。ファンタジーと日常を掛けけあわせた『優しい音楽』をテーマに、聴いてくれる人にそっと寄りそうような曲を書いています。

最近では関西のライブハウス主催のシンガー発掘プロジェクト『十代白書』の決勝に進んで、心斎橋BIG CATという大きな舞台で歌いました。

一次の音源審査から、落ちる不安から応募を迷ったんですが、とりあえず送らないと始まらないと応募して。それでもやっぱり、1月の予選から3月の決勝まで同じ曲をずっと練習しつづけるのもしんどかったですし、たくさんの人にアドバイスをもらいながらも、自分を見失いそうにもなりました。

決勝当日はバンドの出演が多いなか、シンガーソングライターとしてひとりで舞台に立つプレッシャーも大きかったです。でも、最前列に自分を応援してくれる人が来てくれたこと、緊張感の中で自分の思いを自分の歌にのせて届けられた経験は、わたしに自信をくれて。もっともっとたくさんの人にわたしの歌を聴いてほしいという思いも強くなりました」

 

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Q2. 活動を始めたきっかけは?

「小さいころから、人の心の中を読んで気をつかいすぎてしまうことがあって。とくに小・中学校ではいじめが習慣的にあり、友だちがいじめられたりときにはわたし自身がいじめの標的になったりする学校生活に、つかれることもありました。

だからこそ、『チャーリーとチョコレート工場』や『オズの魔法使い』、『ピーターパン』などのファンタジーの世界がわたしにとってたいせつな居場所だったんです。

あるとき、テレビでSEKAI NO OWARIさんのパフォーマンスをみて、ファンタジーの世界のように繊細で夢みたいだけれど、まっすぐ自分に向かってくる歌詞に胸がときめきました。それまで漠然と心の中にあった『やさしい世界になればいいな』という思いを、歌で表現できるんだと気づいて。もともと5歳のときからピアノを弾いていたのですが、そこから、音楽への興味が高まってギターも習いはじめました。

いまはよりたくさんの人に自分の歌を届けられるよう、曲作りと路上ライブ、そしてSNSでの配信などを通して活動しています」

Q3. 活動をする中でつらかったことは?

「いちばんよく話す父との喧嘩です。

父に、あるライブの後『もっと時間を作って練習できたんじゃない』という言葉を言われたことがあって。図星すぎて自分自身にも腹が立ち、家出をしたんです。帰ってきて部屋の隅で、はじめて泣きながら曲をつくりました。

『Doll』という曲なのですが、わたしの想いが強い分、ファンの中でも好きと言ってくれる人が多いです。

わたしも曲を書いたことで自分の気持ちと父に向きあうことができ、その後父とはそれまでのようにいい関係を築けています」

Q4. 活動する中で、印象的だった出会いは?

「地元のお祭りでフリーライブをしたときに出会った警備員のおじさんです。

その日は雨が降っていて、わたしは屋根の下で歌っていました。ちらほら傘をさして聞いてくれる人はいたものの、雨の音で私の歌がかき消されていないか、ちゃんと想いは届いているのか不安でした。

それでも最後まで歌いきって片付けをして、少し落ち込みながら帰ろうとしていたんです。すると近くで車を誘導してた警備員のおじさんが、『感動したよ。がんばってね』と言ってポケットからシワのついた1万円札を出して、わたしに渡してくれて

わたしの想いがちゃんと伝わっていたと思うと嬉しく、彼のようにわたしの目指す『優しい音楽』を受けとってくれる人のためにも、もっとがんばらないとと思いました。

その1万円札は使わずに大切に取って置いています。そしてこの出会いからさらに強くなったやさしい世界への願いは、『ねがいごと。』というオリジナル曲にのせて歌っています」

Q5. 将来の展望は?

聴いてくれる人が、わたしの歌を聴いている間は現実からすこし離れて、自分にも居場所があるんだと思えるような歌を届けたいです。

そのためには、やっぱりやさしい歌詞とメロディーの両方が必要だと思っていて。わたしは歌詞を重視して音楽を聴くことが多く、自分の曲でも歌詞を書くのは得意なほうなんです。

でも、ライブハウスの関係者などにも、『海外の曲を勉強したほうがいい』と言われて、最近は洋楽やジャズなど、いままで触れてこなかった音楽にも触れるようにしていて。まずはチャートの上位曲から攻略しているのですが、リズムやメロディーが邦楽とは違っていたり、メッセージの伝え方もそのリズムによって違っていたりして、とても勉強になっています。

これからも、表現の方法を研究して、いちばん想いが伝わりやすい曲を作り、わたしの歌声で『なんとかなるよ。みんなで笑ってやさしい世界にしていこう』というメッセージを届けたいです」

乙音のプロフィール

年齢:19歳
出身地:兵庫県西脇市
所属:なし
趣味:おしゃれすること
特技:常に笑顔
大切にしている言葉:ありがとう

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@otone__0626 あなたと出会えて/乙音 YouTubeにフルを投稿しました‼️ いっぱい聴いてね〜🙌🏻💕 #弾き語り #オリジナル曲 #06 #わんちゃん ♬ オリジナル楽曲 – 乙音

Photo:Nanako Araie
Text: Ririka Takashima

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Ririka Takashima

ライター

2006年生まれ。早稲田大学国際教養学部にて、英文学を中心に比較文化学や認知科学、国際関係学など多領域を横断して学ぶ。「一期一会」をモットーに、世界中の価値観に触れながら自らの感性をアップデート中。境界線のない自由な視点で、新しい世界の切り取り方を探求している。

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