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輸入した義肢はアフリカの地形に耐えられない? 地形や生活、さまざまな肌の色に合わせた義肢を製造するナイジェリアの企業を紹介【Steenz Breaking News】

輸入した義肢はアフリカの地形に耐えられない? 地形や生活、さまざまな肌の色に合わせた義肢を製造するナイジェリアの企業を紹介【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、ナイジェリアでアフリカ義肢を開発している企業を紹介します。

アフリカで普及が遅れる支援機器

車椅子や眼鏡、義肢、白杖など、障がい者や高齢者の生活を支える機器を「支援製品」あるいは「支援機器」といいます。UNICEFによると、世界では25億人以上の人がひとつ以上の支援機器を必要としているとされています。一方で、世界保健機関(WHO)によると、アフリカで支援機器を必要とする人のうち、実際に利用できるのはわずか15%〜25%程度です。

たとえば、失った四肢の機能や見た目を補う義肢。アフリカにおいて、多くの義肢はヨーロッパから輸入されており、非常に高価なため、入手できるのは十分な資金がある人に限られていました。さらに、ヨーロッパ製のため肌の色や体型が異なるほか、アフリカの地形に合わず、農業作業といった肉体労働には向いていないという大きな欠点も抱えていました。

特殊メイクアーティストが義肢産業に

そんな中、ナイジェリアに、アフリカの義肢産業に一石を投じた会社があります。2020年にナイジェリア人の兄弟によって設立された義肢制作会社「Immortal Cosmetic Art」です。

設立の背景には、CEOであるジョン・アマナム(アマナム氏)の弟の存在があります。

2019年、彼の弟は大晦日のイベントの爆竹が原因で、指を失ったのです。義肢を探しましたが、弟の肌の色に合うものは見つかりませんでした。現地のメディアの取材で、アマナム氏は「自分の肌に合わない義肢を使うくらいなら、使わない方がましだ」という弟の発言に悲痛を感じたと述べています。

美術の学位を取得したアムナム氏は、映画や演劇で使う人間のレプリカを作る特殊効果アーティストでした。そこで、彼はその経験を活かし、アフリカの人の肌に合う義肢を作ることを決心したのです。独学で解剖学や化学、色彩理論、色素沈着を学び、実験を重ねました。

3年間にわたる研究の結果、いまではImmortal Cosmetic Artで、事故や糖尿病などで体の一部を失った人々に、日本円にして約16,000円からという非常に安い価格で義肢を提供しています。彼らは手作業で肌の色、しわ、指紋、血管、爪、ほくろ、そばかすまで、使用者の体を限りなく再現しています。

また、同社は筋電図を用いて筋肉信号を読み取り、モーターで義肢が動くバイオニック義肢も開発。政府やNGOからの支援を募り、すでに、10人以上のユーザーに無料で寄付されているといいます。

現在、顧客はアフリカ各国に加え、アメリカやヨーロッパに暮らすアフリカ系の人々にも広がっており、その数は60カ国、5,000人以上にものぼるそうです。アマナム氏は、研究所を拡大し、アフリカ全体で義肢アーティストが活動できるように研修アカデミーを設立することが目標だと述べています。

誰もが義肢にアクセスできる社会を目指して

筆者の住むウガンダでも、四肢に障がいを抱えながらも、義肢を使わず生活している人々の姿が多く見られます。そうした中で、ナイジェリアの兄弟が製作する義肢は、一人ひとりの肌の色や地域の生活様式、気候、地形に適した設計となっており、多くの利用者の生活を大きく改善してきました。世界各地で数々の賞を受賞するアマナム氏の、さらなる活動の広がりが期待されています。

References:
Unicef「Global report on assistive technology」
World Health Organization「FRAMEWORK FOR IMPROVING ACCESS TO ASSISTIVE TECHNOLOGY IN THE WHO AFRICAN REGION」
Reuters「Nigerian firm develops bionic arms for amputees」
WELCOME AFRICA「Realistic prosthetics for dark skin: art that restores dignity from Nigeria」
CGTV AFRICA「Made to Match: Sculptor gives hyperrealistic prosthetics a new face in Africa」

Text:Hao Kanayama

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Hao Kanayama

ライター

ウガンダ在住。アフリカ専門ライター/音楽フェス・イベントプロダクション等。不条理で不都合な世界だけど、その先にある希望を求めて歩き続ける、アフリカの人々の暮らしをわたしの目線から伝え続けたい。

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