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マジョリティもマイノリティも、同じように眠れない夜がある。そのままの自分を愛せる社会をコミュニティを広げたい【小泉芽生・19歳】

マジョリティもマイノリティも、同じように眠れない夜がある。そのままの自分を愛せる社会をコミュニティを広げたい【小泉芽生・19歳】

気になる10代名鑑」1287人目は、小泉芽生さん(19)。「そのままの自分でいられる」社会を作ることを目標に、コミュニティづくりに挑戦している大学生です。いまの活動のテーマには、紆余曲折を経て辿り着いたと話す小泉さんに、当時の話や将来の展望についてを聞いてみました。

小泉芽生を知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?

フィンランド語で自然という意味の『Luonto』というコミュニティをつくりました。これは、年齢や国籍、障害の有無に関係なく、そのままの自分でいられる空間を目指したもので、これからこの輪を広げていけたらと考えています。

具体的には、日常の中でどこか違和感を抱えている人や、本音で話せる場所を求めている人をターゲットに、小さなイベントを企画しています。

イベントでは、ゆっくり対話をしたり、自分の気持ちを言葉にしたりしながら、自然と“自分に帰ることができる”ような空間を大切にしていて。前回は5月2日に、波打ち際に座って対話するイベントを開催しました。7人が参加し、自分の価値観を100個の言葉から選ぶワークを通して、自分の大事にしている価値観とそれぞれが向き合うようなイベントになりました」

 

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Q2. 活動を始めたきっかけは?

「高校3年生で『トビタテ!留学JAPAN』で、障がいのある人やLGBTQ+の人なども生きやすいインクルーシブな社会の実現をテーマに、フィンランドへ留学へ行きました。

1年間の留学を終え、がむしゃらにイベント参加や勉強をしていたのですが、そのとき『本当にこれでいいのか』という思いが芽生えたんです。自分の留学経験を振り返ってみると、『誰の目も気にせず、そのままの自分でいられること』が、自分にとっての幸せの土台だったような気がして。

『障がい者だから』というカテゴリーで見るのではなく、社会の空気そのものを『そのままのあなたでいい』という風に変えることが大事なのだと気づきました。お風呂に入りたくないし寝たくもない夜や、ルッキズムに囚われて見た目を気にしてしまう悩みは、誰でも持っているのではないかなと思うんです。マジョリティの側だって、苦しいことがある。マジョリティもマイノリティもみんな抱きとめるために、まずはそれぞれが自分を愛さないといけないのだと感じ、いまの活動に至ります」

Q3. 活動をする中でつらかったことは?

「いまの活動に方針転換をする前は、大学の寮をどうやってインクルーシブな場所にするかに興味があって。

でも、実際に寮に住んで実践をする中で『本当に自分がやりたいことなのか』『周りの期待に応えようとしてはいないか』と悩むようになりました。結局紆余曲折を経ていまの活動に至るのですが、当時は『辞めること=逃げ』と感じ、周りからどう思われるのかを気にして、苦しい時期を過ごしました。

でも、あるとき、『〜のおかげで』という言葉で、思いつくものを紙に書き出してみたんです。そしたら、人からどう見られるかをやめた“おかげで”あまり気にしなくなったし、その活動を“やめた“おかげで”時間や自分を大事にできるようになったと気づいて。

選ばなかったほうを後悔することはいつでもあります。でも決めた道を、自分で正解にすることもできる。もちろん、その選択のせいで起きた問題もあるけれど、そうしたつらいことを経験している分自分の力で責任を持って、逆に自由に選択できるようになると学びました」

Q4. 活動をしている中で、印象的だった出来事は?

Instagramで自分の思いを発信していたときに、『共感しました』『話してみたいです』と連絡をくれる人が少しずつ増えていったことがとても印象に残っています。

心からの思いを素直に発信することで、こんなにもつながれる人がいるんだと実感して、すごく嬉しくなりました。実際に、発信をきっかけに5月に開催したイベントへ来てくれた人もいて、自分の言葉や思いが人と人をつなげる瞬間を目の当たりにしました。

一方で、最初は『こんなことを発信したらどう思われるんだろう』『バカにされるかもしれない』という怖さもずっとありました。それでも、周りからどう見られるかではなく、自分がどう生きて何をしたいのかを軸に考えられるようになったことは、自分にとって大きな変化です」

Q5. 将来の展望は?

将来の夢は、大好きな家族といっしょに、まだ行ったことのない素敵な場所で暮らすことです。海や森など自然に囲まれながら、毎日新しい人や価値観に出会う。まずは30歳で、そんな理想のライフスタイルを実現することが目標です。

そして、セカンドキャリアとして、『リトルマーメイド』の世界に没入できるようなカフェ『Luonto』を作りたいです。カフェに行きたいと思ってふらっと入ったお店で、思わず自然にこんな本音を語っちゃったというのが理想で。カフェで人生相談している自分をよく想像するんです(笑)。そうやって若者の本音を引き出せたらいいなって。

最終的には、世界人口の2割、約16億人と仲間になるのが目標です。経営やコミュニティでは、『20:80の法則』という法則があります。これは、まず2割の共鳴する人たちが動くことで、その空気や価値観が周りにも広がっていくという考え方で。もし世界中で、16億人が『そのままでいい』と感じられる空気を持てたら、その空気はきっと周りにも広がっていく。世界を実際に旅する中で、いろんな人たちと語り『そのままでいいよ』という空気を自分が届けながら、仲間を増やしていけたらいいなと思っています。無理に思えるようなことを実現することで、同じようなことを言われ夢を諦めかけている人たちの勇気になりたいです」

小泉芽生のプロフィール

年齢:19歳
出身地:静岡県静岡市
所属:東洋大学福祉社会デザイン学部子ども支援学科、Luonto
趣味:新しい価値観や人、場所など、“まだ知らないもの”に出会うこと
特技:大きな声を出すこと
大切にしている言葉:ワクワクにまっすぐ、そのままの私で

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Photo:Nanako Araie
Text:Haru Ninagawa

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