
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、南アフリカで活用が進んでいる、廃棄物から作られたコンクリートについて紹介します。
コンクリート製造が環境負荷に
気候危機の主要な要因のひとつである、建築・建設産業。国連環境計画(UNEP)とグローバル建築建設アライアンスが発行した「 建築・建設分野世界状況報告書」によると、2025年時点で、建設・建築分野は世界の二酸化炭素排出量の約34%を占めています。
その中でも、コンクリートの主原料となるセメントは、特に環境負荷が大きい建材です。セメント製造は世界全体の二酸化炭素排出量の約8%を占め、そのうちの約60%は、製造過程で石灰石を高温で焼成する際に発生します。
1960年以降、世界のセメント生産に伴う二酸化炭素排出量は増加傾向にあります。これは、都市化の進展により、住宅やインフラなどの建設需要が世界的に拡大しているためです。コンクリートは原料が豊富で安価かつ大量生産が可能であり、急速な都市化を支える主要な建材として広く利用されています。
また、建設産業は世界の全固体廃棄物の約35%を排出しているという事実も。二酸化炭素排出とともに、廃棄物の面でも問題を抱えているのです。
廃棄物でラグジュアリーな空間を
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そんな中、南アフリカでは、従来のコンクリートの代替品となる資材が注目されています。2023年に設立されたZEROCRETEは、約20年にわたる研究開発の末に、埋立地に送られる可能性のある大量のプラスチック、布、ガラス廃棄物を原料とし、コンクリートの代替となる資材「Zerocrete」を生み出しました。住宅やビル、倉庫の壁や床だけでなく、家具、墓石に至るまで、あらゆるものに活用されています。
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Zerocreteは従来のセメント製品と比較して、セメントの使用量を最大40%削減し、二酸化炭素排出量を54%〜85%削減できるそうです。また、プラスチックや布を資源として活用していることから、廃棄物の削減にも貢献しています。さらにこうした取り組みは、土地や水の汚染、マイクロプラスチック生成の抑制にもつながっているのです。
試験的に、建材の9割以上が廃棄物由来の住宅も建設されました。基礎や床だけでなく、プール、階段、キッチン、浴槽、家具に至るまで幅広くZerocreteが活用されています。
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さらに、ZEROCRETEの製品は耐久性や吸水性、断熱性にも優れ、デザインや質感、色のバリエーションも豊富に展開されています。中には、廃棄物由来のものとは思えない、ラグジュアリーなデザインのものも。
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廃棄物管理と炭素排出という、建築・建設分野が抱えるの両方の課題にアプローチする、ZEROCRETEの取り組み。アフリカでは都市化が急速に進んでいる一方で、環境汚染への対策はまだ十分に追いついていないのが現状です。こうした取り組みが世界各地へ広がり、建設業における環境負荷の低減につながることが期待されています。
References:
UN Environment Programme (UNEP) Global Alliance for Buildings and Construction (GlobalABC)「Global Status Report for Buildings and Construction 2024/2025」
UNEP「CO2 emissions from buildings and construction hit new high, leaving sector off track to decarbonize by 2050: UN」
WORLD ECONOMIC FORUM「Cement is a big problem for the environment. Here’s how to make it more sustainable」
Cbam Guide「Cement Clinker and CBAM: Why the Calcination Reaction Drives 60% of Emissions」
Gitnux「Construction Waste Statistics」
ZEROCRETE「BENEFITS OF ZEROCRETE」
Text:Hao Kanayama






