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スペインで増える「MANGAKA」 国際色豊かに広がる日本のマンガ文化の担い手【Steenz Breaking News】

スペインで増える「MANGAKA」 国際色豊かに広がる日本のマンガ文化の担い手【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、スペインで増えている「MANGAKA(漫画家)」についてご紹介します。

世界で拡大するマンガ市場

いまや日本を代表する文化として存在感を発揮している「マンガ」。アメリカン・コミックスなど、海外にも絵とセリフを使った読み物を楽しむ文化はありますが、日本では「マンガ」として絵の描き方やコマ割り、話の展開の仕方などが独自の進化を遂げています。実際、一般社団法人MANGA総合研究所によれば、2023年における日本発のマンガIP(キャラクターなどの知的財産のこと)のグローバル市場規模は約4兆円に達したとの報告があります。

 

そうした日本のマンガ文化の影響を受けながら、近年は韓国を起点にウェブトゥーン(縦スクロールマンガ)などの新たな市場も成長。世界でマンガ関連の市場規模が拡大しつつあります。多様な業界の市場動向の分析をおこなうFortune Business Insightsのレポートによれば、日本のマンガや欧米のコミック作品などを含む世界のコミック市場の規模は、2025年に176億9,000万米ドルに到達したとのこと。この市場は、2034年には270億1,000万米ドルに成長すると予測されています。

スペインでも日本のマンガが大人気

そうした中、実はスペインにおいて、日本発のマンガ文化が盛り上がっています。コロナ禍以降、室内で楽しめる趣味として、本だけでなくコミックやマンガを読む人が増加。スペインでの市場規模は、2025年には世界のコミック市場の1.6%を占める3億200万米ドルとなり、2033年までに5億5030万米ドルに達する見込みだといいます。

そんなスペインでは、以前から日本のマンガが人気です。その熱量は、現地で『Manga Barcelona(マンガバルセロナ)』というスペイン最大級の日本のマンガ・アニメに関するイベントがおこなわれるほど。1994年から毎年12月に開催され、ここ数年は16万人超が来場しているそうです。

スペインで増える「MANGAKA」

長きにわたって多くの人が日本発のマンガに触れてきたスペインで、日本流の漫画家が誕生したことは、当然の流れだったのかもしれません。

最近、スペインでは、日本のマンガのような描き方で作品を生み出す「MANGAKA(漫画家)」が増えているそう。その中には、日本のマンガ雑誌で連載を持ったり、出版社から単行本を発売したりした作家も登場しています。

例えば、Kenny Ruiz(ケニー・ルイス)さんは、別冊少年チャンピオンで手塚治虫のキャラクターや作品を原作とした『チーム・フェニックス』を連載していました。全5巻で単行本化もされており、多くの手塚治虫ファンやマンガファンから愛されていた作品であることがうかがえます。

現在は日本で暮らすJuan Albarran(フアン・アルバラン)さんも、日本での連載を経験したMANGAKAのひとり。週刊モーニングで『マタギガンナー』の作画を担当し、同作は全11巻で完結しました。現在はコミックDAYSにて、自身が漫画家デビューを果たすまでを描いたエッセイマンガを連載中です。

女性のMANGAKAも活躍しています。モーニング・ツーでダーク・ファンタジーマンガ『メアヘイム』の作画を担当しているのは、スペイン出身のKonata(コナタ)さん。同作は現在も連載が続いており、単行本も1巻が発売されています。

どの作家も日本のマンガに大きな影響を受けつつ、生まれ育ったスペインで培われた感性を活かして、魅力的な作品を生み出しているのが特徴です。

日本のマンガの担い手は国際色豊かに

実は最近、日本の出版社もスペインをはじめとした海外出身・在住の漫画家に高い関心を寄せています。

そのひとつの事例として、昨年9月、KADOKAWAが同社の漫画雑誌で台湾の人気漫画家・張季雅さんの連載作品をスタート。今年2月には、台湾の出版社と共同編集で単行本の1巻を発売したといいます。

このように日本の出版社が海外の漫画家に注目するのは、国内でマンガ作品を発表する場のデジタル化が進んでいることが、理由のひとつとして挙げられるようです。一昔前は、マンガを多くの人に読んでもらいたい場合、出版社に作品を持ち込み、雑誌などに掲載してもらう必要がありました。しかし最近では、個人でSNSや投稿サイト、アプリなどにマンガを発表できるため、出版社で優秀な描き手を確保する難易度が上がっているそう。そのため、海外出身・在住の漫画家に熱い視線を注いでいるのです。

海外出身の漫画家と作品を作り出すことで、日本のマンガ文化はますますグローバルに花開くことが予想されます。独自の進化を遂げてきた「マンガ」が世界の作家と出会ったとき、どのようなカルチャーへと発展していくのか。今後の動向に大いに期待を寄せたいところです。

References:
一般社団法人MANGA総合研究所「第2回マンガIP市場調査報告書2025」
Fortune Business Insights「Comic Book Market」
Grand View Research「Spain Comic Book Market Size & Outlook, 2026-2033」

Text:Teruko Ichioka

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Teruko Ichioka

ライター・編集

フリーライター。好奇心の強さは誰にも負けない平成生まれ。得意領域もスタートアップ、ビジネス、アイドルと振れ幅が広い。

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