
「気になる10代名鑑」の1328人目は、たびしゃさん (18)。国際協力と政治に関心を持ち、団体の設立、大学での探究活動、地域貢献などを通じて社会貢献活動をおこなっています。自身のルーツが活動の原点と話すたびしゃさんに、活動で大切にしていることやこれからの展望を聞きました。
たびしゃを知る5つの質問

Q1.いま、いちばん力を入れている活動は?
「国際協力と政治を軸に活動しています。
国際協力では、難民支援を入口にアジア太平洋地域の貧困削減や平和構築に関心を持って学んだり、実際に国際協力団体と接点を持って活動をおこなったりしています。
政治については、代表として『リベラルユースプラットフォーム』を立ち上げました。若者が政治を考えられる場を目指して、勉強会などを開催しています」

Q2.活動を始めたきっかけは?
「原点は、自分のアイデンティティそのものだと思います。
両親はともにスリランカ人ですが、私自身は日本で生まれ育ちました。ルーツはスリランカにもちながらも、第一言語は日本語で、現地の言葉を話すことはできません。そうした自分自身の中に、一種の「越境性」を感じてきました。そんな自分だからこそ、アジア太平洋地域の架け橋となってコミットすることができるのではないか。そんな感覚が芽生えてくるようになりました。
また、何度も訪れたスリランカで目にした貧困の光景も大きくて。社会課題が自分たちとも地続きであるかを知るにつれ、アジア太平洋地域に向き合いたいという気持ちが、じわじわと固まっていきました」
Q3.活動するうえで、大切にしていることは?
「学問的な謙虚さを持ちながら発信することです。
社会の課題に問題意識を持つほど、何か言いたくなる。でも、批判するだけでは何も変わらないし、語るならしっかり勉強しないと無責任だとも思っていて。だからこそ、自分たちの手で場をつくろうと、『リベラルユースプラットフォーム』という団体を立ち上げました。
批判的思考力を持ちながら、多様な考えがあることを理解すること。他者への想像力をはたらかせながら、片一方の意見を押し付けるのではなく多角的な視野で学び続けることが大切だと思っています。これからもその前提を忘れずに活動していきたいです」
Q4.活動の中で、悩みがあれば教えてください。
「自分自身の未熟さに対して、社会情勢は目まぐるしく変わってしまうことです。
問題意識はあるのに、スキルも時間も知識も、まだまだ足りない。自分がどれだけ積み上げても、政治状況がひとつ変わるだけで大きなマイナスになりうる。そのもどかしさを常に持ちながら生活しています。
それでも、支えになっているのはフリーランス国際協力師・原寛太さんの『ひとは微力だけど無力じゃない』という言葉です。この言葉は、中学3年生のときにおこなった貧困対策のためのスリランカへの寄付活動で、はじめて社会と地続きになれたときの感覚と重なっています。あの時両親に勧められて、自分が通っていた中学校で募金を呼びかけたことは、いまの活動にもつながる大きな転機となっています。
微力でも無力ではないと感じられているからこそ、学ぶこと、そして行動し続けることをやめないでいたいと思っています」

Q5.今後の展望は?
「アジア太平洋地域の未来をつくる活動をしたいと考えています。
目指すのは、誰もが自分らしく能力を発揮できる社会の構造をつくること。一人ひとりの小さな行動が社会を動かす力になる、そういう仕組みを社会に確かなものとしてつくっていきたいです。
具体的なルートはまだ模索中なのですが、アジア太平洋地域に向き合いたい気持ちと、社会を変えたい思いは変わらない気がします。謙虚に学び続けながら、自分の道を切り拓いていくつもりです」

たびしゃのプロフィール
年齢:18歳
出身地:静岡県三島市
所属:上智大学総合グローバル学部、リベラルユースプラットフォーム代表
趣味 : アニメ・映画鑑賞
特技:大切にしている言葉:明日死ぬかのように生きろ。永遠に生きるかのように学べ
Photo:Nanako Araie
Text:Taisei Sawamura







