
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、アフリカで近年急増している、武装ドローンの戦闘利用について紹介します。
世界全体のテロ犠牲者の半分以上が集まる地域とは
ニジェール、ブルキナファソ、マリ、モーリタニア等のサヘル地域は、世界で最も武装勢力による活動が集中している地域のひとつです。とくにブルキナファソ、マリ、ニジェールでは、武装勢力による攻撃が続き、テロや性的暴行、略奪などが横行しています。
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経済平和研究所の報告書は、2024年のサヘル地域でのテロの犠牲者は3,885人であったと発表しました。これは、この年の世界全体のテロ犠牲者のおよそ51%に当たるといいます。さらに、8,300以上の学校が、攻撃の標的となることを避けるため、閉鎖されました。
サヘル地域で活動する主な武装勢力には、アルカイダ系のJNIMと、イスラム国系のISSP、ISGSなどが挙げられます。クーデターが多発し、国家が弱体化していることから、反政府武装勢力が拡大したのです。政府と対立するだけでなく、組織間の内戦構造も存在しています。
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武装勢力が使う武器の変化
こうした状況の中で急増しているのが、ドローンの戦闘利用です。
現地の報道によると、これまでサヘル地域では、比較的安価な銃などの武器が使用されてきました。しかし近年では、アフリカ全体でドローンの普及が進み、特に紛争地域においてその使用が拡大。政府軍、非政府武装組織ともに、偵察や情報収集、地上部隊と組み合わせた攻撃などにドローンを活用しているそうです。2023年には政府軍が武装勢力との戦闘の中で誤って民間人を攻撃してしまうなど、戦闘員と民間人を十分に区別できていない、という指摘も。
武装ドローンなどの開発や使用を調査しているNPO法人、Drone Wars UKの報告によると、アフリカ諸国では2021年から2024年の間に、少なくとも943人以上の民間人がドローン攻撃により死亡しています。
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安価な武装ドローンの普及
こうしたドローンの主な輸入国としては中国、トルコが挙げられます。2020年から2024年までの西アフリカの武器輸入市場を見ると、中国が最も多く26%を占めているとのこと。中国製の武器は、アメリカやフランスといった競合より15〜20%ほど安価で、資金力がなくても購入が可能なのだそうです。

こうした安価なドローンの利用拡大は、民間人への攻撃を引き起こしたり、内戦の長期化を招いたりする要因のひとつとしても問題視されています。
テクノロジーの進化と規制の不十分な武器輸出の拡大は、武装勢力にも安価な装備が広がりやすい状況を生み出しました。ドローンの普及により、今後さらに民間人被害が増加する可能性もあります。武装ドローンをはじめとする武器の使用や輸出入、それに伴うリスク、規制のあり方について、より深く理解していく必要があります。
References:
IEP「Global Terrorism Index 2025」
Unicef「中央サヘル地域、武力衝突激化 人道支援必要な子ども1,000万人と急増 危機は隣国にも拡大、気候変動の影響も」
DRONE WARS「Death on Delivery: New Report examines civilian harm from intensifying drone warfare across Africa」
Seoul Economics Daily「China Overtakes France as Top Arms Supplier to West Africa」
Text:Hao Kanayama






