
「気になる10代名鑑」1254人目は、柴田遼平さん(17)。高校から演劇活動をはじめ、演劇部の公演だけでなく、コントユニットでのお笑いの表現にも挑戦しています。ふたつの世界を行き来しながら、芝居を自分なりに深めてきた柴田さんに、演技に憧れたきっかけや、将来の目標について詳しく聞きました。
柴田遼平を知る5つの質問

Q1.プロフィールを教えてください。
「演劇を軸に、表現活動をしています。
高校の演劇部員として活動するほか、外部のワークショップや舞台観劇でも演技を学んできました。他にも、2年生の10月からは同じ高校のメンバー3人で結成した『カラキャラメンズ』というコントユニットを組んでいます。演劇部は今年の2月に引退公演を終え、現在は受験勉強のためにすべての活動をセーブしている状態です。
ユニットでは、複数の短い寸劇をひとつの作品としてまとめて表現する、オムニバスコントという形式がメインです。脚本は他のメンバーが担当しているのですが、個人的には、お笑いというよりは、抽象的な劇をやってる感覚に近いと思っています。
コントは人と人との言葉の応酬ですが、さまざまな人間模様を描くお芝居にもものすごく通じているんです。お笑いをはじめてから、会話の演技が少し自然体に近づいてきたように感じています。
他にも、こんな学びもあって。演劇ではキャラクターの感情が先行した結果、会話が生まれるということになります。一方で、コントでは落としどころを作るための布石として、テンポがあると感じていて。この感覚はお笑いをやってみないとわからなかったことですね」
Q2.活動を始めたきっかけは?
「母親が舞台が好きな人で、小学5年生のころに劇団四季のライオンキングに連れて行ってもらったことが、舞台に興味を持ったきっかけです。
それまでにあまり映画や演劇を見てこなかった自分にとっては、未知の世界でした。当時は自分もやりたいっていう気持ちは明確にはなかったんですけど、いま考えてみると、舞台に立てたら面白いだろうなと潜在的に思っていたのかもしれないですね。そこからはミュージカルを観るのが習慣になって、舞台への憧れもうっすらと持ち続けていました。
転機は、高校受験です。国際色が豊かなところに惹かれて国際コースを志望したんですけど、うちの高校には舞台芸術科もあって。舞台の先生に教わったり、同じように舞台が好きな友達ができたらいいなと思い、国際コースに所属しながら、舞台芸術科の授業も取ることにしました。
当時は幼稚園生の頃から空手道を習っていたのですが、それを受験をきっかけに辞めたことと、高校も住んでいる場所からかなり離れたことで、演技という新しい挑戦をはじめようと踏ん切りが付けられました。せっかくなら、環境が変わるタイミングで、自分のやりたかったことに挑戦しようと思えたんです」

Q3.活動をする中でつらかったことは?
「高校生になるまで、表現活動に関してまったくの未経験だったので、はじめは他の演劇部員との実力差に苦しみました。市民ミュージカルに出ている人や、中学で演劇部だった人だけでなく、バレエやダンスなど、人前で表現をしてきたメンバーがほとんどだったんです。
1年生のとき、10月から大会が始まり、そこから3月までの公演期間は本当にがむしゃらに練習して過ごしていましたね。自分が何もできないことを自覚しているけど、そこで燻っていたら他の人はどんどんレベルアップしていくので、もうやるしかないと腹を括って。基本的な発声や滑舌、立ち方や歩き方などをずっと自主練していました。内面的には、いろんなことを考え続けていた気がします。どうしたらこの役が深まるのかとか、役の解釈を深めたり演技を洗練するためにはどうすればいいんだろうって、思考を止めずに頭をパンパンにすること自体を目的にしていましたね。
当時こそ、周りと比べてしまうことが多かったですが、いまはその考えはもったいないと思っています。もちろん、舞台上で必要な技術はありますが、上手い下手関係なく、表現の一種としてそこにあるものを捉えた方が楽しいよなっていうところに行きついて。自分と他人の表現を比較してどらかを下とするのではなく、互いの強みを認めていって、自分にない部分を伸ばしていくのがいまの理想です」
Q4.活動するうえで、大切にしていることは?
「自分の考えていることや生き様を表現できる役者になれたらいいなと思っています。キャラクターを演じているのに自分の感情が伝わるというのは、矛盾しているように聞こえるかもしれません。でも、いい意味で本人が透けて見えることで、お客さんの想定内を超えて、その役にかける想いが伝わってくるような表現になるんじゃないかなって。
技術面では、上手くやろうと思わないことを大切にしています。上手に演技しようと思うのはぼくの感情であって、キャラクターはそのつもりで行動しているわけじゃない。演劇をはじめたばかりのころは、向上心も相まって上手く見せようとしていたんですけど、芝居の勉強をするにつれて、その意識って結構不毛だなと思って。役であろうとすることを第一にして、表現に臨んでいます」
Q5.将来の展望は?
「いまは、舞台の専門学校ではなく、一般の大学を志望しています。舞台以外にもまだ知らない世界がたくさんあるのかなと思っていて。大学4年間で演劇以外のものにもたくさん触れておきたいんです。それが、まわりまわって表現力の底上げになるんじゃないかと考えています。舞台だけでなく映像作品も経験したいですし、歌や舞踊やダンスなど、これまでに習ってこなかった分野も勉強していきたいです。
その後の大きな目標は、イェール大学の演劇大学院に入ることです。授業料が全額免除されていて、実力が認められれば、全世界誰でも入学可能なんです。世界最高峰の学校で演技を学び、将来的に俳優として活動しながら、思考を止めずに能動的に学んでいく人間になりたいですね」

柴田遼平のプロフィール
年齢:17歳
出身地:神奈川県相模原市
所属:神奈川総合高校、M&D(演劇部)、カラキャラメンズ
趣味:スノーボード
特技:耳、肩を独立して動かせる
大切にしている言葉:自分を信じる
Photo:Nanako Araie
Text:Yuzuki Nishikawa







