
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、3月28日より公開となるドキュメンタリー映画『ライフテープ』をご紹介します。
「この幸せを映画にしよう」からはじまった
アーティストの隆一、パートナーの朱香、そして生まれたばかりの息子、珀久の3人家族の日常を追った映画『ライフテープ』。
「家族を撮ってほしい」と、隆一が親友である安楽涼監督へ連絡を入れたことをきっかけに誕生した作品です。
珀久は、銅の欠乏によりさまざまな健康問題が生じる指定難病「メンケス病」を生まれながらに抱えています。多くの患者は、治療をおこなわない場合その寿命は3歳前後と言われており、根本的な治療法は見つかっていません。

(C)『ライフテープ』製作委員会
安楽監督が3人の元を訪れてみると、困難な状況に置かれているとは思えない、パワフルに日々を楽しむ家族の姿がありました。「この幸せを映画にしよう、友人としていまできることは映像に撮り残すことだ」と強く感じたそうです。
画面越しにも感じられる生命の力強さ
作中では、珀久が誕生しメンケス病であることが判明し、夫婦が受け入れていく過程を回想するシーンや、少しでも元気で長生きすることを目的とした手術を受けるシーンなど、難病の辛く痛々しい現実を捉えた側面も多く登場。

(C)『ライフテープ』製作委員会
しかし、珀久はそれ以上に食べる、触れ合う、散歩に出かけるなど何気ない日常の中でとてもよく笑い、病気を抱えていることを忘れさせてしまうほどの力強さを感じさせます。その姿は隆一と朱香にも笑顔をもたらし、また珀久へとエネルギーが循環していくーーその様は、画面越しにもありありと伝わってくるのです。
幸せとは自分軸で決めるもの
隆一と朱香は、「珀久は普通の子どもと比べたら短命となる可能性が高い。でも本当に大事なことは、生きた年数ではなくて幸せだったと思えるかどうかだから、濃い人生となるよう一緒に前を向いていく」と語ります。
世間からは、難病の子とその家族、という一面だけを切り取って、かわいそう、辛そうだと受け取られがちかもしれません。しかし、幸せか不幸か決めるのは他人ではなく、自身の心のあり方次第なのです。

(C)『ライフテープ』製作委員会
難病や家族の絆、生きることの意味など多くのテーマが含まれる本作ですが、過度に感動を誘うような演出はなく、ただあるがままの家族の生き様を静かに映し出しています。どのようなメッセージを感じ取るのか、その解釈はあくまで観客のわたしたちに委ねられていると感じました。

(C)『ライフテープ』製作委員会
「子どもは親を選んで生まれてくる」と言われることもありますが、珀久も、きっと隆一と朱香とこの世界を目いっぱい楽しむために生を受けたのでしょう。一瞬一瞬を抱きしめて、いまここに生きる3人の愛に満ちた記憶がそこにはありました。
映画『ライフテープ』概要
2026年3月28日(土)[東京]ユーロスペース ほか全国順次公開
*各地の映画館で舞台挨拶予定
出演:隆一 朱香 珀久 フィガロ
監督・撮影・編集:安楽涼 プロデューサー:大島新 前田亜紀
音楽:RYUICHI(EP「LIFE TAPE」より)
製作:すねかじりSTUDIO 制作協力:ネツゲン 配給:東風 2025年|101分|日本|DCP|ドキュメンタリー
HP:https://lifetapefilm.jp/
Text:kagari






