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食べられない悔しさから、「誰もが食べられる未来」へ挑戦中。 アレルギー経験をきっかけにマラウイの食問題に取り組む高校生【坂井仁美・17歳】

食べられない悔しさから、「誰もが食べられる未来」へ挑戦中。 アレルギー経験をきっかけにマラウイの食問題に取り組む高校生【坂井仁美・17歳】

「気になる10代名鑑」の1247人目は、坂井仁美さん(17)。食物アレルギーの経験から、マラウイの給食支援や現地の食材を使ったお菓子作りに挑戦しています。留学で訪れたカナダのスーパーが大きなきっかけとなったと話す坂井さんに、その出来事や実現したいヴィジョンについてお話を聞きました。

坂井仁美を知る5つの質問

Q1. いま、力を入れていることは?

「Instagramを中心に、その時々で自分が強く関心を持ったテーマについて深く探究し、発信する活動をしていて。特に、NPO法人せいぼじゃぱんの協力のもと、アフリカ南東部のマラウイで学校に通えない子どもたちへの給食支援に取り組んでいます。

2025年夏には東京・渋谷区で、学生主体のプロジェクトとしてマラウイの特産品であるコーヒーや紅茶を販売し、売上をすべて給食費として寄付しました。

さらに現在は、運営の代表者とタッグを組み、マラウイにとどまらず、世界につながる『食物アレルギー対応の給食』をつくることを目標に、日々活動を続けています」

Q2. 活動を始めたきっかけは?

わたしは生まれつき卵や牛乳などの食物アレルギーがあり、特に小学生のころ、友だちのお菓子パーティーに参加できなかった経験があって。当時はそれがコンプレックスで、『どうして自分だけ』と思うこともありました。

転機になったのは、16歳でのカナダ留学です。現地のスーパーには、卵や牛乳を使っていないケーキやお菓子が当たり前のように並んでいて、その普及率の高さに本当に感動しました。食べることが大好きな私にとって、『選べる』という環境はとても嬉しいものだったんです。

だからこそ、小学生のわたしのような思いを誰にもしてほしくないと思うようになりました。日本だけでなく、世界には同じように悩んでいる子どもがいるのではないか。では、マラウイのような国ではどうなのだろう……と考えるようになりました。

調べてみると、現地では医療費の問題から病院に行けず、診断を受けられなかったり、自分がアレルギーだと気づいていなかったりするケースもあると知って。

アレルギーの有無に関わらず、世界中の人が『食べること』を単なる行動ではなく、『祝福の時間』として感じられる社会にしたい。その想いが、わたしが活動を始めた原点です

Q3.活動にあたってのファーストアクションは?

「Instagramで活動アカウントをつくったことです。

16歳の誕生日を迎える前日に『何か新しいことを始めたい』とふと思い立ち、勢いでアカウントを開設しました。それが、自分の中で活動のエンジンがかかった瞬間でした。

もともとInstagramは、何をしてもいいし、自分を自由に表現できる場所だと感じていて、それがとても楽しかったんです。『自分を表す手段』として、すごく自分に合っていると思いました。

その後、学校の制度を利用して春休みに1か月間カナダへ留学しました。語学学校にはさまざまな国の人がいて、遠慮ばかりではなく自由な学生の姿にもとても惹かれて。縛られずに冒険すること、人との距離を自分から縮めていくことがとても楽しくて、この経験がいまの活動の大きな土台になっています。

リスクを考えて動かないよりも、『おもしろそう』『やってみたい』と思ったことをまず行動に移す。足りないものを完璧にしてから始めるよりも、思い切って一歩踏み出す姿勢を大切にしています」

Q4. 活動を通して、実現したいビジョンは?

『世界中の人がいっしょに食べられるお菓子をつくること』です。

現在は、アフリカのマラウイで生産され、現地でも親しまれているリクニパーラーという食材を使い、卵や牛乳にアレルギーがある人でも安心して食べられるお菓子の開発に挑戦しています。そして、その販売利益をマラウイの子どもたちの給食支援金に充てる仕組みをつくることを目標に、1から事業化を目指して日々取り組んでいます。

まだマーケティングの経験はありませんが、勉強しながら実践を重ねているところです。多くの人にイメージだけでなく、共感してもらえるようなコンテンツを作成したいです」

Q5. 将来の展望は?

将来的には起業して、食物アレルギー対応食品の開発・販売を通して、アレルギーを負担やコンプレックスとして感じなくていい社会を実現したいと考えています。

もともとは自分のアレルギーに悩むこともありましたが、いまはこうして活動できていること自体が大きな意味を持っています。どんなマイナスに思えることも、プラスに変えていけることが自分の強みです。嫌なことがあっても切り替えて前を向く。その積み重ねの中で、『この経験があったからこそ、いまの自分がいる』と思えるようになりました。

ひとつの出会い、ひとつの挑戦が、自分のコンプレックスを『あってよかったもの』に変えてくれた。そのことに誇りを持ちながら、これからも前に進んでいきたいです」


坂井仁美のプロフィール

年齢:17歳
出身地:岐阜県
所属:聖マリア女学院高等学校、せいぼじゃぱん
趣味:コラージュ、かえるを触ること、音楽、動物
特技:どんな人とも仲良くなれる自身があります!!
大切にしている言葉:後悔は過去を変えたがる気持ち。 反省は未来を変えたがる気持ち。

坂井仁美のSNS
                           ★Instagram

 

 

 


Photo:Nanako Araie
Text:Honori Kukimoto

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Honori Kukimoto

ライター

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