Steenz Breaking News

「ゴミが集まる島」を脱却。プラごみ問題に取り組みながら女性のエンパワーメントも実現するマラウイの島【Steenz Breaking News】

「ゴミが集まる島」を脱却。プラごみ問題に取り組みながら女性のエンパワーメントも実現するマラウイの島【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、アフリカ南東部に位置するマラウイ共和国の島で、廃棄物を工芸品に変え、雇用も生み出している工房について紹介します。

止まらないプラスチック汚染をどうする?

世界的な課題である、ゴミ問題。アフリカでは、廃棄物の発生量は先進国より少ないものの、今後25年間でおよそ3倍に増えると予想されています。急速な都市化や経済成長による人口増加、消費生活の変化、そして先進国からのゴミの流入、処理インフラの不足などが主な原因です。

廃棄物問題の中でも、特に深刻な課題のひとつだと言われているのが海洋のプラスチック汚染です。使い捨てにされたプラスチックは、ほとんどが海に流出。自然には分解されず、マイクロプラスチックとして海に残り続け、海の生物の生態系にも影響を及ぼします。国連開発計画(UNDP)などは、薄型プラスチックの使用を制限しないままでは、2050年までに魚類資源が枯渇する可能性があると警告。アフリカでは、現時点で54カ国中40カ国以上で脱プラスチックに向けた法律が施行されています。

リロングウェ野生動物保護団体によると、マラウイでは毎年75,000トンのプラスチックが生産されていますが、そのうち80%はリサイクルできない使い捨てプラスチックです。この状況を受け、マラウイでは2015年に、湖や水路に流れ込むプラスチックごみを減らすため、薄型プラスチック製の袋などの生産の禁止措置を施行。反発もありましたが、2019年には最高裁判所が禁止措置を認める判決を下し、違反して生産を続けていた企業は閉鎖を命じられています。

マラウイ湖の東部に位置する人口約16000人のリコマ島でも、廃棄物汚染による湖の生態系に影響する廃棄物が深刻な問題となっています。リコマ島のコミュニティは湖を飲料水や生活用水、釣りなどの目的で利用し依存しているのにも関わらず、いままで廃棄物は湖に廃棄され、環境は汚染され続けてきました。

廃棄物は島の女性の手で高級インテリア商品に

そんな中、島の廃棄物を「島の名物品」に変える工房があります。

 

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2006年に設立されたKatunduは、廃棄物のリサイクルと、活動を通した女性のエンパワーメントを目的としています。創設者のスージー・ライトフットはリコマ島のリゾート施設で長年働く中で、観光業が生み出す膨大な廃棄物と女性の就労機会が少ないことを問題視していました。

そこで、Katunduでは島の廃棄物をもとに、インテリアを主とした商品を制作。古くなった漁船を元にした家具や、バオバブやとうもろこしの繊維から作られたラグやバスケット、酒瓶を粉砕・研磨したガラス製のシャンデリアなど、多岐にわたります。商品を製造するための機械も、下水管や自動車部品から作られているそうです。

 

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Katunduには、周辺のバーなどからいらなくなったビール瓶やワイン瓶が集まります。Katunduではこれらの廃棄物で作った作品をまた、周辺のホテルやロッジのインテリアとして利用してもらい、地域に還元するのです。他にも、商品はヨーロッパや周辺のアフリカの国々、住宅用不動産、島を訪れる観光客、オンライン上でも購入されています。

 

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現在、Katunduには32名の常駐するスタッフがおり、そのうち約75%は女性です。他にも、周辺地域の75人以上の労働者に仕事を提供しています。とくにシングルマザーの女性を雇用することに焦点を置いているのだそう。スタッフの子どもたちに対しても、学費を負担するなどの支援をおこなっています。

この活動により、廃棄物は「使い捨て」ではなく、価値ある資源として生まれ変わるようになりました。また、リコマ島は廃棄物であふれる島ではなく、本土からシングルマザーの女性たちが移住して、そこで生計を立てられる場所になりました。

 

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今後の活動の広がりに期待

アフリカでは環境問題が深刻化し、その影響を直接受ける人も多くいます。そうした中で、リコマ島のKatunduの取り組みは、地域経済や観光にも良い影響を与える、持続可能なコミュニティづくりの一例となっています。今後、このような活動がさらに広がっていくことが期待されます。

References:
Lilongwe Wildlife Trust「BREAKING: SUPREME COURT RULES IN FAVOUR OF THIN PLASTICS BAN」
The Guardian「Malawi factories ordered to close after ignoring plastics ban」
City Population「LIKOMA」
KATUNDU「Our Story」
KATUNDU「Home」

Text:Hao Kanayama

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Hao Kanayama

ライター

16歳、初アフリカ大陸上陸。19歳、アフリカ10か国放浪。20歳、ウガンダ移住。ウガンダの現地の会社とNGOの職員として、ストリートチルドレン、シングルマザー、薬物中毒者、孤児の支援を行う。不条理で不都合な世界だけど、その先にある希望を求めて歩き続ける、アフリカの人々の暮らしをわたしの目線から伝え続けたい。少数民族と木登りとテクノがスキ。

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