
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、生物のDNAコードからサステナブルな染料を開発する英国企業についてご紹介します。
衣料の染色に必要な水の量は?
以前から、環境負荷が大きい産業のひとつに挙げられるファッション業界。なかでも、水は製造工程で使用する機会が多く、産業用水質汚染の約20%が衣料品の製造によるものだともいわれています。
例えば、服に色をつける「染色」の工程では、5兆リットルもの水が消費されているとのこと。この数字は、オリンピックサイズのプール200万個分に相当するそうです。また、そのほかにも南アジアなどにある染色工場では、汚染された水を河川や水路に直接流すこともあり、問題視されています。カラフルで美しい衣服が販売されている裏では、このような問題も起きているのです。
「Colorifix」社が生み出したサステナブルな染料

染色による環境負荷を軽減するために、英国を拠点とする「Colorifix社」では画期的な染料の開発を行っています。同社が染料を作るうえで注目したのは、生き物たちの「DNAコード」です。DNAコードとは、簡単に説明すると生物の形や種類などの遺伝情報が書き込まれているものです。
このDNAコードの中から、それぞれの生き物がもつ「色を作るための情報」を見つけだし、同社の実験室で培養させた微生物に組み込み複製。その後、微生物は染色工場に送られ専用スペースで醗酵された後、染色に使用されます。この方法でこれまでに数百色を開発、そのうち14色は顧客により実際に使用されているとのこと。
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ちなみに、この方法で染色すると、従来の工程と比較して全体で77%の水使用量削減になるそうです。さらに同社の方法は、これまで問題となっていた染色後の廃水を水域に流し込むことでおきる環境汚染を改善できる可能性もあります。
2023年度のアースショット賞ファイナリストにも選出
Colorifix社の技術は、2023年度のアースショット賞のファイナリストにも選出されました。アースショット賞とは、2020年にウィリアム王子と王立財団によって創設された「環境賞」のことです。今後10年間で地球を修復するための最良のソリューションを見つけ出し、世界規模での環境問題の解決に繋げていくことを目的にしています。
ファイナリストに選出されると支援を受けられたり、12か月間の短期事業成長支援プログラム「アクセラレータープログラム」に参加できたりするそうです。同社は開発を進めるうえで、運用と規模拡大などに伴う費用面に問題を感じていたそう。今回の選出はそれを軽減し、活動を後押ししてくれるでしょう。
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今後はどんな色が生まれる?
生き物のDNAコードを活用した、画期的なアイディアで染色時の環境負荷軽減を目指すColorifix社。2025年は、同社の技術を使い緑とオレンジの染色に成功しています。今後も、どのような色が登場するのか楽しみですね。
Reference:
The Apparel Industry’s Environmental Impact in 6 Graphics|World Resources Institute
Sequences of colour|BBC
This Earthshot Prize finalist is using DNA sequencing to create sustainable clothing dyes|euronews
Text:Yuki Tsuruda






