Steenz Breaking News

誰もが身近な人と安心してでかけられる社会を目指して。トイレ問題の解決に挑むZ世代発スタートアップ企業【Steenz Breaking News】

誰もが身近な人と安心してでかけられる社会を目指して。トイレ問題の解決に挑むZ世代発スタートアップ企業【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、トイレにまつわる課題解決を通じて「誰もが身近な人と安心してでかけられる社会」の実現に挑む、Z世代発のスタートアップ企業についてご紹介します。

「外出先のトイレ」にひそむさまざまな課題

わたしたちが生きていく上で欠かせないトイレ。日本ではたいていの場合、公共施設や商業施設のトイレは誰でも無料で、気軽に使うことができます。ただその一方で、外出先のトイレに常に「利用しづらさ」を感じる人もいることをご存知でしょうか。

例えば、車いすの利用者など障害のある人々は、トイレを済ませたり、自身の身体のケアをするために多目的トイレを使うことが多いといいます。しかし、多目的トイレは多くの施設で設置数が限られているもの。その上、近年はおむつ替えスペースや着替え台などのさまざまな機能が追加されていることから、利用者が殺到し、「使いたいときに使えない」という事態が起こりやすくなっているそうです。

また、LGBTQ+当事者も、外出先のトイレで困りごとを感じるケースが多いようです。TOTO株式会社が発表した『2024年 性的マイノリティのトイレ利用に関するアンケート調査』の結果によれば、特にトランスジェンダーの当事者は、外出先で性別を問わず利用できるトイレが限られることにストレスを感じている人が多いそう。多目的トイレやジェンダーレストイレなどがなく、男女別トイレを利用するしかない場合、ほかの利用者と鉢合わせて「自身の性のあり方が知られてしまうのではないか」と気まずい思いをしてしまったり、周囲の視線が気になったりするため、トイレが安心して利用できる場所にならないといいます。

トイレ問題に挑むスタートアップ企業

そうしたトイレにまつわる問題の解決に取り組んでいるのが、株式会社UN&Co.です。

同社は、トイレ空間の多様なデータを集計。それを『トイレ白書』としてまとめ、政府や企業向けに発表しています。また、商業施設などのトイレ設置に関して監修や提言もおこなっているほか、現在は国内10万件を超えるデータソースをもとに公共トイレの情報をマッピングしたアプリサービス「Ezloo(イズルー)」も開発中。トイレの所在地や車いす対応の有無、バリアフリー設備の状況、口コミなどの情報をひと目で確認でき、さまざまなニーズを持つ利用者とそれを満たすことが可能なトイレのマッチングを実現可能にするといいます。現在はまだ複数の都市で実証実験をおこなっている段階ですが、2026年末には正式にリリースされる見込みです。

創業者はZ世代。自身の経験をきっかけにトイレ研究をスタート

そんな国内でも珍しい、独自の事業を展開するUN&CO.を創業したのは、2003年生まれのZ世代・原田怜歩さんです。原田さんは中学生のころから独力でトイレ研究を開始。日本やアメリカのトイレを調査しながら、トイレ問題の解決と誰もが生きやすい社会の実現を目指して活動を続け、大学でもトイレと経済性を軸に研究や学びを深めてきました。

トイレに関連した社会問題に、誰よりも高い熱量で挑む原田さん。彼女を突き動かす原動力は、小中学生のころの経験にあるのだそうです。原田さんには、小学生のころに性的マイノリティの友人が、中学生のころには車いすユーザーの友人がいました。友人たちと遊ぶ中で気づいたのは、いわゆるマイノリティの人たちの外出先でのトレイの探しにくさと利用しづらさでした。

その後、中学3年次にアメリカ・フロリダ州で語学留学を経験。現地で日本のトイレの機能性と安心感を実感したこと、そしてオールジェンダートイレの存在を知ったことで、「友人の悩みを少しは解消できるのではないか」「友人と一緒に楽しめる場所を増やしたい」と一念発起してトイレ研究に踏み出したのです。

 

身近な人の困りごとを解決したい——その想いが活動への熱量を生み出し、社会課題の解決を一歩前に進めるきっかけとなる。原田さんの今日までの軌跡からは、ソーシャルイシューへのひとつの取り組み方を学ぶことができます。

References:
TOTO株式会社「性的マイノリティのトイレ利用に関するアンケート調査」

Text:Teruko Ichioka

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Teruko Ichioka

ライター・編集

フリーライター。好奇心の強さは誰にも負けない平成生まれ。得意領域もスタートアップ、ビジネス、アイドルと振れ幅が広い。

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