
「気になる10代名鑑」1226人目は、大浪おしおさん(18)。高校の団体やイベントに関わる広報物のデザインに力を入れ、高校2年生の1年間で50作品以上のポスター制作に携わってきました。見る人に的確に意図が伝わるような、ロジカルなデザインを意識しているという大浪さんに、活動をはじめたきっかけや、影響を受けた人物について詳しく伺いました。
大浪おしおを知る5つの質問

Q1.プロフィールを教えてください。
「おもに、学校の広報物をデザインしています。これまで演劇の公演ポスターや、文化祭の企画の参加者を募る広告をつくってきて。高校2年生の1年間で、50作品以上制作してきました。
スタイルとしては、素材を組み合わせて、レイアウトや文字のフォントを工夫して配置することに重きを置いています。
活動をはじめて半年くらいは、素材背景に同じ色の文字をただ載せたような感じで、客観的に見て読む気が起きないものが多くて。なかなか上手くいかなかったのですが、デザインが上手な先輩やいろんな団体のポスターを見て、文字の配置の重要性であったり、綺麗な色を使えばいいってもんじゃないんだなということに気づきました。昨年の秋ごろから、自分の思い描くものを作れるようになってきたように感じています」
Q2.活動をはじめたきっかけは?
「美術に対する興味は、小学生のときからうっすらと持っていました。母が美大生だったこともあって美術を身近に感じていたし、そのころからイラストを描いていましたね。美術らしいことをしてみようと思ったのは中学3年生のころで、小さなコンクールに出してみたのが最初でした。本当に母からの影響が強かったので、自分も母のように油絵をやるのかな、と漠然と考えていました。
ポスターデザインの魅力に気付いたのは、高校1年生の終わりごろに取り組んだ、新入生募集のポスター制作でした。
わたしの学校は兼部が可能なので、どの部活も一人でも多く部員を獲得しようとするんです。所属する競技かるた部や新聞部にもより多くの新入生が入ってもらえるように、みんなで協力して制作しました。
特に新聞部は発信を目的とする部活なので、デザインとかイラストに強い人がいっぱいいて。みんなで華やかにしていくぞという感じでどんどん力を入れていった結果、デザインって面白い!と思うようになりました」

Q3.自身のクリエイティブに影響をあたえたものは?
「昨年訪れた『デザインあ展』や、ピタゴラスイッチの制作者でもある佐藤雅彦さんの展覧会が、考え方や進路決定に影響しています。どちらも物事を分解して考えるような、ロジカルなデザインを前面に押し出したものでした。
『デザインあ展』は、あるデザインをなぜそれにしたのか、どうしてそれがそれたらしめられているのかみたいなところを細かく分解して展示していて。デザインする側の人間の視点を感じることができて、勉強になりましたね。
佐藤雅彦さんは、もともと数学に関する教育を志した人なのですが、作品に対する全ての段取りがロジカルですごいんです。映像表現だったり、物体や、文字など、色んな表現方法を持っている点を尊敬していますし、わたしも、1つのことを伝えるために、いろんなアプローチができる人間になりたいと思います」

Q4.活動するうえで大切にしていることは?
「同じ創作表現でも、イラストとポスターデザインでは大切にしている部分が違うと感じています。趣味でイラストを書くときは、キャラクターをかっこよく見せることを最優先にしていて。体の動きや躍動感を意識して、生き生きした感じを出そうとしています。なので、意識的に自分の持つ信念や作品の意味を省いているところがありますね。
一方で広報物をデザインをするときは、意図や目的をすごく考えながら制作しています。人はZ型に文字を読む傾向にあるので、視線誘導を意識したり、団体やイベントのイメージに合わせて色を使い分けたりしていますね。ポスターと実際のイベントのイメージが乖離しないように、落ち着いた雰囲気の演劇ならポスターにはシックな色を使ったり、文化祭の企画だったら明るい色を使ったりもします。
情報を的確に伝えるために最低限の要素で興味を引いて、あとはQRコードに誘導するといったように、その場に応じて一番効果的なレイアウトは何かということを常に考えています」

Q5.将来の展望は?
「美術大学で、情報デザインについて学びたいと考えています。その大学では、デジタルだけでなく、具体的なものだったり、平面的なものだったり、幅広く自分の好みで学びたい分野を選ぶことができるんです。その中でも特に、デジタル的な表現を学んで、それを取り入れた新しい発信方法や広報の仕方を、自分のものにしていきたいです。
そして将来は、どんな年代の人でも使いやすいデジタルツールの制作をしたいと考えています。両親は、スマホなどの電子器類に慣れていない人たちで。それを見ていて、わたしたちのような若者だったら歯車のアイコンが設定のものだとか、スピーカーのアイコンが音量調節だとかがすぐにわかるけれど、世の中にはその前提では困る人がまだまだいると思ったんです。
いまはまだ具体的なものが思いつかないのですが、使いやすいツールを作れたらいいなと思ってます。広告にももちろん興味はありますが、誰もが使いやすいユーザーインターフェースを実現することが、現時点での目標です」
大浪おしおのプロフィール
年齢:18歳
出身地:神奈川県
所属:美術部、新聞部、デジタルイラスト部、競技かるた部
趣味:スマホゲーム、ピアノ、イラスト
特技:元気に話すこと
大切にしている言葉:為せば成る為さねばならぬ何事も
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Photo:Nanako Araie
Text:Yuzuki Nishikawa






