
「気になる10代名鑑」1213人目は、kaiさん(19)。表現方法としての写真制作に取り組むかたわら、ZINE制作や大学での美的感動の研究に取り組む大学生です。カメラマンの道への意志を固くしたのは、俳優・菅田将暉の舞台挨拶での質問がきっかけだったと語るkaiさんに、カメラを始めたきっかけや将来の展望を聞きました。
kaiを知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「『記録以上に』をテーマにした写真制作です。写真制作と言っても、カメラに光を取り込みシャッターを切る作業に留まらず、写真に反映される撮り手の感性や被写体との関係性、被写体の捉え方などをひっくるめて、こう呼んでいます。
19歳になってからは、友人と立ち上げた『YON』という団体でZINE作成に取り組んでいます。とにかく表現がしたい大学生が集まって、それぞれ異なる表現方法を駆使していて、わたしは写真・映像制作を担当しています。
大学では写真好きがさらに転じて、脳科学や写真の良し悪しを数値化する印象評価法を使って、写真を見たときに美的感動を引き起こす要素の研究をしています」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「小学1年生のとき、周囲の誰よりも早くスマホを持ち始めたので、友だちのカメラマン役になることが多かったんです。『いまこの瞬間を忘れたくない』という気持ちから、ひたすらに写真を撮っていました。本格的なカメラは、中学3年生で父のカメラを借りたのが最初の出会いで。だから、ずっと写真やカメラは身近な存在でもありました。
高校2年生のときに、友だちがわたしが撮影した写真をアイコンに使っているのを見て、『写真が上達した』という感覚が芽生えました。そのときに、写真が単なる記録媒体ではなく、“撮り手の表現の手段”であることに気づいたんですね。同じものを撮影した写真でも、画角や光の当たり具合によって人を魅了する場合とそうでない場合があります。そこから、美的感動を引き起こす写真の要素分析を研究し始めました。
同じ被写体や機材でも写真は変わるので、光や構図の要素に分けて何が美的感動に影響しているのかを、高校では研究しました。『芸術の評価=美しい』という固定観念を持って研究をしていたのですが、大学生になっていろいろな評価の方法があると授業で習い、いまは新しい研究の方向性を模索しています」
Q3. 活動をしている中で、印象的だった出来事は?
「尊敬している菅田将暉さんとお話したことです。菅田将暉さんは、作り出す世界観や自然な演技に憧れていて。まさに、自由に生きている感じがして本当に尊敬しているんです。
そんな彼に、舞台挨拶に行ったとき観客として質問をする機会がありました。カメラマンという夢を話すと、『向いてると思う』『どこでもやっていけそうですね』と肯定してくれて。
いままで褒められても、自分にそのベクトルを向けないようにする癖があったんです。でも、世界でいちばん尊敬している人からの肯定が本当に嬉しくて、それまでカメラマンを目指す決心がついていなかったのですが、この瞬間に趣味の域を超えて取り組む覚悟をしたことを覚えています」

Q4. 活動するうえで、大切にしていることは?
「自分の写真に題名をつけるようにしました。メモみたいな感覚で、『どんな現場だったか』などを文字で表現するくらいなのですが。
『feel first then think』という言葉が好きで、まずはその場で感じることを大事にして、それをベースにのちのち考えるんです。コンテストに出品する作品やお気に入りの写真を撮ったときは、しばらく時間をとって題名を考えるようにしています。
もちろん『無題』とつけることがアートだなとも感じていて。いつか、見た人によって解釈の分かれる写真を撮りたいので、そういうときは表現の方法として『無題』とつけてみてもいいのかなと思います。ただその反面、まだまだ伸びしろのあるわたしがそれに逃げちゃいけないような気がしています」
Q5. 将来の展望は?
「菅田将暉さんを撮影することです。質問したときに、明確にこれがわたしの目標になりましたね。舞台挨拶の場で記念に菅田将暉を撮影したときにでさえ、手が震えてしまって。それくらいわたしにとっては大きなことなのかもしれません。
撮影する側には、『カメラマン』『フォトグラファー』『写真家』という3つのカテゴリーが存在していると思っています。撮影技術に富んだカメラマンや、記録を重視しつつ人となりを映し出すフォトグラファーに比べて、写真家というのは自分の表現を追求する、記録の域を超えた存在です。
いま、わたしは『カメラマン』と『フォトグラファー』の間にいると思っていて。いまは、自分の表現を求められる写真家を目指しています。写真家になるには、上手いだけでなく自分の表現や売り込みの仕方も理解する必要があります。一瞬でも自分を写真家だと思えるように、たくさん経験を積んで、視野を広げていきたいですね。自分の写真を胸をはって紹介できるように頑張ります」

kaiのプロフィール
年齢:19歳
出身地:神奈川
所属:慶應義塾大学 環境情報学部、YON
趣味:写真制作、一人旅
特技:人の笑顔を見逃さない
大切にしている言葉:Yes
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Photo:Nanako Araie
Text:Haru Ninagawa






