「書評アイドル」として執筆活動しながら、モデルなど幅広く活動している20歳のわたし、小春による書評フォトエッセイ連載企画 “Steenzブックレビュー”。
今回は、「明日を少しでもいい日にしたい人」におすすめの1冊『西の魔女が死んだ』です。今回も、わたしと同じく以前10代名鑑に出演されていた写真家の村山莉里子さんに撮影をいただいて、「感情と風景が交差するところ」をコンセプトに、新しい本との出会いをみなさんに届けられたらと思います。

どうにか、明日を少しでもいい日にできないだろうか?
寝るときはいつだって明日が嫌いだ。やってない課題の締め切りはあるし、友達と喧嘩したままだし、根本的には嫌な自分を変えなくちゃいけないし、死ぬのも老いるのも怖いし、どうしようもないことがたくさんある。でも、いくら考えても解決することは出来なくて、そうやっていつもぐるぐる考えながら逃げるように寝てしまう。そして次の日、また同じような夜を過ごす。だから明日は嫌いだ。どうにか、明日を少しでもいい日にできないだろうか?
魔女になるために必要な力

主人公のまいは、学校に行こうとすると、身体が拒むようになる。女子のグループに群れて楽になるか、一匹狼になるか、そういう女子の関係のめんどくささが苦痛でしかなかったからだ。そこで、母に勧められたこともあって、学校を休んでおばあちゃんの家で一緒に暮らすことになる。そこでまいは、魔女だと言う大好きなおばあちゃんから魔女の修行を受けることになる。早寝早起き、しっかりとした食事、運動、規則正しい生活を送って力をつけると魔女になるためにいちばん大切な意志の力が身につくという。

わたしも明日を好きになるために、まいのおばあちゃんのような魔女のようになりたい。でも、そのためには意志の力が必要らしい。今のわたしにとっては難しい。断ることが苦手な私は、周りに流されてしまいがちだから。意志を取り戻すには修行が足りないのかもしれない。思い返せば、睡眠時間がバラバラだったり、食事をおろそかにしてしまったり、外に出るのをめんどくさがっちゃったりしたかも…。解決しなきゃと思っていたけれど、まずは生活からだ。
明日をいい日にするために

外国人のおばあちゃんは、まいから大好きと言われるといつも「アイ・ノウ」と言う。安眠のためのおまじないは「ナイ、ナイ、スウィーティ」。

いくら考えても解決しないと思っていたことも、この本を読んで、まずは規則正しい生活から始めればいいんだと前を向くことができた。魔法を使えるようになるかは分からないけれど、わたしが欲しかった答えは心身の健康と共にあるんだと思う。おばあちゃんのおまじないのような言葉を胸に、ちゃんと寝て、食事をとって、生活をきちんと整えて、ぐるぐる考えていたものを自分で考えて自分で決めて前を向く。焦らなくてもいい。そうやってコツコツ修行をしていれば明日が今日よりいい日になる気がして、ゆっくり眠りにつくことができた。

今回紹介した本
梨木香歩 『西の魔女が死んだ』(新潮社刊)







