
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、Z世代の起業家が作った翻訳アプリ「CoeFont通訳」についてご紹介します。
高まるグローバル・コミュニケーションの必要性
国境を越え、異なる文化や価値観を持つ人々との円滑なコミュニケーションが求められるようになって久しい現代。
特にこれからの日本は、少子高齢化で国内市場の縮小が見込まれています。企業は経営規模の大小にかかわらず、ビジネスの機会を求めて海外へ出ていくことが増えるでしょう。
国内で暮らしていても、海外の人たちと会話をする場面は多くなる可能性があります。現に日本政府観光局が発表した2025年12月時点での訪日外客数は、12月の1カ月間で361万7700人となり、12月の記録としては過去最高を叩き出したそう。2025年の年間訪日外客数も4368万3600人と、一昨年の人数を580万人以上上回り、過去最高となりました。
英語などの外国語を使って意思疎通をするスキルの重要性は、ますます高まっていると言えます。
海外でも高評価。日本発の翻訳アプリ「CoeFont通訳」
そうしたなかでいま、日本のスタートアップ企業・株式会社CoeFontが開発した翻訳アプリ「CoeFont通訳」が大きな注目を集めています。
「CoeFont通訳」は、自分が話した言葉を、自分の声で、英語や中国語などの他言語にリアルタイム翻訳してくれるアプリ。迅速かつ高精度に会話を翻訳できるのが特徴で、会話がスタートしてから最短1秒で通訳を開始します。
話し方や周囲の環境にあまり左右されず、2人の話者の声を高精度に拾えるのも強み。会話の文脈を記憶し、「あれ」などの指示語も適宜補いながら、自然な翻訳が実現可能です。さらに、日本語や英語だけでなく、中国語、スペイン語、フランス語、韓国語など10カ国語で翻訳機能を使うことができ、対応言語は今後さらに増えていくといいます。
こうした特徴と利便性の高さから、日本はもちろん、フランスやスイス、カナダ、ベルギーなどのフランス語圏でも利用者が増えており、世界各国のApp Storeでランキング上位に入っています。
🌏日本発のAIライブ翻訳サービス 「CoeFont通訳」 が世界で快進撃!
🇫🇷フランスで2位(Google翻訳に次ぐ)
🇱🇺ルクセンブルク・🇲🇱マリで1位
🇧🇪ベルギー3位、🇨🇭スイス7位など
世界各国のApp Storeランキング上位にランクイン!
世界中で利用される日本発サービスを目指してまいります!
詳細⬇️ pic.twitter.com/uUrGljSEU7— CoeFont (コエフォント) (@coefont) October 24, 2025
同時通訳を支えるのはAIと声のデータ
同時通訳を支えているのは、最新のAI技術と、CoeFont社に蓄積された「声のデータ」です。
CoeFont通訳では、誰でも自由に利用、改良、再配布できるよう無償で公開されている大規模言語モデル(※1)のソースコード(※2)を活用。通訳スピードを重視したチューニングをおこなうことで、現実の会話からタイムラグがほぼ生じることのない通訳を実現しています。

また、CoeFont社はCoeFont通訳をリリースする前に、1万種類以上のAI音声でテキストを音声に変換するAI音声プラットフォームを手がけていました。同プラットフォームの機能から多様な話し方のデータを分析し、CoeFont通訳に活用。そうしたノウハウの蓄積から「どのような環境であっても音声を高精度に拾う」という強みが形成されたのだそうです。
※1 大規模言語モデル:AI(人工知能)の一種。膨大なテキストデータを学習したAIモデルで、人間がおこなうような文章の理解と作成に特化している。
※2 ソースコード:プログラミング言語で記述した、ソフトウェアやアプリケーションの動作を定義するテキストデータのこと。コンピューターへの指示書や設計図の役割を果たす。
立ち上げたのはZ世代の起業家
世界で利用が広がるアプリを生み出したCoeFont社。同社を立ち上げたのは、東京科学大学 情報理工学院 情報工学系に在学中の早川尚吾さんです。早川さんは2001年生まれのZ世代。大学入学後に携わったイベントでAI音声の開発に興味が湧いたことから、AIの研究を始めたといいます。その後、孫正義育英財団などの力も借りながら、先述のAI音声プラットフォームをリリース。2020年に大学認定ベンチャーとして会社を設立しました。

CoeFont通訳が誕生したのは、社内に多様な背景のエンジニアが所属していたことがきっかけだそう。AI音声プラットフォームの海外展開を目指し、中国などさまざまな国籍の人材を採用したところ、日本出身のメンバーとスムーズなコミュニケーションがとれないことが問題になったといいます。そこで、早川さんは、社内の課題を解決できるようなソフトウェアの開発を決定。エンジニアチームと共に開発を進め、仕事が効率的に進むようなツールが開発できたことで、サービスを日本だけでなく世界に向けて販売していくこととなりました。
身近な課題が新サービスの開発に繋がるかも?
世界のユーザーから求められる翻訳アプリを開発した早川さん。その創業・事業開発のストーリーを見ていくと、自身の関心や身近なところにある切実な課題からアイデアが生まれていることが分かります。
昨今、AI技術の発展で、アプリやWebサービスの開発は比較的容易なものになりました。アイデアさえあれば、誰でも独自のサービスを開発できる環境になりつつあります。もしかすると、日々の暮らしの中で感じる小さな困りごとが、世界的なサービスを生み出すアイデアの種になるかもしれません。
Reference:日本政府観光局「2025年 訪日外客数・出国日本人数」
Text:Teruko Ichioka






