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2つの全く異なる世界を並行して楽しんでいたBlack Country, New RoadのGeorgia Elleryが語る10代の日々。Interview for Georgia Ellery (Black Country, New Road) 【21歳の音楽コラム 渡辺青のこれ聴いて! 特別編】

2つの全く異なる世界を並行して楽しんでいたBlack Country, New RoadのGeorgia Elleryが語る10代の日々。Interview for Georgia Ellery (Black Country, New Road) 【21歳の音楽コラム 渡辺青のこれ聴いて! 特別編】

音楽ナードの渡辺青が日々のDIGりの中で出会ったさまざまな「これ聴いて!」な音楽たちを、新旧問わずに紹介していく企画「渡辺青のこれ聴いて!」今回は特別編! すごいことが起こっている……。

去る2025年12月に行われた2年ぶりの来日ツアーが東京公演ではチケット完売となるなど、大成功を収めたUKのロックバンド、Black Country, New Road(ブラックカントリー・ニューロード、以下BC, NR)6人のメンバーのうち、Georgia Ellery(ジョージア・エラリー。ボーカル、バイオリン、マンドリンを担当)に高校生の頃からのBC, NRファンである渡辺青がインタビューを実施。影響を受けた沢山の音楽、2010年代後半のポストパンクシーンの中で伝説的に語られているBC, NRの故郷のようなベニュー、Windmillでの日々まで! UKロックシーンを代表するバンドのメンバーの10代のころを聞かせて頂いた。

のどかな地方都市で育った少女が、ロンドンに飛び出して出会ったもの

―2022年以来、3年ぶりのBC, NRのライブを観させていただきました。私はスタンドで見ていたのですが、周りのお客さんがみんな純粋に音楽に聴き入っていて、スマホ(で撮影している時に光る)のライトがついていないのがとても印象的でした。

そして冬の来日は初めてですよね。冬の日本はいかがですか?

Georgia Ellery(ジョージア・エラリー 以下G):素晴らしいライブでした。観客の皆さんが本当に聴いてくださっているなと。

こんなに遠いイギリスから来て、暖かく受け入れられているのも素晴らしいですし、日本自体とても美しい国で、新幹線にも乗ったし、美味しい食べ物も沢山食べました。まだショッピングができていないので、今日これから行こうと思っています。ファンの方々も、仕事関係の方々も出会った方々みんな素敵で素晴らしい経験になっています。

―Steenzはティーンに向けて様々な発信をしていくメディアです! そこで、ジョージアさんがどのようなティーンエイジャーの頃を過ごしたかをお聞きできればと思っています。

どのようなティーンエイジャー時代を過ごしていましたか?

G:わたしはイングランドのコーンウォール出身です。海辺の地方都市で、そばに大都会とかは一切ないのどかな田舎で育ちました。そんな場所だったので、ポップアーティストを聴く機会はほとんどなくて。

小さい頃からBeyoncéが大好きなんですけど、彼女のライブを見れたのもほんの最近のことで、それまで見たことなかったんです。母の勧めでクラシックのヴァイオリンから音楽を始めて、オーケストラや室内楽のグループで演奏していたのですが。同時に大学の入学資格の勉強もしなきゃと思っていて。

でも周りからそんなに一生懸命勉強しなくても大丈夫だよ〜みたいな話を聞いたので、割と楽しく10代を過ごしていました。

夏になるとフェスティバルにいったり、よく踊りに出かけたりしていました。14歳くらいから、地元のレイブにも行っていたのですが、相変わらずヴァイオリンをするのも好きで、二つの全く異なる世界(Two Different Worlds)を並行して楽しんでいたという感じ。

結局、大学には行くということで、割と一生懸命勉強して進学しました。

―大学はロンドンの名門ギルドホール音楽演劇学校に入学されています。時系列で考えると、地元コーンウォールから飛び出て割と早い段階で今に繋がる活動をスタートされたと思うのですが……。

G:18歳でロンドンに出てきて、大学ではジャズを専攻しました。なぜジャズを選んだのかというと、オーケストラに入りたくなかったので(笑)。もともと、曲を自作するバンドへの入り口を求めていたんだけど、当時はそれを知らなかったから、とりあえず大学に行こうという感じだったんです。そこで本当に素晴らしい人達にいっぱい出会いました。

エレクトロニックミュージックも専攻していて、そこでJockStrap(BC, NRとは別にジョージアが活動中のエレクトロ・ポップデュオ)を組むことになるTaylorと出会って、プロデューサーという仕事に感動したり、ベッドルーム・ポップを制作していたEthan P. Flynn(イーサン・P・フリン)からはJockStrapを始める刺激を得たり……。

Lewis(BC, NRのメンバー、sax)とは実は同じ寮にいて、そこで出会いました。Lewisがポストパンクバンド(=Nervous Conditions、BC, NRの前身となるバンド)をやっていて。それまで私はポストパンクを聴いたことがなかったので、とりあえずバンドにくっついて仲間内に入り込んで行きました。そのタイミングでラウド系の音楽をたくさん弾きはじめて、すごく形成的な時期でした。ギグもたくさん見に行って……最高でした。あのバンドに参加できてラッキーだったし、その選択をして本当によかった。

―ちなみに、ジョージアさんが初めて作った曲は何でしたか?

G:JockStrapの『I Want Another Affair』かな。

―クラシックの素養があって、レイブにも遊びに行っていて、BC, NRで作られている室内楽的な音楽性と、JockStrapで作られているハードでエレクトロな音楽性は、実はずっと一貫していることなのかなと思いました。Two Different Worldsと仰っていましたが、その言葉通りに。

G:そうね。特にJockStrapはこの 2つの世界を融合できる場所だったと思います。

―では、そんなティーンの頃、特に影響を受けた音楽はなんですか?

G:いまだに10代の頃Spotifyで作っていたプレイリストを見れるんだよね(笑)。さっきもいったようにBeyoncé。そしてDestiny’s Child。『Bills, Bills, Bills』をよく聴いていました。Beyoncé の『4』というアルバムも大好き。

それに、Mount Kimbie、James Blakeのファーストアルバム。Annie MacというUKのラジオDJのコンピレーションアルバムのなかの一枚も! どれかは思い出せないんだけどとてもお気に入りでした。ジャズもオーディションの準備のために沢山聴いていて、Aretha Franklinが大好き。本当に王道のMiles Davis、Billie Holiday、Nina Simoneなども聴いていました。

父がオルタナティブ・ロックが好きで、Roxy Musicや、Underworld、Leftfieldなどを車で聴いていたことを覚えています。母はフォーク・ミュージックが好きだったので、アイルランドのフォーク・ミュージックを聴いたりもしていました。なので結構折衷的かも。

あとLady Gagaも!

―ありがとうございます。ではその中で、今のBC, NRのジョージアを作った音楽はなんだと言えるでしょうか?

G:グッドクエスチョン(笑)。The Beatlesも聴いて育ってる。BC, NRのメンバーも全員The Beatlesが好きで。人数が多いものだから、なかなか全員が好きなバンドってないんだけど、The Beatlesは英国のどの家庭でも深く根付いている音楽だと言えるし、もちろん素晴らしいソングライター達で、このバンドを、ということをあげるとThe Beatlesです。

―The Beatlesだったらメンバー間で好きなアルバムがわかれたりしそうですが……。

G:私は『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』です。他のメンバーが何かはわからないけど、多分『Abbey Road』かな……(笑)。かなりオールドスクールで、あんまり10代って感じはしないかもしれないけど……。

―確かにオールドスクールですね。でも、The Beatlesが出てきたのはいい話が聞けたなと思います。

G:BC, NRのメンバーも今の音楽を聴くし、逆にそこは被らないんですよね。みんな違う。例えばCharlie(ds)はModest Mouseが好きだし、Lewisはいろんなものが好きで、これって思い浮かばないな……。私はエレクトロミュージックが好きだけど、逆にLuke(g)は嫌い(笑)。多分私がこういうこと言っても彼は気にしないと思うけど(笑)。

10代ラストを過ごした伝説的ベニュー

―今このメディアを読んでいる読者は10代後半が多いのですが、
BC, NRのメンバー、そしてジョージアさんが10代後半を過ごしたのってWindmill(サウスロンドン、ブリクストンにあるパブ兼ミュージックベニュー。BC, NRやblack midi、Shameなど10年代後半のポストパンクシーンを牽引するバンドを多く輩出した)だったんじゃないかなと思っていますが、どんな日々でしたか?

G:ロンドンに引っ越した時なので、18歳の頃ですね。素晴らしい雰囲気だった。BC, NRの前身バンドがやってた頃で、なんというか、Windmillは小さなパブのようで、ビールの匂いがして、かなりボロボロな感じで(笑)。

でもみんな私たちのような新しいバンドや、いろんな新しいバンドを聴くのを本当に楽しみにしていていて、大体1晩に4バンドが出演してました。出る時はサウンドチェックをして、外に喫煙所があって、出演者はビールがタダで。ギャラは折半だったので、ロンドンの他のヴェニューよりも少しずつ稼げるようになってくるんですよね。

本当に楽しくて、素晴らしい出会いもたくさんありました。ブッキングマネージャーのTim Perryはレジェンド。彼は録音したものを持っているかとかは関係なく、いつも新しいバンドを取り上げようとしていて。

あそこのよかったところは、ブッキングエージェントとプロモーターが同じというところ。普通は別じゃないですか。それが凄くよかった。とってもパーソナルで、暖かい場所でした。あと(Windmillの)屋根に犬がいたね!

―ありがとうございます。わたしにとっても凄く憧れがある、ずっと行ってみたい場所です。

G:まだいってなかったの!? ビールの匂いがするよ。

―絶対に行きます!! 次で最後の質問です。 私は音楽のコラムを書いているのですが、サブスクのアルゴリズムからだけでない聴き方を広めたいという思いがあったりして、そんな時ヒントになるのはこういったインタビューからだったりするんです。なので、この記事を読んでいる読者に向かって、ティーンの時にこれは聴いとけ!みたいな音楽があったらお聞きしたいのですが……。

G:なるほど、私のお気に入りを話すね。ティーンの時に聴くべきか……。
(かなり熟考して)Cocteau Twinsの『Heaven to Las Vegas』。ティーンの時に知りたかったな、20代に入るまで聴かなかったことが信じられない! 間違いなく20代の時に聴いた一番いい音楽です。なので是非聴いてみて! 悲しい時や、ロマンティックな時に。

あともう一つ。Talk Talkの……え〜っと、真ん中に木のあるジャケットの……ちょっと待ってね。(スマホで調べてくれている)『Laughing Stock』。

それからみんな聴いたことあると思うけど Frank Oceanの『Blonde』もすごく好き。最近の好きなアーティストはSaya Grey、知ってるかな……?カナダと日本のミックスだったと思う。彼女の『19 MASTERS』は芸術的だし、あとはLana Del Rey の『Norman Fucking Rockwell!』かな。

―ありがとうございます!

G:(日本語で)ありがとうございます!

―このメディアでは、生き生きと好きなことを一生懸命していることはかっこいいよね、という意識があって、ジョージアさんはそれを体現している方だと思うのですが、そういう風に生きていくためにはどんなマインドで、どんなことをしていけばいいのかということを、10代に向けたメッセージをお願いします。

G:とにかく、自分の心の中にある情熱のままに生きてください。

あとひとつ、音楽学校に行きたい方には具体的なアドバイスがあります。どれだけ断られても、毎週メールをしてください。自分はこんなに入りたいんだ!という熱意を表せば、入れてもらえるから!

私がそうしたみたいにね!

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WATANABE AO

ライター

渡辺青(わたなべ あお) 2003年生まれ。家業の大家を継ぎつつシェアスペース「空き地さんかく」の主宰&レコード屋と古本屋で働くなど、一体何屋なんだか不明な生活を送る。2025年の目標は、DJをできるようになる事。

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