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アフリカでは10代の3分の1近くが妊娠している?「妊娠=教育の終わり」にしないための取り組みとは【Steenz Breaking News】

アフリカでは10代の3分の1近くが妊娠している?「妊娠=教育の終わり」にしないための取り組みとは【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、アフリカが抱える問題のひとつ、若者の妊娠率の高さと、その問題に取り組む学校について紹介します。

10代の若者の3分の1近くが妊娠

アフリカにおいて、若者の妊娠が大きな問題となっています。2022年に発表された研究の分析結果によると、アフリカでは、過去10年間では減少傾向にあるものの、依然として10代の若者の3分の1近くが妊娠しているそうです。

その理由は主に、ふたつ挙げられます。

ひとつめは、児童婚の多さです。UNICEFによると、東部および南部アフリカにおいて、15歳までに児童婚を経験した女性は8%、18歳までに児童婚を経験した女性は30%となっています。筆者の住むウガンダは、東部および南部アフリカで18歳までに児童婚を経験した女性の数が3番目に多く、550万人です。

アフリカの一部の地域では、結婚の対価として現金や牛といった資産が贈られることも。貧しい家庭に育った女性とその家族にとっては、児童婚が収入源になっている場合もあるのです。

ふたつめは、性教育が十分に普及していないことです。

アフリカの学校で性教育って普及しているの? 実態を調査してみた」でも取り上げたように、そもそもアフリカではいまも、学校でじゅうぶんな性教育がおこなわれていない地域があるのが現状です。

一部には性教育の重要性が認識され、NGOが学校を訪問して性教育をおこなう地域もあります。また、避妊へのアクセスを向上させるため、例えばルワンダでは、若者が多く集まるクラブ街で、無償で避妊具を配布するなどの活動がおこなわれています。一方で、ムスリム地域では「性にまつわる話」自体がタブーとされているところもあるなど、地域や学校によって状況が大きく異なるのです。

アフリカで「学生妊娠」が意味すること

では、アフリカで、学生のうちに妊娠してしまうとどうなるのでしょうか。

ウガンダ人に取材したところ、「ほとんどの女性は学校を退学し、パートナーの男性の家に住み始める」と答えました。「パートナーの男性も、学生の場合は女性のみが退学し、男性は学校に通い続ける」のが当たり前だそう。

「男性が逃げた場合は、女性の家族が面倒を見てくれる場合もあるが、文化や家庭によっては、パートナーがいなかったり結婚せずに子どもを生んだりすることを恥ずかしいことだとして、家族に追い出されるケースもある」と言います。

つまり、アフリカにおいてほとんどの場合、学生の妊娠は、そこで教育の道が閉ざされることを意味しているのです。

妊娠しても教育を諦めないために

そんな中、ケニアでは妊娠した10代の若者が子育てをしながら通える女子校があります。

ケニアのグリーンランド女子学校は、ケニア全土にある47の専門学校で、子どもがいる学生を支援しています。教室の隣には保育園のような施設があり、授乳など、必要なときに子どもの面倒を見に行くことができるのです。

 

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そのほかにも、母子が虐待や搾取から逃れるために滞在できる宿泊施設や、金融について学べる職業訓練、法的援助やトラウマカウンセリングといった心理社会的支援などもおこなわれています。

寄付によって500人以上の奨学金も用意されており、多くの女子学生が安心して学業を続けられる環境を作り出しています。現地の報道では、同学校の待機リストにはすでに700人以上の女性がいるといいます。

アフリカで問題となっている、10代の妊娠。現時点では妊娠した女子学生の多くが、教育を諦めざるを得ない現実や、差別に直面しています。性教育をはじめとする教育の格差や、医療、避妊へのアクセス不足の解消といった、構造的な要因の解消は急務です。そして、今回紹介したような、妊娠した若者への支援の拡大も求められています。

References:
National library of Medicine「Teenage pregnancy and its predictors in Africa: A systematic review and meta-analysis」
GIRLS NOT BRIDES「Eastern and Southern Africa」
PLAN INTERNATIONAL「10代の妊娠」
GREENLAND EMPOWERMENT HUB「Our Work」
DAILY NATION「How ‘Nation’ story spotlighted a teen mothers’ school」

Text:Hao Kanayama

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Hao Kanayama

ライター

16歳、初アフリカ大陸上陸。19歳、アフリカ10か国放浪。20歳、ウガンダ移住。ウガンダの現地の会社とNGOの職員として、ストリートチルドレン、シングルマザー、薬物中毒者、孤児の支援を行う。不条理で不都合な世界だけど、その先にある希望を求めて歩き続ける、アフリカの人々の暮らしをわたしの目線から伝え続けたい。少数民族と木登りとテクノがスキ。

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