Teen's Snapshots

舞台と地域が交わる場所で、見つけた自分の可能性。 広がり続ける興味が、次の道を照らしていく大学生【サワ・19歳】

舞台と地域が交わる場所で、見つけた自分の可能性。 広がり続ける興味が、次の道を照らしていく大学生【サワ・19歳】

「気になる10代名鑑」の1160人目は、サワさん(19)。市民ミュージカルをきっかけに舞台芸術に魅せられ、高校・大学と専門的な舞台芸術を学び続けています。現在は演劇だけにとどまらず、地域活性化や子どもとの関わりなど、表現の外側にも視野を広げているサワさんに根掘り葉掘り聞いてみました。

サワを知る5つの質問

Q1. いま、力を入れていることは?

舞台の世界に関わり続けています。

市民劇に出演しながら、高校時代から舞台芸術を専門的に学び、演劇部での創作や上演にも力を注いできました。大学では演劇や映像をより深く学べるコースへの進級を目指しつつ、演劇サークルに所属して実践を積んでいます

Q2. 活動を始めたきっかけは?

舞台に関わり始めたのは小学5年生のとき、地元の市民ミュージカルに参加したことがきっかけです。

もともと人前に立つことや歌うことが好きで、募集ポスターに同級生を見つけたことで、思い切って応募しました。地域の歴史を題材にした創作ミュージカルは毎回新鮮で、とても楽しい体験でした。

中学3年生になると、市民ミュージカルでできたつながりから市民劇に誘われ、芝居だけに向き合う環境に初めて触れて。年齢層の幅広い仲間と半年間稽古するなかで、演劇のおもしろさを強く感じるようになりました。

一方で、ミュージカルでは音域の悩みもあり、高校では舞台芸術を専門的に学べる道を選びました。でも、周囲のレベルの高さに刺激を受けて……。公演のたびに悔しさが残る一方で、まだ自分の限界を決めたくないという気持ちは強くなっていきましたね。

いまは演劇を中心に学びながら、もし途中で進路が変わっても他分野にも挑戦できる環境を選び、視野を広げ続けています」

Q3.活動する中で、印象的だった出来事は?

高校2年生のときに出演予定だった市民劇を、本番の1ヶ月前に辞退したことです。

学業との大切な時期と稽古のスケジュールが重なり、『やるべきこと』と『やりたいこと』の間で長く葛藤しました。出番の多い役をいただいていたこともあり、多方面に迷惑をかけてしまうことは承知の上での、苦しい決断でした。

この出来事を美談にするつもりはありませんが、あのとき一度演劇から離れたことは、結果として現在の自分を形づくる大きな分岐点になったと感じています。辞退後も演出家さんとのご縁は続き、むしろいまの活動にもつながっているほどです。あの選択は間違いではなかった、と前向きに捉えられるようになりました」

Q4. 活動するうえで、大切にしていることは?

「大学に入ってから、周囲のレベルの高さや、これまで積み重ねてきた学びがそのまま『求められる力』になる場面が増えました。その中で強く感じるようになったのは、『やりたいこと』を続けるためには、『やるべきこと』である日々の生活や学業を安定させることが欠かせないということです。

当たり前の生活が整ってこそ、演劇に向き合う時間や心の余白が生まれ、より深く追求できるのだと思っています。

また、心に引っかかった言葉や印象に残ったフレーズをメモしておくことも大切にしています。見返すたびに、過去の自分・いまの自分・これからの自分をつなぐ道しるべのような存在になり、自分の軸を確かめる手がかりにもなっています」

Q5. 将来の展望は?

具体的な進路は決まっていませんが、これまで『楽しい』『好き』という気持ちから続けてきた、いわば“自分のため”だった活動を、今度は“誰かのため”へ広げていきたいと考えています。

演劇を通して幅広い年齢の人と関わる中で、特に子どもたちと関わる時間が好きだと気づいて。また、市民ミュージカルが地域活性化を目的としていることもあり、地元の魅力を伝える取り組みや、地域のブランディングにも興味が湧いています。

最近ではキッズキャンプのボランティアなどにも参加し、劇場の内外で人と地域に関わる活動に惹かれる自分がいます。演劇に限らず、人や地域にポジティブな影響を返せる場所を見つけていけたらと思っています

サワのプロフィール

年齢:19歳
出身地:神奈川県川崎市
趣味:お芝居に触れること、自然を楽しむこと、空手
大切にしている言葉:練る

Photo:Nanako Araie
Text:Honori Kukimoto

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Honori Kukimoto

ライター

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