
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、食品の鮮度を色で教えてくれるスマートラベルについてご紹介します。
EUでも問題視されている食品廃棄
世界的に問題となっている食品廃棄量。EUでは毎年5,900万トン以上の食品廃棄が出ており、ひとりあたり132㎏を捨てていることになります。そしてこの問題では、「鮮度に関する不確実性」が大きな原因として挙げられているのだそう。

多くの消費者は、食品の鮮度を確かめるときに外見や賞味期限で判断します。それが、本当はまだ食べられる食品の廃棄につながることもあるようです。またヨーロッパでは、安全ではない状態の食品を口にして病気になっている人が、毎年2,300万人いることもわかっています。
色で鮮度がわかるスマートラベルの仕組みは?
この鮮度に関する不確実性による問題を解決するために、画期的なアイテムが誕生しました。それが、スペインの3人の起業家が開発した「食品の鮮度を色で判断できるスマートラベル」です。
ラベルは生分解性ポリマーでできており、インテリジェントバイオセンサー(※)が埋め込まれています。どのような仕組みかというと、食品内で細菌が増殖するとそれに反応して化合物が生成され、少しずつ色が変化。その色の変化はラベルに反映され、開封後の食品の鮮度を教えてくれるのです。肉や魚だけでなく、野菜や果物の熟度もが視覚的にわかるようになり、生鮮食品の誤った廃棄や食中毒防止に役立ちます。

ちなみに、ラベル開発にいたった理由は学生時代の出来事がきっかけとのこと。当時、見た目や匂いの違和感から誰も手をつけなかった肉を、開発者のひとりが調理して食べたが病気にならなかったそうです。このことから、「どれだけの人が食べ物を見た目で判断し、無駄にしているのだろう」と考えた、と話しています。
(※)インテリジェントバイオセンサー:従来のバイオセンサーにAIなどを組み合わせて、物質の検出以外に自律的な判断や複雑な分析、状況に応じた情報提供などをおこなえるようにしたもの
2025年の「Young Inventors Prize」にも選出
スマートラベルを開発したピラール・グラナド氏やパブロ・ソサ・ドミンゲス氏、ルイス・チメノ氏ら3人は、「Young Inventors Prize 2025」にも選出されました。「Young Inventors Prize 2025」とは、テクノロジーを用いて国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献する、30歳以下のイノベーターを表彰するコンテストです。

多様な部門があるなか、3人は一般投票から選出される「ピープルズ・チョイス賞」を受賞。食品廃棄物の削減と食品の安全性向上、そしてサプライチェーン全体の持続可能性促進への可能性が評価されました。発明の素晴らしさはもちろん、一般票から選ばれた点に、市民の食品廃棄や食の安全性への関心の高さが伺えます。
スマートラベルの広がりに期待
食品の鮮度が視覚的に確認できるスマートラベル。開封後数日たつと食べられるのか判断が難しくなるため、画期的なアイテムだと言えるのではないでしょうか。今後導入が進み、どれだけ廃棄量削減に貢献できるのか注目したいですね。
Reference:
Smart labels to reduce food waste and food poisoning: Spanish inventors Granado, Sosa and Chimeno in top 10 innovators of the Young Inventors Prize 2025|European Patent Office
Pilar Granado, Pablo Sosa Domínguez and Luis Chimeno|European Patent Office
Sustainable technology awarded at 2025 Young Inventors Prize ceremony|European Patent Office
The Spanish innovators fighting food waste – and food-poisoning – with smart labels|euronews
Intelligent Biosensors Promise Smarter Solutions in Food Safety 4.0|PubMedCentral
Text:Yuki Tsuruda






