
「気になる10代名鑑」の1157人目は、山口晶さん(18)。社会問題を世の中の人に広く知らせるために、報道写真家を目指す高校生です。相棒のカメラを抱えて、写真への想いを熱く語ってくれた山口さんに、印象に残った出会いや将来の展望を聞いてみました。
山口晶を知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「写真です。高校では、文化祭で写真展を開催したり、小規模ながらSNSのアカウントを作成したりと、自分の写真を他の人に見てもらう場をつくるようにしています。
将来は写真に関わる職業に就きたいため、大学でも写真を専攻して学ぶ予定です」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「高校に入ってから、絵を描く人や楽器をやっている人などいろんな人と出会いました。中学までと違う環境で学生生活を送る中で、その日常を記録に残したいという気持ちになったんです。
カメラのいいところは、一瞬一瞬を将来に持ちこせたり、見返すことで日常のささいなことも思い出せたりするところだと思っていて。見ているものに対していろんなアプローチの仕方があって、自由度が高いのが魅力ですね」

Q3. 自身のクリエイティブに影響を与えたものは?
「高校の国語の先生の『頭の中だけで思考することを考えているとは言わない』という言葉が印象に残っています。
寝転がっているときも何かしら頭では考えているけど、それは考えているうちには入らなず、言語化を通して自分のぼやけた思考の種に輪郭を持たせることで、初めて考えていると言えると教えてくれて。
この言葉を聞いて、すぐには納得できませんでした。そもそも自分の思考を言語化しようと思っても、語彙が少なくてなかなかできなかったんです。でもそこから、口に出したり紙に書き出したりと、この言葉を意識することで言語化に精を出すようになりました」
Q4. 活動するうえで、大切にしていることは?
「写真を撮るときに“
理由”を考えることです。
なぜその構図にしたのか。なぜそのタイミングで撮ったのか。なぜ他ではないその被写体を選択したのか。こういった問いの答えをひとつひとつ見つけていくことで、写真により説得力が持たせられると思っていて。写真を見せるときに『なんかいいから撮りました』では伝わらないんです。
もちろん『なんかいいから』という感覚で撮り始めてもいいけれど、あとからでいいから他の人に見せられるように理由を探します。写真を撮って確認してあとから理由をつけるのは、写真と向き合うことそのものです。理由を探す過程も、楽しいですね」

Q5. 将来の展望は?
「社会問題に興味があるので、それに関われる報道写真家になりたいんです。大学は芸術学部写真学科に進学予定なので、教養や人間への理解も深めたりしたいですね。
世の中には経済レベルも家庭環境も幅広い人がいますが、成長していくと自分と似通った人と過ごすようになり、それ以外の人が見えなくなってしまうと感じています。だから、なかなか他者理解が進まない現状があるのかなと思っていて。
SNSで情報が得やすい社会になっているはずなのに、知らぬが仏でいま起きている大事なニュースを逃すのは、もったいないし、いずれ困ることだってあると思うんです。なので、ぼくは写真を通じて、社会にはいろんな人がいるということを知らせたいです。
そもそも自分が興味があるものだから、報道の現場に行くことで社会問題の現状を知ること自体が楽しいだろうと思います。でも、自分の撮った写真で世間の人たちが社会問題に興味を持ってくれたら、なおのこと嬉しいですね」

山口晶のプロフィール
年齢:18歳
出身地:神奈川県横浜市南区
所属:神奈川県立神奈川総合高等学校
趣味:読書
特技:髪を切ったことに気がつくこと
大切にしている言葉:事実
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Photo:Nanako Araie
Text:Haru Ninagawa






