
「気になる10代名鑑」の1149人目は、鈴木拓哉さん(19)。4ピースバンド「APOLLON」に所属し、SNSでも個人の活動について発信しています。ラジオ番組『SCHOOL OF LOCK!』を原点にバンド活動にのめり込んでいった鈴木さんに、表現のこだわりや今後のヴィジョンについて聞いてみました。
鈴木拓哉を知る5つの質問

Q1.いま、力を入れていることは?
「高校時代から活動している、4ピースロックバンド『APOLLON(アポロン)』で、ボーカルを担当しています。
楽器を使っても作曲をするのですが、お風呂に入っているときに突然メロディを思いついて、慌ててスマホのボイスメモに録音することもよくあって(笑)。メロディにコードをつけてみて、最後まで編曲できるフレーズにたどり着けたときはとても嬉しいんです。
最近はSNSにも力を入れていて。APOLLONのライブ映像、自作曲やカバーをTikTokやInstagramで発信することで、ファン獲得につなげようと頑張っています。おかげで、少しずつ音楽ライブなどに誘ってもらえることが増えてきて。積極的にイベントに参加しています。
いまはとにかく創作したものを外に出すことで、自分のスタイルを磨いているんです」
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Q2.活動を始めたきっかけは?
「中学受験の頃に毎日聞いていたラジオ番組『SCHOOL OF LOCK!』がきっかけです。
当時、小学6年生だったぼくはスマホもまだ持っていなくて、ラジオが唯一、世界とつながれる窓みたいな存在だったんです。この番組はアーティストが『先生』として10代の悩みに直接電話で寄り添う内容なのですが、曲や言葉が誰かの人生を本当に前向きに変えていくんです。それを聴きながら、『自分もこんなふうに、誰かに寄り添いたい』と自然とアーティストに憧れを持ちました。
高校のときには、バンド活動を志す高校生にライブの機会を提供する団体『関東軽音部』に出会って、ライブに少しずつ出ることができるようになって。経験を積みながら、同世代のミュージシャンたちとの横のつながりも一気に広がっていきました。
あのラジオと、それからの出会いが重なって、いまの創作活動があります」

Q3.活動で大切にしていることは?
「音楽で人の心のグラデーションを表現することを大切にしています。
感情はプラスマイナス以外にも、いろんな色がにじんで混ざり合っていると思っていて。だから曲作りでも、前半と後半でコードの明暗を変化させていったり、歌詞に色の表現を必ず入れたりするなどして、心のグラデーションを表現するようにしています。
また、ぼく自身の悩みや不安の感情を創作に使うことも。たとえば、才能あるアーティストをSNSで見かけるとどこか羨ましいと思って、そのたびに胸がだんだんと締め付けられるような感覚を歌にすることもあります。その正直な弱さが曲として誰かに届いたときに、『あ、その感じ方は自分と同じだ』と思ってくれたらなって。
プラスもマイナスもそのまま抱えて生きていい。そんな空気を音楽でリスナーとぼく自身に示すことが、ぼくらしい寄り添い方なんだと思うんです」
Q4.活動を通して、実現したいビジョンは?
「少しでも多くの人が生きることを捨てたもんじゃないと思えるような社会にしていきたいです。
音って、雑音や環境音もふくめて、日常で一番触れているものだと思うんです。音楽は、そうした音を重ねて複雑にしたものだからこそ、出会う音がほんの少し違うだけで、その人の一日や気持ちが大きく変わる可能性がある。ぼくはそこにすごく希望を感じていて。
ぼくは、これからも誇れる作品を丁寧に積み重ねていきたいと思っています。一つひとつの音や歌詞を丁寧に届けていく。その音楽が、社会のどこかで誰かをほんの少しでも支えられたら、社会に十分貢献できていると思えるんです」
Q5.将来の展望は?
「全てのひとの生活に寄り添えるような音楽を生み出して、もっとたくさんのひとに聴いてもらいたいです。
大学では、次世代の音楽コンテンツについての研究を始めようとしています。まだ構想段階ではありますが、ひとの心に一番染み込むエンターテインメントの形を模索していく中で、アートプロジェクトのような形に発展させられたら最高だなと思っています。
じつはぼくは幼少期に上海のインターナショナルスクールに通っていたこともあって、文化に触れることが昔から大好きで。こうした経験を音楽にも昇華させながら、ジャンルにとらわれずにいろいろな表現に挑戦していきます」

鈴木拓哉のプロフィール
年齢:19歳
出身地:東京都板橋区
趣味:歌うこと、音楽を聴くこと、旅行
特技:歌
大切にしている言葉:日々是精進
鈴木拓哉のSNS
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Photo:Nanako Araie
Text:Taishi Murakami






