「気になる10代名鑑」の1137人目は、 佐伯亮治さん（16）。同じ学校の4人で活動する高校生模擬企業「しぶず」のメンバーとして、渋谷をテーマにしたてぬぐいを企画・販売しています。高校生ならではの視点で、渋谷の魅力を多くの人に届ける佐伯さんに、将来の展望などあれこれ聞いてみました。
佐伯亮治を知る5つの質問
Q1. いま、力を入れていることは？
「高校生模擬企業『しぶず』での活動に力を入れています。ここでは、同じ学校の4人で、渋谷をテーマにした手ぬぐいを渋谷に訪れる方をターゲットに企画・販売していて。
ぼくは、手ぬぐいの仕入れやオンラインショップ『BASE』での売上管理、SNS動画の制作などを担当しています。実際の企業のようにチームで試行錯誤しながら進める中で、マーケティングやコミュニケーションの面白さを実感する毎日です。
今後は、渋谷のロフトなどで商品を販売したり、通学を通して知った『渋谷の高校生だからこそ分かるマップ』をつくってフリーで配布したりする構想もあります。自分たちの目線だからこそ伝えられる渋谷の魅力を、より多くの人に届けたいと考えています！」
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Q2. 活動を始めたきっかけは？
「昨年度出場した『キャリア甲子園』での経験が大きいです。もともと経理やマーケティングに興味があり、友人に誘ってもらって参加しました。
このときは、企業から与えられたお題に沿ってビジネスプランを企画・立案するものでしたが、しぶずの活動は『自分たちのアイデアが商品としてかたちになる』という点で、もっと面白いもので。
活動を始めたきっかけは、友人からの誘いでした。自分が普段通っている渋谷という街の魅力を発信できることに魅力を感じて、自分の発想や行動が誰かに届く経験をしてみたいと思ったんです」
Q3.活動にあたってのファーストアクションは？
「活動を始めるときに、まず考えたのは『物を売るとはどういうことか』ということでした。 単に商品を作って売るのではなく、『誰に』『どんな価値を届けたいのか』を明確にすることが大切だと思いました。
そこで、渋谷を訪れる観光客に喜んでもらえる商品とは何かを話し合い、日常でも使いやすく、デザインを通して街の魅力を伝えられる『手ぬぐい』にたどり着きました。
デザインは美術部の友人を中心に考え、明治神宮やスクランブル交差点、ハチ公といった渋谷を象徴する観光地をモチーフにしました。パッと見て分かりやすく、派手すぎず、日本らしさを感じられるデザインを意識しています。
渋谷は、観光客や留学生など、さまざまな人が集まる場所です。通学する中で感じた『多様な人が共存する街』という渋谷の魅力を、手ぬぐいという日本の伝統的なアイテムを通して発信したいと思いました。観光の思い出をかたちとして持ち帰れるようにしたい、という思いも込めています」
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Q4.活動の中で、悩みがあれば教えてください
「チーム内のコミュニケーションです。 4人とも、それぞれ部活動や学外の活動にも力を入れているため、全員が集まって話し合う時間をつくるのが難しいこともあります。
なので、学校の休み時間やすき間の時間を使って話し合ったり、夜にオンラインで打ち合わせをしたりと、限られた時間の中で工夫しながら進めています。ときに、意見がぶつかることもありますが、それも良い経験だと思っていますね。
『売る側』の立場になるのははじめてなので、価格設定では、海外からの観光客を意識しながらも、日本の人にも手に取ってもらえるようにするなど、バランスをとるのが大変でした。でも、消費者の視点とはちがう難しさや楽しさを感じています。
それぞれが得意なことを生かして役割を分担し、自分にできることを精いっぱいやるようにしています」
Q5. 将来の展望は？
「自分たちの活動が『社会に価値を生み出せる』ということをかたちにしたいです。
今後は、自分たちの商品をコンテストのために販売するだけでなく、企業や地域と協働しながら、継続的に展開していけるようにしたいと考えていて。
個人的には、自分のアイデアや行動で、人や街に少しでも影響を与えられる存在になりたいと思っています。でも、まだ将来の進路をあえて決めすぎず、これからもいろいろな経験をしながら可能性を広げていきたいです！さまざまな挑戦を通して、自分の関心や強みを見つけていけたらと思っています」
佐伯亮治のプロフィール
年齢：16歳
出身地：東京都
所属：渋谷教育学園渋谷高等学校
趣味：ドラム
特技：ルービックキューブ、けん玉
大切にしている言葉：案ずるより産むが易し
佐伯亮治のSNS
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Photo：Nanako Araie
Text：Honori Kukimoto
