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子どもの“やりたい”に保護者の同意は必要?演劇の世界に全力を注ぐ高校生脚本家【安達愛恵・16歳】

子どもの“やりたい”に保護者の同意は必要?演劇の世界に全力を注ぐ高校生脚本家【安達愛恵・16歳】

気になる10代名鑑」の1138人目は、安達愛恵まなえさん(16)。高校生のためのミュージカル団体で高校生演劇を支える傍ら、脚本執筆にも取り組む、無類の演劇好きな高校生です。中学生のときになんとなくで入った演劇部から、こんなに演劇にのめり込むほどになったという安達さんに、大切にしている思いや将来の展望を聞いてみました。

安達愛恵を知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?

高校で演劇部に所属しながら、高校生のためのミュージカル団体『Aquarise』で活動しています。

Aquariseは、『無限のイロとカタチ』を表していて、高校生の色を伸ばしていくという意味が込められています。プロの講師を呼んで練習をしていて、駅やショッピングモールなどの地域を舞台に公演をすることもあります。

また、中学1年生のころから『百合鈴愛恵』という名前で脚本を執筆したり、中学卒業のころに『プロジェクトTHEAトロン』という演劇交流会を自主開催したりしました。演劇交流会では、中学生に募集をかけて、互いの演劇を鑑賞しあう場づくりをおこなって。演劇に浸る毎日です」

Q2. どんなことをテーマに活動をおこなっていますか?

「『大人がいないからできない』のではなくて、子どもだけでは実現できないことも、外からサポートしてあげることで実現できるような社会を実現したいですね。

たとえば、演劇交流会開催時の会場予約やオーディションの募集要項にも、『保護者の同意』が必須なんです。自分自身、正直『うっ……』って思いますね。だって、保護者として支えてくれる人に巡り合えなかったら、子どもたちは自分のやりたいことができなくなってしまうかもしれない……。

保護者以外にも周囲にいる人たちの力で、責任を持ってその代わりを果たすことで、足りない部分をその都度補完すればいいんじゃないか。そんな思いがあったので、演劇交流会では、参加してくれた団体に主催者としての立場以上のできる限りのサポートをおこないました」

Q3. 活動をしている中で、印象的だった出来事は?

「脚本は、年齢を明記せずに書いているので、依頼してくる学生団体の人と会うと、かなり驚かれるんです。

でも、『年齢が近い人が作った脚本に縁を感じました』と言ってもらえたときがすごく印象的で、活動していてよかったと心から思いましたね。

脚本提供をした団体の劇を観るるときは、毎回何かしらの刺激をもらいます。仕上がった作品にいろんな発見があるのはもちろんのこと、上演後に挨拶に行くとそこで交流も生まれるのが、脚本執筆の醍醐味だと感じていて。人との縁を感じる瞬間が楽しいんです」

Q4. 活動の中で、悩みがあれば教えてください。

「『こだわりたいところはとことんこだわりたい』性格で。演劇を作る上では、基本妥協したくないんです。『この演技だけはちゃんとやりたい!』とか『この音だけはきれいにしたい!』とか、こだわりたいところをいかに突出させるかを考えて、寝ずに作業をすることもあります……。

でも、高校で『自分のキャパシティをよく考えてね』とよく言われるようになったので、上手く力を抜けるようになったというか、取捨選択が大切だと気づけるようになって。手を抜く時は抜いていいけれど、優先順位をつけるようにしたんです。

その上で、『ここで手を抜いても、自分なら手を抜いたクオリティでも他とやりあえる!』という自己暗示をかけています(笑)」

Q5. 将来の展望は?

いまは、『Aquarise』での脚本づくりに精を出しています。いま書いているのは、魔法が使える世界のストーリーで。来年の3月に藤沢のホールで公演する予定なんです。

将来の展望は、何も決まっていないに等しいですが、何かしら『つくる』立場で演劇に関わっていけたら嬉しいなと思っていて。役者から始めてだんだん脚本を書いていけたらなと思ったり、高校演劇が好きだから高校の先生になるのもいいなと思ったり。

演劇って、正解がないからこそいろんな発見があったり、自分にとっての優れたものを追求できる世界だと思っていて。いまは、高校生の自分にしかできないことをたくさんやって、将来やりたいことの輪郭がつかめるのを待ちたいと思います」

安達愛恵のプロフィール

年齢:16歳
出身地:神奈川県藤沢市
所属:県立神奈川総合高校、高校生のためのミュージカルAquarise、プロジェクトTHEAトロン
趣味:脚本執筆、観劇、お絵かき etc…
特技:口笛、人の顔と名前を覚えること
大切にしている言葉:1頼まれたら10返す、好きこそものの上手なれ

安達愛恵のSNS

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Photo:Nanako Araie
Text:Haru Ninagawa

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