「気になる10代名鑑」の1131人目は、宮澤昂佑さん（17）。渋谷をテーマにした手ぬぐいブランド「しぶず」の代表として活動しています。きっかけは、ドイツでの生活で気づいた渋谷の魅力からだったと話す宮澤さんに、印象的な出来事や活動をする中での悩みについて聞いてみました。
宮澤昂佑を知る5つの質問
Q1.いま、いちばん力をいれている活動は？
「高校生4人で立ち上げた手ぬぐいブランド『しぶず』の代表を務めています。『渋谷を一生の思い出に』という理念のもと、海外から訪れる観光客に向けて、渋谷をテーマにした手ぬぐいを販売しています。
お土産に手ぬぐいを選んだ理由は、日常の中で使えるアイテムだから。旅行の思い出を、帰国後も日々の暮らしの中で思い出してもらえたら嬉しいなと思っています。
しぶずの強みは、この理念にどこまでも本気で向き合っているところです。高校生だけの会社だからこそ、利益よりも理念の実現を優先できる。みんな本気で理念にむきあうが故に意見がぶつかることもありますが、衝突しながらも理想に向かって進んでいくその過程が、とても好きなんです」
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Q2.活動を始めたきっかけは？
「高校1年生の冬に参加した『マイナビキャリア甲子園』で、準決勝で敗退をしたことがきっかけです。
本当に悔しくて、審査員の大人が優劣をつけることにもどかしさを感じました。誰かに評価されるのを待つより、自分たちで動いて価値を証明したい。だから、アイデアだけで終わらせるのではなく、実際に商品を販売して、社会に本当に届くものを作ってみることにしたんです。
活動の舞台に渋谷を選んだのは、ぼくにとって渋谷が世界に誇れる場所だからです。小学生時代をドイツで過ごすなかで、渋谷は海外でもすごく有名で人気があると知りました。帰国後、改めて渋谷を観察すると、さまざまな文化が集結した多様性にあふれた街で、おもしろいなと純粋な興味が湧いてきたんです。だから、そんな特別な思い入れがある渋谷を舞台に、商品企画をしてみたいと思いました」
Q3.活動する中で、印象的だった出来事は？
「商品の紹介動画を撮影するために手ぬぐいを持って渋谷を歩いていたら、外国人観光客が声をかけてくれたことです。『その手ぬぐいすごくいいね』と褒めると同時に、『いっしょに写真が撮りたい！』と言ってくれたんです。
そのとき、自分たちが作ってきたものは本当に価値があるんだと実感して、すごく嬉しかったし、自信につながりました。
また、はじめて手ぬぐいが売れたときは、自分たちの行動がダイレクトに社会とつながった感覚がありました。どんなに商品自体の価値があると思っていても、それが社会につながらないと『渋谷を一生の思い出に』は達成できないと思っていて、お客さんに届けることにこだわりをもっていたからです。購入連絡があった瞬間の喜びと感動は今でも覚えています」
Q4. 活動の中で、悩みがあれば教えてください。
「代表としてチームをまとめつつ、事業を進めていくことが難しいです。進捗状況がわからなかったり、情報共有が足りていなかったりしてチームの目線がそろわないときには不安になります。
それを乗り越えるために、メンバーとの関わり方にメリハリをつけることを意識していて。同じ高校の友達と起業をすることは心強い一方で、ときに気の緩みを生み出してしまうこともあります。
だから、メンバーを友だちとしているときと、事業仲間としているときで対応をキッパリ分けるようにしました。よくないことはしっかりと怒るし、本気で意見をぶつけています。そうすることで、メンバーの関わりも積極的になり、同じ足並みで前にすすめるようになったと実感しています」
Q5. 将来の展望は？
「しぶずとしては、まずはいま取り組んでいるビジネスコンテストの『リアビズ高校生模擬起業グランプリ』にて優勝したいです。今度こそは、自分たちの行動が社会に価値を届けたという実感を、結果として得たいと思っています。そして、最後まで企業理念にこだわり切ることを忘れないでいたいです。
ぼく自身としては、将来日本の宇宙産業を世界でいちばんにしたいと思っています。漫画『宇宙兄弟』を読んでから、ずっと宇宙に興味があって。高校生の頃には、とある講演会で『もし鉱石の惑星に日本人が辿り着いたら、それだけで国の借金が全部なくせる』という話を聞きました。自分の力で国を一気に変えることができるかもそれないと思ったら、その可能性の大きさにすごくわくわくしたんです。
まだ何者でもない僕ですが、全ての活動を糧に自分をもっと成長させて、自分の行動で価値を証明し続けたいです」
宮澤昂佑のプロフィール
年齢：17歳
出身地：東京都
所属：渋谷教育学園渋谷高等学校
趣味・特技：テニス、筋トレ、ポジティブ
大切にしている言葉：Learn to say fuck you to the world
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Photo：Nanako Araie
Text：Rinna Koike
