
「気になる10代名鑑」の1127人目は、ちひさん(16)。農業の課題解決のために、プロジェクトに参加する傍ら、独自でビジネス活動の準備をしています。若者に対する農家のハードルを下げるために模索をしているというちひさんに、活動をはじめたきっかけや、今後の目標について詳しく伺いました。
ちひを知る5つの質問

Q1.プロフィールを教えてください。
「オーガニックSHIBATAプロジェクトという活動に参加し、新潟県新発田市の農業の発展を目指しながら、新しい農業ビジネスの在り方を模索しています。
農家の人手不足は大きな社会問題ですが、その原因として、そもそもの収入が少ないという点に課題があると思っていて。NPOではなく自立したビジネスとして成り立たせていくにはどうすれば良いか、ということを常に考えながら、プランを練っています。
また、SHIBATAプロジェクトの一環として、ビル街にある学校で米を栽培する試みをしています。都心で育てる難しさはありますが、無農薬にこだわり、あと数週間で収穫ができる段階にきています」
Q2.活動をはじめたきっかけは?
「昨年の8月に、高校のプロジェクトで新発田市に研修旅行へ行ったことがきっかけです。そこで、いろんな会社のを聞いたり、大学の研究室で農業用ロボットを作るところを見学したりしました。その後に、農家さんの田んぼを見学し、年収をはじめとする多くの問題について学んだんです。
もともと農業に興味はなかったのですが、研修旅行をきっかけに、物事をゼロからはじめるのも楽しいんじゃないかなって思って。農業を盛り上げるにはどうすればいいのかと考えたときに、自分が農家になるというよりは、ビジネスに携わって農業に対するマイナスのイメージや課題を払拭していきたいと思うようになりました」

Q3.活動するうえで、大切にしていることは?
「いろんな人の話を直接聞いて、知見を広めることです。SHIBATAプロジェクトで新発田市に足を運び、農家さんや市役所の人に話を聞くという経験をしたことで、いままで全く興味のなかったことに興味を持って活動をしているので。
趣味兼勉強として、都心から外れた道の駅などに行くこともあります。地域の特産物を見たり歴史を感じたりして、知見やビジネスの一環につなげていけたらいいなと考えていますね」

Q4.活動を通じて、実現したいビジョンは?
「農家不足を解消するシステムをつくることと、農家向けのコンサルティングを実施することです。
地方から人を集めるのは難しいので、逆に都心の人たちを農業とどう関わらせていくかということを考えています。具体的には、中長期的な農業バイトをイメージしていて。サイトやアプリを作って、手軽な気持ちで農業をやってみようとする人を増やしていきたいです。
コンサルティングは、農家の収入増加を目的としたものです。いまの体制だと収入が少ないというのが現実なので、どうやって改善していくのかというのをコンサルしていきたい。そうすることによって、農家になるハードルが下がったり、農業の負のイメージが少なくなると思うんです。具体的な内容については、農家さんの実体験を踏まえながら、理想的な仕組みを構想している最中です」

Q5.将来の展望は?
「先ほど話したふたつのプランを、来年には実行に移したいと考えています。高校生のうちに活動の基盤をつくっておいて、大学生になったときに本格的に動き出せるようにしたいんです。
大学は、農業系の学部に行きたいですね。経営を学ぶだけでなく、販路を拡大していく方法や、業界での繋がりを持ちたいという気持ちもあるので。最終的には、新しいビジネスのかたちを社会に提案していきたいです。
自分ひとりで実現させたいという気持ちは特にないですね。ノウハウのある人の力も借りながら、よりよいプランをつくっていきたいです」
ちひのプロフィール
年齢:16歳
出身地:東京都品川区
所属:芝国際高校 オーガニックSHIBATAプロジェクト モルック同好会
趣味:野球観戦、一人旅、モルック
特技:モルック、料理
大切にしている言葉:課題の中から見つけ出す未来がある
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Photo:Nanako Araie
Text:Yuzuki Nishikawa






