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言葉×映像で、「本音」を追いかけたい。画家から転向して見えた映画監督への道【池田奈都季・19歳】

言葉×映像で、「本音」を追いかけたい。画家から転向して見えた映画監督への道【池田奈都季・19歳】

「気になる10代名鑑」の1066人目は、池田奈都季さん(19)。映画監督をめざして、大学で映像制作を専攻しています。もともと、高校生の頃は油絵を専攻していた池田さんに、映画に転身した理由や、これからつくりたい映画をくわしくききました。

池田奈都季を知る5つの質問

Q1. プロフィールを教えてください。

東京造形大学で、映画映像を専攻しています。授業では脚本を書いてカメラを持って撮影したり、自分が演じる側になったりすることもあります。学校がない日も、友だちの自主制作のお手伝いで撮影に入ることがあって、すっかり映画漬けです。

高校は美術科だったので、デッサンや、油絵をずっとやっていて。映像については、たまに流行っている映画を映画館で観るくらいの距離感だったので、いまの自分は想像していなかったです。

映像表現では、人の仕草、言葉遣い、笑い方とか、日常のささいな行動に現れるその人の本質に注目して表現することを、いちばん大切にしています」

 

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Q2. 活動を始めたきっかけはなんですか?

「高校2年生の冬、そろそろ進路を決めなきゃ……という時期ですかね。

このまま油絵を描き続けるのかなって思っていたんですけど、高校の卒業制作のとき、子どもの無邪気さをテーマにした作品に、とても気に入ったキャプションをつけられたことがとても印象的で。もともと、言葉にふれたり、物語を紡いだりすることは得意だし好きだなと思っていたんです。

それで、“画にこだわること”と“言葉”を組み合わせた表現ができる、映画に急に惹かれたんです。

まったくの未経験でしたけど、『映画監督ってなんかカッコいいな』っていう憧れもあって、この道を目指してみることにしました」

Q3. 活動する中で、印象的だった出会いは?

映画が大好きな、眞島淳之介くんという友だちとの出会いです。

大学に入学してから、『自画像』っていう課題が出て、自分の言葉に合わせた映像をつくりました。その作品で、教授に作品内の言葉はすごく褒められたけど、映像は全然評価されなくて。みんなの作品を見たら『かっこいい!』『どうやって考えたんだろう』っていうすごい映像ばかりで。ここで改めてめちゃくちゃ差を感じました。

そんな時、同じ授業の眞島くんが『あなたはすごく書けるのに、映画を観ないのはもったいないよ』って言ってくれました。それから、いろんな映画を教えてくれたり、課題のプロットを見てくれたり。眞島くんのおかげで、今まで知らなかった映画の世界を知ることができました。おかげで最近たくさん観るようになって、特に『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督は自分の映画制作にも大きく影響を受けましたね。

わたしの作品のいいところも、足りないところも、いつも本音で教えてくれる貴重な存在です

Q4. 最近始めたことはなんですか?

「最近は、大学の課題で3分くらいの映像作品を制作しています。いままでのわたしの作品は、『言葉に頼りすぎてて、説明的になっている』って教授にも眞島くんにも言われていて、それがずっとコンプレックスだったんです。

だから今回は、その課題を乗り越えたいと思って、登場人物自身や観客に語りかける独白を一切入れないって決めました。

つまりは会話劇にはなるんですけど、その会話の中のみで登場人物の考えを表現するようにしています。とはいえ、初めての試みなので、脚本では完璧だと思っても、いざ撮影して映像にしてみると『あれ? これじゃわからないかも』としっくりこない時もあって手探り状態です。でも、これからは、映像でもちゃんと魅せられる監督を目指して頑張ります!

Q5. 今後の展望は?

具体的な目標はまだないんですけど、将来は多くの人に見てもらえる映画をつくりたいと思っています。

自分のつくった映画は、わたしの本音であり、観てくれた人への語りかけです。共感よりも、見た人が自分の言葉で感じたことを表現してほしい。この作品を見て『どう感じた?』って、みんなと本音で話し合えるものにしたいんですよね。

わたしは、高校のときは3年間クラスが変わらなかったので、友だちも先生も、何も言わなくても自分のマイペースさを理解してくれて、ぬくぬく過ごしていました(笑)。でも、大学に入ったら、わたしのことを誰も知らないし、思った以上に自分から働きかけないと伝わらないことがたくさんあるんだなって知って、それが衝撃で。

だからこそ、まずは人間として、きちんと言葉に出して本音で話せる関係性を築けるようになりたいし、その気持ちは、きっと監督としても今後の作品にもにじみでてくると思います」

池田奈都季のプロフィール

年齢:19歳
出身:神奈川県厚木市
所属:東京造形大学 映画・映像専攻領域2年生
趣味:絵、音楽、歌、食べること
特技:ベース
大切にしている言葉:一期一会

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Photo:Nanako Araie
Text:Chihiro Bandome

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Chihiro Bandome

ライター

2003年生まれ、埼玉県出身。上智大学文学部新聞学科在学。自分の目で現場を見て、自分の言葉で人と話して、世界を知っていきたい。大学では、主にニュース記事の執筆を学んでいる。2023年より、ライターとして「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

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