
「気になる10代名鑑」の1069人目は、重松飛燕さん(16)。推しが時間を管理するアプリ「推しかり!」のエンジニアとして、アプリ開発に関わっています。中学時代に出会った仲間とのつながりを原点に、アイデアを形にしている飛燕さんに、アプリ開発に込めた想いやこれから描くビジョンについて、詳しく話を聞いてみました。
重松 飛燕を知る5つの質問
Q1.いま、いちばん力を入れている活動は?
「『あなたの時間を推しが管理する』をコンセプトにしたアプリ『推しかり!』の開発をしています。このアプリは、スマホ使用時間を設定し、それを超えると推しキャラに叱られ、下回ると褒められるという仕掛けを組み込んでいます。
開発は岡山の『ももスタ』というスタートアップ拠点で生まれたアイデアをもとに、4人体制でおこなっていて。ぼくは、唯一のエンジニアメンバーとして参加しています」
Q2.活動を始めたきっかけは?
「開発メンバーではなかった頃から、『推しかり!』のコンセプトに惹かれていて。
勉強中にスマホをやめられずに困っていた自分にとって、推しに叱ってもらえるアプリがあれば本当に助かるなと思っていたんです。そんなときに、SNSで出会った開発者の森田智信さんから『エンジニアがいない』という話を聞いて。『それなら自分がやるしかない』と、加入を決意しました」
Q3.活動する中で、印象的だった出会いは?
「開発メンバーの森田さんとの出会いです。
森田さんには、中学3年のとき、偶然SNSで思い切って声をかけたのがきっかけで出会えたんです。当時は、まさかその縁がいまいっしょにアプリを作ることにつながるなんて想像もしていませんでした。
お互いに『ゆっくり茶番劇』というジャンルで動画投稿をしていた共通点もあって、森田さんとはすぐに意気投合しました。『あのとき声をかけた勇気』が、いまの自分を作っていると思います」
Q4.活動を通して、実現したいビジョンは?
「『推し』って、本来もっとパーソナルで、日常と密接に寄り添う存在だと思うんです。
でもいまの推し活は、ライブやグッズだけじゃなく、時間までも奪いかねないくらいスマホ依存と絡み合っていて。だから、推しが『スマホとの付き合い方』をやさしく導いてくれるような仕組みを作りたいと思っています。
単なるアプリじゃなくて、『推しに管理されることが救いになる』ような文化を根づかせて、推し活のありかたそのものを変えていける存在になれたら嬉しいです」
Q5.今後の展望は?
「将来的には、音楽とプログラミング、両方を掛け合わせた表現者になりたいです。
ボカロPとしても活動を始めていて、冬にバイトして買ったDTMソフトで、作曲やベース録音にも挑戦中です。自分で音を作る楽しさと、コードを書くときの『かたちになっていく感じ』って、すごく似てると思うんですよ。
『推しかり!』みたいなプロダクト作りや音楽創作活動を続け、いずれは、生活の一部になるような作品やサービスを生み出していきたいと思っています」
重松 飛燕のプロフィール
年齢:16歳
出身地:神奈川県横浜市
所属:神奈川県立横須賀工業高校 機械科、推しかり!開発メンバー
趣味:音楽(作曲・DTM)、野球(西武ライオンズ推し)
Photo:Nanako Araie
Text:Taisei Sawamura