
若手俳優の発掘・育成プロジェクト『私の卒業』。誰もが経験する「卒業」をテーマに、仲間との別れ、未来への希望を胸に抱くドラマを、オリジナルの映画として制作してきました。
その第6期となる『80年後のあなたへ』が公開。今回も、1300名以上の応募者の中から選ばれたキャストに、『Steenz』が単独インタビューを実施。第10弾は、山本藍さんをフィーチャーします。
今作『80年後のあなたへ』で、頼もしさと優しさで友達を支える姉御肌の大学生、石黒まみ役を演じた山本藍さん。撮影時の裏話やワークショップでの思い出、今後の目標について聞いてみました。
自分と役を重ねて。リアルな表現を追求した
―さっそくですが、完成した脚本を読んだときの感想を教えてください。
「物語を読み進めていくうちに、今ある日常がそのまま80年後も存在していることの尊さに気づきました。
わたしは今まで、過去にあった出来事を振り返ることで、未来がより良いものになっていくんじゃないかなって考えていたんです。でも、今ある大切なものを80年後も残していたいっていう前向きな気持ちも、未来をより良くしていくことに気づかされて。
目の前にある環境や、身近な人を大切にしたいって、改めて思えるような脚本でした」
―今回演じた石黒まみという役柄を掴むために心がけたことはありますか?
「わたし自身も、いま実際に大学に通っているんです。でも、大学内でのわたしとまみでは、キャラクターだったり、仲良くしているグループの雰囲気が少し違うなと思って。
普段、スポーティな格好で通学するような私と比べて、まみをはじめとする、仲良しグループのあゆみや香純は、綺麗めな服を着ていたりと、お姉さんっぽい印象を受けたんです。
だから、大学に行ったときは、いろんな人の仕草や話し方を観察したりして。まみ達に近い大学生像を掴むために研究していました」
―大学生という共通点もあり、役とご自身と重ね合わせることも多かったのでは?
「作中のまみ達と同じように、わたしも大学のカフェテリアに友達と集まって、女子トークをすることが良くあるんです(笑)。会話の内容もまさに、恋愛だったり、進路だったり、勉強についての話をしているから、共感できる部分も多くて。大学生の日常がすごくリアルに描かれているなと思いました。
それに大学のシーンの撮影は、ロケで使わせていただいた大学の在校生の方々にも、協力していただいているんです。よりリアルさが追求されたシーンになっているので、注目していただけると嬉しいです」
メンバーから刺激をもらいながら邁進した
―「私の卒業プロジェクト」は、役が決まる前にオーディション形式のワークショップがありますよね。印象に残ったことはありましたか?
「他のオーディションと違って、お芝居に対するフィードバックをいただけるのが、とにかく嬉しかったです。
オーディションの初期、プロデューサーの高石さんが「表情が0か100になりがちだから、グラデーションを鍛えるように」って、アドバイスをくださったんです。それからのワークショップは、そのアドバイスを常に意識していたので、すごく自分の成長に繋がったと思っていて。
どんなアドバイスも全部前向きに受け取っていたので、厳しさを感じることはなかったです」
―同世代のメンバーのお芝居を見て、刺激を受けることもありましたか?
「自分が頭の中でイメージしていたお芝居を、他の人がうまく演じているのを見たときに、自分の技術不足を痛感してしまって。ワークショップの最初のころは、帰りの電車で落ち込みながら、台本を読み返すこともありましたね。
でも、逆にいろんな人のお芝居を見ることで『こういう表現もあるんだ』、とか『そんな解釈もあるんだ』とか、自分では想像できなかった演じ方にたくさん出会えて。いい刺激をもらえたし、柔軟にいろんな視点から役を見つめてみることの大切さを学べました」
―共に作品を作り上げたチーム全体に対して、特別な想いはありますか?
「撮影のあと、夜にみんなで集まって、お芝居のことや将来のことについて話す場面が多くあったんです。
チームのなかには、わたしよりお芝居の経験がある人も多いから。わたしが悩んでることを打ち明けたら『それ、わたしも昔経験したよ』とか『同じこと思ったことある』とか、共感してくれることが多くて。アドバイスをもらえて嬉しかったし、何より同じ悩みをみんな辿ってるんだなって、なんだか心強くなったんです。
現場はもちろんだけど、同世代の子たちと本音で話し合える時間を過ごしたことで、より絆が深まっていったのを感じました」
自分が救われたように、作品を通して寄り添いたい
―ここからは、山本さんご自身のことについて聞かせてください。この世界に入ったきっかけは?
「高校一年生のときに今の事務所のオーディションを受けました。当時はコロナ禍だったというのもあって、学校も部活も全部なくなってしまった時期だったんです。吹奏楽部に所属していたけど、コンクールも中止になったり、生徒会にも入っていたけど活動できなくて……。
『なにか新しく頑張れることを見つけたい』って想いで、昔から憧れがあった芸能の世界に挑戦してみたんです」
―そこから、お芝居に出会ったんですね。
「事務所の演技レッスンで初めてお芝居というものに触れました。やっていくうちに、どんどん難しさにも気づいていって。でも、逆にそれがお芝居を頑張りたいと思う理由でもあるんです。
わたしはどちらかというと、自分に自信がないタイプで。なにかに打ち込んでいないと不安になってしまうから。お芝居を頑張ることが自分を保つモチベーションになっているんです」
―では、どんな俳優さんを目指していきたいですか?
「人に寄り添える俳優さんになりたいなと思っています。自分自身、人に相談をすることがすごく苦手で。作品を見て、悩みを抱えた登場人物に自分を重ねて、救われることが多かったんです」
―具体的にどのような作品を見ていました?
「いちばん影響を受けたのが高校時代に映画館で観た『君は放課後インソムニア』という作品です。不眠症に悩む高校生の男の子と女の子が悩みを乗り越えていく物語なんですけど。エンディングをみるころには、わたしの心もスッと軽くなったのを覚えていて。
今はわたしが演じる立場になったから。なにか作品を通して、悩みや不安を抱える人に、少しでもヒントのようなものを与えられるお芝居ができたらいいなと思っています」
―ありがとうございました!
私の卒業-第6期-『80年後のあなたへ』概要
■公開日
2025年5月16日(金)全国ロードショー
■あらすじ
平和の日が制定できたが、果たしてこれで終わりで良いのだろうか? と考えを巡らせる生徒会長の女の子。
その彼女に想いを抱き、代々続く有松絞りの実家の跡を継ぐ決意をした男の子。
戦争時は疎開先として、戦争の被害にあっていない街、犬山市。
その犬山市に住み、訳あって心を閉ざしている女の子と、矢場とんが大好きな陽気な元野球部員との恋物語。お婆ちゃんからもらった大切なメガネをかけた女の子が、イメチェンをはかる成長物語。
夢を語れずにラジオ局でアルバイトしている大学生の女の子とディレクターの恋。
そんな7人の人物を軸に、戦後80年という節目に、この先の未来に残したいものは何か、という問いに向き合っていき、それぞれが一歩前に踏み出していく青春群像劇。
■予告編
■作品情報
私の卒業 -第6期- 『80年後のあなたへ 』
【私の卒業プロジェクト第6期 出演者】
渡邉このみ 中川翼 向井怜衣 岩崎碧 滝口芽里衣 皆瀬翔 村上なずな 寺島季咲 沢田京海 平田風果 千葉青八 鈴木夢 國分瑠真 瀧澤僚太 櫻井亜蓮 内山優花 野崎珠愛 Hitomi 山本藍 平川丈 川口飛雄我 斎藤さらら 松岡拳紀介
脚本・プロデュース:髙石明彦 音楽:平野真奈
監督:北川瞳 プロデューサー:宮﨑和明
主題歌:乃紫 「透明の楽譜」 (MR8/MIJ Quality Records)
製作:深川辰巳 浦出高史 飯田義典 服部徹
撮影:小野貴宏 映像:佐藤隆彦 照明:後藤史兆 録音:金子徹 美術:小林大輔 編集:伊豆光沙 選曲:泉清二
スタイリスト:上田摩耶 ヘアメイク:駒水友紀 磯﨑智香 音響効果:荒川翔太郎 制作担当:松橋典生
協賛:矢場とん コロナワールド 菅公学生服
企画・制作・配給:THE ICON ◎私の卒業第6期製作委員会2025
公式ホームページ https://watasotsu.com/
公式X https://x.com/sotsupro
公式Instagram https://www.instagram.com/sotsupro/
公式TikTok https://www.tiktok.com/@watasotsu
山本藍のプロフィール
名前:やまもとあおい
年齢:19歳
誕生日:2005年11月28日
出身地:福岡県
特技:素敵なカフェを見つけること
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