
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、使えば使うほど植樹ができる検索エンジン「Ecosia」についてご紹介します。
検索すると植樹につながる検索エンジン「Ecosia」
TikTokやInstagram、Googleなど、何かを調べるときに多様な方法が存在する現代。なかでも近頃は、検索に加えて環境に良いアクションができることから、「Ecosia(エコシア)」が注目されています。
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Ecosiaとは、ドイツ・ベルリン生まれの無料で利用できる検索エンジンのこと。最大の特徴は、ユーザーが一定回数の検索をおこなうと、木を1本植樹できる点にあります。
使用方法はとてもシンプルで、スマートフォンの場合はEcosiaの無料アプリをインストールするのみ。パソコンの場合は、利用しているブラウザで「Ecosia」と検索すると使用できます。「Google Chrome」を使っている場合は、拡張機能でデフォルトのブラウザに追加することも可能です。
2025年5月19日時点で世界のおよそ2000万人がEcosiaを利用しており、これまでに2億3,141万2,712本の木を植えた実績があります。検索するだけで植樹が叶う理由は、広告収入から必要経費を引いた収益の大半を世界中の植樹や樹木の保護に充てているから。Ecosiaは現在、35カ国以上で70以上のパートナーたちと植樹に取り組んでいるといいます。
これまでの植樹プロジェクトを紹介
Ecosiaは、これまでどのような場所で植樹をおこなってきたのでしょうか。
運営企業の公式ブログ「ECOSIA Blog」には、植樹プロジェクトの記録が載っています。このページをチェックすると、植えた樹木の種類や植え付け時期、方法などを確認できます。例えば、2020年より開始したオーストラリア・バイロンベイ地域での植樹活動。もともとこの地域は、酪農のために森林が伐採され森林被覆面積が減少傾向にありました。そこに熱帯雨林火災がおこり、森林の一部が消失。木々のあるエリアがさらに減少してしまったのです。Ecosiaは現地のパートナー団体である「ReForest Now」と共に、バイロンベイ地域に100種類以上の在来種を植樹しました。
そのほかの事例としては、2017年におこなわれたエチオピアでの植樹プロジェクトがあります。当時のエチオピアでは、家畜の放牧や飼料利用、薪炭材の採取、木炭生産などを理由に、広範囲で森林減少が進んでいました。山々の表面はむき出しになり、川岸は干上がり、土壌も浸食されていたそうです。そこでEcosiaは、現地の女性団体や土地を所有していない若者と協力し植樹活動を開始。森林が増加し、農作物の収穫量向上を実現できれば、それにより生まれた報酬を現地の人たちが医薬品の購入や学費の支払いに使用できるようになります。最貧国のひとつであり、未就業の若者が多いとされるエチオピアにとって、「Ecosia」との植樹活動は社会に良い影響を与えてくれるプロジェクトのひとつとなっています。
実際に「Ecosia」を使ってみて
ここからは、筆者が実際にEcosiaを使用した感想をご紹介します。
ちなみに今回は、スマートフォンにアプリをダウンロードして利用しました。個人的には、日常でリサーチする程度であれば、そこまで不自由さを感じる場面はありませんでした。アプリは英語表記ですが、日本語での検索もでき、情報も日本語で表示されます。
ただ、検索精度は、大手検索エンジンと比べると多少なりとも違いを感じるケースがあるようです。Ecosiaを使ってみた方の中には「欲しい情報が出てこなかった」と話している人もいました。
しばらくEcosiaを使い続けていると、画面右上に種が現れました。この種は、検索回数を重ねると増えるようです。筆者4月24日から開始し、5月19日時点で3つの種を集めました。このように成果が目に見えると、「自分の検索が、これだけ植樹活動に貢献しているのか」と実感でき、さらなる利用につながるのではないでしょうか。筆者も小さな達成感を覚え嬉しくなり、今後もEcosiaを活用していこうと思いました。無料で使用できて植樹にも貢献できるため、気になる方はぜひ一度試してみてください。
Text:Yuki Tsuruda