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渡邉このみインタビュー!映画『80年後のあなたへ 私の卒業-第6期-』公開記念

渡邉このみインタビュー!映画『80年後のあなたへ 私の卒業-第6期-』公開記念

若手俳優の発掘・育成プロジェクト『私の卒業』。誰もが経験する「卒業」をテーマに、仲間との別れ、未来への希望を胸に抱くドラマを、オリジナルの映画として制作してきました。

その第6期となる『80年後のあなたへ』が公開。今回も、1300名以上の応募者の中から選ばれたキャストに、『Steenz』が単独インタビューを実施。第8弾は、渡邉このみさんをフィーチャーします。

今作『80年後のあなたへ』で、なごや平和の日の制定の原動力になった東商高校の生徒会長である山川ひまりを演じた渡邉さん。本作への意気込みや、今後の展望などいろいろ伺いました。

―早速ですが、メインキャストであるひまり役に選ばれた時の率直な感想は?

「実はわたし、この作品でメインキャストに選ばれなかったら、幼少期から始めた芸能活動を辞めてもいいと思っていたんです。だから選んでいただいたときは『お芝居を続けていこう』って、今後の人生に対する覚悟みたいなものが生まれました。

でも、オーディション時は依子役がいいなと思っていて。ずっと一途に依子役を練習していたところで、あるとき、プロデューサーの高石さんから、『他の役も考えてみたら』って意味深なお言葉をいただいて(笑)。いろんな役を考えて、ひまり役を演じてみたら、それで選んでいただいて。驚きもありましたが、嬉しかったです。」

―ということは、ひまりとご自身を比べて異なる部分も多かった?

「わたしは中学高校時代、留学していたこともあって、普通の日本の高校生活を経験したことがあまりなくて。制服もなければ、みんなばっちりメイクしたり、香水をつけたり……。そんな環境にいたから、そもそも作中で描かれているものとは、ちょっと違う高校生活を送ってきたんです。

とくに恋愛に関しては全然違っていて。私含め、私の周りには感情表現がオープンな人が多いんです。だから、ひまりが想いを寄せる謙ちゃんに対して、本当の気持ちを言えないとか、すれ違いざまに意識しちゃうとか、そういう経験をしたことがなかったんです。奥ゆかしさみたいなものを表現するのはすごく難しくて、青春が描かれた日本の作品をみて、感情をインプットしました。

でも逆に、行動力があるところは、ひまりとすごく似ていているなって思います。私も高校で生徒会長をやったり、自分でイベントを開催していたから。彼女の性格や学校での立ち位置はわりとすぐに掴めたかなと思います」

―ひまりは今作のテーマである「80年後のあなたへ」にとても深く関わってくる役柄です。意識したことはありますか?

「脚本を読んでみた時から「戦争をテーマにした映画」と意識してみると、戦争のことはライトに描かれている印象がありました。それは製作陣の高石さんや北川さんの意図でもあり、この映画の大事な要素でもあると思います。でも、ひまりは生真面目で何に対しても真剣に向き合うがゆえに、ちょっと不器用な部分もある役柄。そこも物語の面白さだなと思ったので、私自身も戦争や未来の平和について、真剣に向き合ってみようと思って。

広島にある原爆ドームを訪れてみたり、戦争経験者の祖母から話を聞いて勉強したりしました」

―「私の卒業プロジェクト」と今まで参加してきた作品を比べて、決定的な違いは?

「今まで参加した作品では、俳優部や技術部、それぞれの部隊で、それぞれのプロフェッショナルが動くことで、ひとつの作品が完成するっていうのがよくある現場で。

でも、この作品は参加する全員の距離が近いんです。美術さんがいないので、みんなで大道具を運んだり、 自分たちの私物でプロップ(小道具)を担ったり。ちなみに、ひまりがあゆみに渡していたプレゼン資料もわたしが自作したものなんです(笑)。そんな、ちょっと自主制作に近いような雰囲気は、多くの現場ではあまり味わえないと思います。

でもそのぶん、『役者は演技のことだけ考えていればいい』っていう環境ではないから。協調性を学ぶうえでは、すごく良い現場でした」

―オーディションもあり、ロケも長かったことから、作品に関わる時間が多かったですよね。印象的だったことはありますか?

「いちばん覚えているのは、依子役で芝居したとき。北川監督から『その依子だと、誰からも好かれないよ』って指摘をいただいたことです。いろんな意図があって言ってくださったと思うんですけど、当時はそれがめちゃくちゃショックで。

撮影期間中も、共演者のみんなとお芝居に対しての考えをよく話し合うことがよくありました。そのときに「このみちゃんの演技のアプローチは好きじゃない」って伝えられて。真剣にお芝居の話をしあえる関係性だったからこその言葉だったんだけど。自分のなかで引っかかってしまって。

正直、この言葉の意味はまだ解釈できてないんです。でも、すごくフックになった言葉だったから「誰かに好いてもらうって、一体どういうことなんだろう」って、今後の人生のなかでも重要な問いになるのかなと思っています」

―共に作品を作り上げたチーム全体に対して特別な想いはありますか?

「みんなそれぞれ、やっている仕事だったり、人生の段階とか、立場が違うわけだけど『私の卒業』に参加したいって想いがあったから、たまたま出会えたメンバーなわけじゃないですか。だから、将来に対してどういうプランを描いているのか、たくさん話し合ったりもして。

作品に描かれている内容にも共通するけど、わたしも含めて、そこで話したような将来のプランについて、みんなが自分の望む幸せな選択ができるといいなって思っています」

―ここからは、渡邉さんご自身について質問させてください。この世界に入ったきっかけは何ですか?

「4歳くらいのとき、母の勧めでキッズモデルを始めて事務所に入ったんです。最初は、すぐに辞めるつもりでいたんですけど。でも、あるとき『八日目の蝉』って作品のオーディションがあるって聞いて。挑戦してみたら、受かったんです。それが賞をいただいたりとすごく大きな映画になって。お仕事がいただけるようになったので、小学生のときに上京してきました。

そこからしばらく芸能活動を続けたのですが、中学に入るタイミングで「海外に行こう」って思って。この世界から離れることにしたんです」

―一度離れた芸能界ですが、改めてこの世界に入ろうと思った理由は?

「この世界を離れている間に色々な経験をしたんです。起業してみたり、自分でイベントを開催したり、普通に高校生活も送ったり。そのうえで、私は「自分が見ている世界を表現したいんだ」って気づいて。またお芝居をすることを選びました。

でも、人から求められることで成り立つ仕事だから。求められなかったから、やめようと思っていたんです。 新しく出てくる人たちがいるなかで、再参入した私がどう評価されるのか『私の卒業』に参加して自分を試した部分もあって。

そうしたらありがたいことに、メインキャストに選んでいただけたので、お芝居を続ける決心ができたんです」

―では、今後どのような俳優さんを目指して行きたいですか?

「目指すはハリウッド!私はすごく世界に行きたいって願望が強くて、5年以内には必ず行くって決めてます。

日本人でも、真田広之さんとか、素晴らしい先人たちがアメリカの舞台で20年も30年もかけて土台を作ってくれているじゃないですか。それを追えるような人間になりたいです。逆に演技の面では、武士とか将軍とか、海外での日本人のステレオタイプを演じることじゃなく、1人の役者として、世界中の人を感動させるような、そんな作品に出演できるような俳優さんになりたいなと思っています」

―ありがとうございました!

私の卒業-第6期-『80年後のあなたへ』概要

公開日

2025年5月16日(金)全国ロードショー

■あらすじ

平和の日が制定できたが、果たしてこれで終わりで良いのだろうか? と考えを巡らせる生徒会長の女の子。
その彼女に想いを抱き、代々続く有松絞りの実家の跡を継ぐ決意をした男の子。
戦争時は疎開先として、戦争の被害にあっていない街、犬山市。
その犬山市に住み、訳あって心を閉ざしている女の子と、矢場とんが大好きな陽気な元野球部員との恋物語。お婆ちゃんからもらった大切なメガネをかけた女の子が、イメチェンをはかる成長物語。
夢を語れずにラジオ局でアルバイトしている大学生の女の子とディレクターの恋。
そんな7人の人物を軸に、戦後80年という節目に、この先の未来に残したいものは何か、という問いに向き合っていき、それぞれが一歩前に踏み出していく青春群像劇。

■予告編

■作品情報

私の卒業 -第6期- 『80年後のあなたへ 』

【私の卒業プロジェクト第6期 出演者】
渡邉このみ 中川翼 向井怜衣 岩崎碧 滝口芽里衣 皆瀬翔 村上なずな 寺島季咲 沢田京海 平田風果 千葉青八 鈴木夢 國分瑠真 瀧澤僚太 櫻井亜蓮 内山優花 野崎珠愛 Hitomi 山本藍 平川丈 川口飛雄我 斎藤さらら 松岡拳紀介

脚本・プロデュース:髙石明彦 音楽:平野真奈
監督:北川瞳 プロデューサー:宮﨑和明
主題歌:乃紫 「透明の楽譜」 (MR8/MIJ Quality Records)
製作:深川辰巳 浦出高史 飯田義典 服部徹
撮影:小野貴宏 映像:佐藤隆彦 照明:後藤史兆 録音:金子徹 美術:小林大輔 編集:伊豆光沙 選曲:泉清二
スタイリスト:上田摩耶 ヘアメイク:駒水友紀 磯﨑智香 音響効果:荒川翔太郎 制作担当:松橋典生
協賛:矢場とん コロナワールド  菅公学生服
企画・制作・配給:THE ICON  ◎私の卒業第6期製作委員会2025

公式ホームページ https://watasotsu.com/
公式X https://x.com/sotsupro
公式Instagram https://www.instagram.com/sotsupro/
公式TikTok https://www.tiktok.com/@watasotsu

渡邉このみのプロフィール

名前:わたなべこのみ
年齢:18歳
誕生日:2006年7月25日
出身地:大阪府
特技:英語・殺陣

Photo:Kaori Someya
Text:Yui Kato

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