Teen's Snapshots

自分が「いい感じ」と思える瞬間を探して。不登校を乗り越えイベントプロデュースが生きがいに【ひなせ・19歳】

自分が「いい感じ」と思える瞬間を探して。不登校を乗り越えイベントプロデュースが生きがいに【ひなせ・19歳】

「気になる10代名鑑」の1007人目は、ひなせさん(19)。生徒会の経験をきっかけにイベントやアートのプロデュースを学んでいます。不登校だった高校時代に出会った先輩の影響が大きかったと話すひなせさんに、まず最初に手がけたイベントや活動において大切にしていることについて聞いてみました。

ひなせを知る5つの質問

Q1. プロフィールを教えてください。

「不登校をきっかけに高校は通信制のS高に進学し、高校時代は学園内でのイベント実施や生徒会役員として活動していました。その経験からイベントや教育の分野に興味を持って、いまは大学でイベント・アートプロデュースについて学んでいます。

わたしの人生の目標は幸せになることです。そのために、自分が『いい感じ』と思える場所や瞬間を探しながら生きています」

Q2.活動を始めたきっかけは?

「中学時代は体調がすぐれず、何かやりたいけれど挑戦ができない日々でした。でも、高校に進学し何気なく参加したイベントで、実行委員の先輩からその運営の話を聞いて、体調のこと以上にやってみたい気持ちで頭がいっぱいになっていたんです。

先輩のイベント実行委員に全力で取り組む姿、先輩から聞いた自分で企画したイベントの話、人脈やご縁を大切にしているということなど……。どれもすごくかっこよくて、こんなひとにわたしもなりたいと憧れて。

この経験がきっかけとなって、イベントの実行委員に立候補をして、元不登校だったわたしは、生徒会として活動を始めました」 

Q3.活動にあたってのファーストアクションは?

まずは、わたしにきっかけをくれたその先輩に、自分がイベント企画をしてみたいと話をしたことです。『やってみたい』と口に出すと、いろんな先輩が協力してくれたり紹介をしてくれて。いつの間にか先輩が企画しているイベントの運営に携われることになったんです!

わたしにもできるんだ!と自信が持てたことで、最終的には自分が主体となってイベントづくりができるまでに成長して。そこでは、自分の好きなファッションと、仲間が好きな音楽を掛け合わせて、いろんな年代のミュージックビデオから流行の移り変わりを味わって、次に流行るものは何かを考えるイベントを開催しました。

実際、イベントにきたひとたちが笑顔になっているのを見ることができて、わたしもうれしくなったし、参加者の方のアイデアが面白くてすごくワクワクしました」

Q4. 活動するうえで、大切にしていることは?

自分自身に矢印を向けてあげることを大切にしています。

かつてのわたしは、理想の自分を追い求める完璧主義でした。だから、学校に行けない自分はだめだと、完璧でない自分をせめていたんです。周りたちのためにいいひとでいないといけない、いいひとに見られたいと心のどこかでずっと思っていた気がします。

でも、高校3年生のころに先輩から『ひなせさんは周りによく目を向けているけど、それを自分には向けられていないんじゃない?』と指摘されて衝撃を受けたんです。ひとの目を気にする一方で、自分がどう感じているのか、どう思っているのかを考えたことがなかったと気が付きました。

自分について考えてみたら、完璧を追い求めている時は楽しさを感じてないことに気がついて。それから自分がどんなとき楽しいと思ってるか、自分が何を「いい感じ」と思うのかを自問自答するようになりました

Q5. 将来の展望は?

イベントプロデュースを通して、誰かにとって人生の起点となるような、ワクワクする機会をつくることが将来の目標です。

具体的には、ライブイベントを開催したり中高生に向けたワークショップのイベントをつくってみたいと思っています。わたし自身が不登校の時期に推しのライブに行って元気をもらった経験や、イベントづくりを通して自信を持てた経験があります。そんな感動を、今度はわたしがいろんなひとに届けたいんです。

誰もが、ひとと比べるのではなくて自分なりに『いい感じ』と思える社会になればいいなと思っています」

ひなせのプロフィール

年齢:19歳
出身地:神奈川県
所属:大阪芸術大学 芸術計画学科
趣味・特技:ファッション、自炊、音楽、タイピング
大切にしている言葉:自分に矢印を向ける

Photo:Nanako Araie
Text:Rinna Koike

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