
「気になる10代名鑑」の997人目は、手島遊さん(19)。将来は舞台美術家になるべく、大学での勉強や実際の舞台づくりに奮闘中の大学生です。多様なジャンルの舞台鑑賞をしながら、舞台づくりの引き出しを増やしているという手島遊さんに、大切にしていることや今後の展望について聞いてみました。
手島遊を知る5つの質問
Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「舞台美術のデザインと製作を学校で勉強しています。
舞台美術の中でも、舞台セットのデザインから製作まで幅広く手掛けていて。身の回りにある素材や木材などを使いながら自分たちでいちから舞台をつくっています」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「母が設計の仕事をしていたこともあって、母の手がけた家を見学したり、設計士として働く母の姿を日常的に見ていたりと、空間づくりが身近にあったんです。小さい頃から何かを作ること自体は好きで、図画工作もよくしていました。
小さい頃からクラシックバレエを習っていて、舞台の世界にはじめて触れたのは表方としてでした。でも、高校生のときに授業や自主公演の舞台づくりで、演者や演出などいろいろな仕事を経験したときに、そのなかでも舞台美術に魅力を感じたんです。劇場のなかに家や船があるなんて、不思議じゃないですか? そこで、ひとが立って演じる空間づくりをする面白さに気がつきましたね。もっと本格的で大きな空間づくりができて、かつ自分が好きな図画工作にも携われる舞台美術を、将来本気でやりたいなと思ったんです」
Q3. 活動の中で、悩みがあれば教えてください。
「大学という新しい環境での舞台づくりに四苦八苦しましたね。
自主公演をやるときにはいっしょに舞台づくりをしてくれるひとを集めないといけないのですが、大学では同じ授業を取っていないと、演者を集めようとしてもなかなか難しくて。話す機会がないと、お互いどんな舞台をつくりたいのか知ることすらできません。
でも、小さいキャンパスのなかで出会いを待っているのではなく『自分から会いに行けばいいんだ』と気づきました。いっしょに舞台を見にいったり話しかけにいったり。舞台づくりのための仲間探しの方法を学びましたね」
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Q4. 活動するうえで、大切にしていることは?
「舞台にちょっとした仕掛けを取り入れることを大切にしています。
演者に頼っているだけでは、2時間の舞台は見飽きてしまうと思うんです。色が変わる仕掛けを作ったり、紙を降らせたり……。わたしたちが試行錯誤していれば、演者や演出にもそれが伝わってより一丸となって舞台づくりができるんじゃないかなって。
あとは、高校生のときから続けている舞台鑑賞は、いまの舞台づくりの参考になっているなと実感しています。落語の寄席からミュージカルまで、いろんな舞台を見たことで自分のなかに引き出しがたくさんできた気がしていて。だから、引き出しを増やし続けるためにもインプットの時間はこれからも大切にしていきたいですね」
Q5. 将来の展望は?
「名前の『遊』を体現できるような舞台美術家になりたいです。
観客の心に残るような、遊び心あふれる作品をデザインしたくて。これまで多様なジャンルの舞台をインプットしてきた自分の強みを活かして、ポップな雰囲気から写実的な舞台美術まで幅広く作れるようになることが直近の目標です」
手島遊のプロフィール
年齢:19歳
出身地:神奈川県横浜市
所属:多摩美術大学演劇舞踊デザイン学科劇場美術デザインコース
趣味:パン作り
特技:体力がある
大切にしている言葉:「どんなことでもできる。自分で邪魔をしなければ。(Anything can happen if you let it)」(メリー・ポピンズ)
手島遊のSNS
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Photo:Nanako Araie
Text:Haru Ninagawa