
「気になる10代名鑑」の972人目は、荒谷ももさん(16)。高校生百貨店、トンガリーズという2つの学生団体で精力的に活動中。地域創生からグローバルへと幅広く興味を持ち、行動に移しています。「自分の好きな英語をきっかけに広がったご縁が原点です」と語る荒谷さんに、印象的だったことや今後の展望をくわしく聞いてみました。
荒谷ももの活動を知る5つの質問
Q1. いま、力を入れている活動は?
「『たくさんのひとと関わりながら、誰かのために動きたい!』という思いで、2つの団体で、課外活動に取り組んでいます。一つ目は高校生百貨店という学生団体です。魅力的な商品を自分で見つけて交渉し、百貨店での販売をするという活動をしています。
もうひとつは、トンガリーズという学生団体です。ここでは、中高生50名ほどで日本全国でフェスティバルの運営の企画を進めています。家族連れも楽しめるイベントを企画中です。
中高生の力でゼロからイベントをかたちにすることは大変ですが、ひとが集まって交流が生まれる場所づくりに関われるのはとても楽しいです!」
Q2. 活動を始めたきっかけはなんですか?
「わたしはもともと英語を勉強することで好きだったので、高校は海外科に通いながら、いろいろなバックグラウンドを持つ子と関わりながら勉強しています。そこでは、チューターのような感じで英語を使いながら、とあるクラスメイトに日本語を教えていました。
その子をきっかけに、英会話キャンプに参加したとき、課外活動をしている友だちに出会ったんです。初めて課外活動という世界を知りましたし、お話を聞いて自分の軸を持ってイキイキしている姿にも憧れて。自分もやってみたいと思い、学生団体を探しはじめました」
Q3. どんなことをテーマに活動をおこなっていますか?
「新しいひととの出会いを楽しむことを大事にしています。実は人見知りなんですけど、ひととお話をすることやお話を聞いてつながることは大好きです。活動をしていくなかで、そんな自分にもっと気づいて素直にさらけ出せるようになった気がします。
高校生百貨店では、地元の和菓子屋さんをピックアップして販売をしました。店主のひとに歴史や和菓子のこだわりについてお話を聞けたのがとても楽しくて。もっと地元に愛着が持てる気づきになりましたし、地域創生にも関わっていきたいなという新しい目標も持つことができました」
Q4. 活動の中で、悩みがあれば教えてください。
「活動資金はどうするかであったり、事業を支援してくれる大人とどう信頼関係を築いていくかであったり、学生団体ならではの悩みは尽きないですね……。やりたい気持ち一心で走っていきたいのですが、実績はまだない学生の身なので、その前に『会議室はどこで取ろう』『会場はいいところないかな……』といった感じで現実的な問題を一つひとつクリアしていくことの大変さを感じます。
学生目線だけではなくて、もっといろいろな立場のひとから意見をもらいたいと思って、最近は1on1を頑張っています。海外のひととお話ししたときに、海外から見た日本を教えてもらい、自分だけじゃ得られなかった視点だなと勉強になることばかりでした」
Q5. 今後の展望は?
「まずは、人生を変えてくれた『課外活動をすること』のハードルを下げていきたいなって思っています。関西でも活動できていますが、東京に比べると、団体の数もチャンスもまだまだ少なくて地域格差があるんです。『参加したかった、やりたかったけど知らなかった』という声をゼロに近づけることが目標です。
将来的には、自分の得意な英語を生かしながら、『ひとのために尽力できる』活動をグローバルに行うのが夢です。医療従事者、発展途上国への教育支援といろいろな道を探していきたいです!」
荒谷もものプロフィール
年齢:16歳
出身:兵庫県西宮市
所属:兵庫県国際高校、高校生百貨店、トンガリーズ
趣味:スポーツ
特技:バレエ、ダンス
大切にしている言葉:私には私にしかできないことがあり、あなたにはあなたにしかできないことがある(最澄)
Photo:Nanako Araie
Text:Chihiro Bandome