
「気になる10代名鑑」の978人目は、彩さん(18)。写真作品中心に、学校やグループ展で精力的に作品を発表しています。光が差し込む瞬間や木漏れ日など、刻々と変わる景色を作品に落とし込んでいる彩さんに、創作活動を始めたきっかけや、将来の展望について詳しく伺いました。
彩を知る5つの質問
Q1.いま、いちばん力を入れている活動は?
「写真作品の制作をメインに、学校の展示やグループ展示を通して活動をしています。その他にも、グラフィックデザインや詩など、興味のあることに挑戦して、知識や表現の幅を広げています。
作品を作るときは、自分自身が持つ独特の視点を大切にしていて。特に写真の場合は、撮るひとが世界をどのように見ているのかが鮮明に現れると思っています。光が差し込んだ瞬間や、木漏れ日など、刻々と変わっていく景色をメインに撮影をしています」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「物心ついた時から、簡単な創作活動はしていました。母が昔から写真を撮っていたり、版画作品を制作していたりと、物作りが常に身近にあったんです。
本格的に作品を作り始めたのは、高校生のときからです。国語や算数を勉強するより、自分が考えていることを深く表現することに没頭したいと思うようになって。デザイン系の高校へ進学することに決めてから、よりたくさん創作活動により組むようになりました」
Q3. 活動にあたってのファーストアクションは?
「高校2年生のときに、高校の友達と開いたグループ展示です。当時はまだ、自分が考えていることをどうやって作品に落とし込むのかもわからなくて。作品づくりには終わりがないので、何をもって完成とするのかもわからず、迷うことがたくさんありました。
でも、展示会当日、初めて家族や先生以外のひとに作品の感想をもらって、すごく嬉しかったんです。高校の卒業制作展では、自分なりの表現方法や見せ方が確立してきた感覚があって、改めて展示会の楽しさを感じました」
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Q4. 活動をする中でつらかったことは?
「課題や受験のときに、しっくりくるアイデアが思いつかなかったことです。写真は撮りたい題材さえ決まればスムーズに作品になるけれど、デザインはゼロからアイデアを生み出すので、思いつかないと作品として成立させることもできないんです。一時期、とにかく知識をつけたくて、図書館に行っては、デザイン系の本を読んでいました。
悩み抜いた結果、いまはひとと話すのが一番いい解決策だと思っています。それは先生やアーティストだけじゃなくても、家族や友だちのような対等な立場のひとに意見を聞くことで、気づかされることがたくさんあるんです」
Q5. 将来の展望は?
「色々な表現に挑戦できる、マルチなひとを目指しています。いまは写真やグラフィックといった平面の作品を作っていますが、大学ではデザイン全般を学び、もっと視野を広げたくて。人としての面白さはもちろん、その時々で、一番しっくりくる表現方法を選べることで、より自分らしい世界観を作りやすくなると思っています。
卒業制作では、展示空間全体を作品として見せるインスタレーションに挑戦し、光の質感と写真の重なりによって、『自分と他人』『記憶と現実』といった、曖昧なつながりを表現しました。このテーマはこれからも大切にしたいと思っています!作品を見てくれたひとが、世界観に自然と入り込めるような個展を開くことが夢です」
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彩のプロフィール
年齢:18歳
出身地:東京都
所属:多摩美術大学統合デザイン学科
趣味:音楽を聴くこと、美術館に行くこと
特技:最適な擬音語を見つけること
大切にしている言葉:「あなたの光は 澄んでいてうるわしい 弱くさえ見えるほどに あなたは僕などとても及ばない微妙な発光体である」新美南吉
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Photo:Nanako Araie
Text:Mizuki Maeda