
タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
勉強や部活、課題、バイト……。そんな日々を忙しく過ごす10代に、今回は「自分へのご褒美」について聞いてみました。スイーツから読書、キャンプや漫画の大人買いまで、多様なご褒美習慣から見えてくる、10代の価値観とは?
1. 山崎陽菜さん「漫画爆買いとシェアラウンジで、最高な気分に」

NPO法人のメンバーとして、稲城市で放課後学習教室を開校するなど、教育支援をしながら活動する19歳。
「漫画を大人買いすることです。
プチ贅沢というよりも大きな贅沢ですが、月に一度の頻度で漫画を買っています。予算は、1万円くらいで、大人買いすることで気分が最高に上がります。
あとは、1日中予定を入れずにシェアラウンジに行って好きなことをします。映画やドラマをみたり、それこそ漫画を読んだりと。自分にとっての自由な時間をつくるようにしています」
2. 梅木岳人さん「生きている実感を、自然の中で味わう」

紅茶農家や養鶏農家などを学びながら、生産から販売まで行う農業の6次産業化に実践的に取り組む19歳
「キャンプをしたり、沢下りをしたり、大自然と一体化できる感覚を得られたとき、すごく贅沢な気持ちになります。
普段、貨幣経済の中で暮らしていると、どこか『出来上がった世界観の中で商品を買っているだけ』という感覚になってしまって。
自然の中にいると、本気で生きているという感じがして、達成感に繋がります」
3. 吉田祐梨「“高級チョコ”と新しい文房具でスイッチをオンに」

若者の食生活をテクノロジーの力で支えたいと、アプリ開発に取り組み数々のコンテストに参加している15歳。
「平日の夜に、好きな音楽を聴きながら、ちょっと高めのチョコレートを少しずつ味わうことです。
特に、提出物の締め切りや学校の試験が終わった直後に、ご褒美として楽しんでいます。
ほかにも、季節の変わり目に新しい文房具を1〜2点購入することもプチ贅沢のひとつです。頻度は、月に2〜3回程度で、金額は500〜1000円くらい。疲れたときや、達成感を味わいたいときについ買ってしまします。
小さな贅沢が、頑張れる原動力です。特別なことではなくても、『自分へのご褒美』と思うと心が自然に満たされます」
4. ゆいさん「お菓子と本がくれる、心の余白」

着を活用したファッションデザインや、子どもたちとの活動を通じてファッションショーの未来のために活動18歳
「1日の終わりに、温かい飲み物を飲みながら、本を読む時間は何にも変えられない至福の時間です。
あとは、お菓子を一気に食べること。1週間に1度、パーティーパックのお菓子や、500円分くらいのお菓子を自分用に買うことが贅沢かもしれません」
5. 魅音さん「バスボムでととのえる、至福の夜」

ヴァイオリンを通じて人と人をつなぐことを大切にしながら、演奏活動や芸術祭の企画に取り組む17歳
「お風呂に入りながらゆっくりと音楽を聴くことが、わたしにとってのプチ贅沢です。
普段は、時間に余裕がなくてシャワーだけで済ませてしまいますが、疲れを取りたいときなどはゆっくりお湯につかります。
お気に入りのバスボムや、入浴剤は、気分も上がるので素敵なご褒美です」
6. 佐藤愛奈さん「深夜の“ひとりお茶会”が贅沢」

大学内のコミュニティで、ファッションをテーマにさまざまなイベントに携わりながら、組織運営者と制作者という2つの顔で活動する19歳
「1か月に一度、真夜中にひとりで『お茶会』を開くことが贅沢のひとつです。
予算は、2000円程度。コンセプトを決めて、お茶菓子と茶葉を用意します。好きな作品集を眺めたり、愛読書を読み返す時間が大好きです。
自分のスケジュールがタイトになるほど、その時間が待ち遠しくなります。時間を気にせずのんびりできる夜がとっておきの時間です」
7. 水野美咲さん「アイスとNetflixで、がんばる日々の贅沢時間」

高校時代のインドネシアでの留学経験がきっかけとなり静岡で観光をテーマに活動している18歳
「大学生になってからは、できるだけ節約を意識しながら生活をしています。電車に乗る時には一駅歩いたり、お昼を自炊したり。
でも、その分ちょっとした楽しみを大切にするようにしています。たとえば、夜に涼しい部屋でNetflixを観ながらアイスを食べること。月に数回、200~300円のアイスが気分転換になっています。日頃の楽しみになっているプチ贅沢です!
特別なものじゃなくても、自分がほっとできる時間を大切にしていています」
8. まっちゃんさん「月イチルーティンの格別時間」

『人を楽しませる空間』をつくることをテーマに、大学内の学生の意見交流の機会を創出するイベントを企画している19歳。
「僕にとってのご褒美は『2時間ほどの長風呂→読書や、YouTube→アラームをかけずに就寝』です!
やらなきゃいけないことに追われている毎日ですが、1か月に1度、この時間を過ごすことが、格別な時間になっています。
お風呂に入っている時間は独り言をしゃべり、そのあとは気が済むまで娯楽に時間をかけます。寝る時間は、12時を超えてしまいますが、起きる時間が午前中なので罪悪感は少ないです」
ちょっと高めのチョコ、真夜中のお茶会、好きなものを大人買い。どれも派手じゃないけれど、自分のために時間と気持ちを使う“ご褒美”は、誰にとっても大切な習慣のようです。頑張る日々の中に、少しの余白と満足感を与えてくれる、10代ならではの「プチ贅沢」。これからも、そんなリアルな声を届けていきます。
Photo:Nanako Araie
Text:Serina Hirano