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理容師の見返りはお金ではなく「ひとを喜ばせること」。米国留学でのホームレスのヘアカットが原点【福本・18歳】

理容師の見返りはお金ではなく「ひとを喜ばせること」。米国留学でのホームレスのヘアカットが原点【福本・18歳】

「気になる10代名鑑」の975人目は、福本さん(18)。高校生のときから理容師という職業にのめり込み、いまは専門学校で理髪技術を学んでいます。お客さんへの施術の提供を続けている藤本さんに、活動のきっかけや今後の目標について聞いてみました。

福本を知る5つの質問

Q1.いま、力を入れていることは?

自宅の庭や、アルバイト先の営業後の理容室を使い、無償でヘアカットやシェービングといった施術を提供しています。

自分の知り合いにSNSで『髪を切らせてほしい!』とメッセージを送って、営業を続けてきました。施術の様子をInstagramで発信したり、友人に宣伝してもらったりする中で、徐々にお客さんが増えていって。いまでは毎日予約で一杯の日々を過ごしています。

また、2025年夏に行われる、理容師が軒を連ねて腕を競い合う競技『バーバーバトル』に向けた練習を重ねています。自分の技術をさらに磨き、修行歴3年未満の理容師が参加する新人部門であるフレッシュマンバトルで好成績を残したいです」

Q2.活動を始めたきっかけは?

16歳のときに、それまで1000円カットにしか行ったことがなかった自分が、SNSで知って訪れた床屋のかっこよさに惹かれたことがきっかけです。そこから理容師になることを目指すようになり、たまたまのご縁で新宿の老舗床屋のアシスタント業務を見つけました。

さらに、高校1年のときにアメリカで3ヶ月間留学を経験して、カリフォルニア・サンディエゴでホームレスのひとへのヘアカットボランティアをしたことも原点のひとつです。

留学先としてここを選んだのも、ホームレスの方が多く暮らしていると知っていたから。活動拠点となる現地のお店も自力で見つけました。計20人ほどに施術を行いましたが、全員がカット後すごく喜んでくれて。言語の壁があり会話もつたない中、ヘアカットだけでこんなにもひとを幸せにできるのだなと、気づいた経験でした」

Q3.活動で大切にしていることは?

初歩的、基本的な技術に立ち返ることです。

理容の世界ではたった1ミリの長さの違いで大きく色彩やバランスが変わるのですが、基本の技術を見直すだけで、仕上がりに大きな違いが出るんです。自分は、理容師の道を最初に志してから、たった3ヶ月で実際に道具を手にとって施術をするようになりました。自分は学校に通う前にお客さんの施術から始めて、あとから専門的に学び始めたかなり珍しいケースだと思います。

だからこそ基本を見落とすことなく、ときに立ち返りながら活動を続けていきたいと感じています」

Q4.活動を通して、実現したいビジョンは?

ヘアカットを受けたくても受けられないようなひとに、無償で技術を提供したいと考えています。

アメリカでのホームレスのひとへの施術経験で、ヘアカットはひとを喜ばせることができる仕事だと確信を持ちました。理容師という職業の見返りはお金ではなく、ヘアカットを通して喜んでもらい、ときにはその相手の人生を変えてしまうほどの瞬間に立ち会えることだと思うんです」

Q5.将来の展望は?

自分のお店を持つことです。

海外のトレンドを取り入れたような、かっこよすぎる美容室に入るのはどうしても緊張してしまうということを友人から聞いたことがあります。それを聞いて、髪を切る用事がなくても、いつでも緊張せず家のように帰ってくることのできるお店が必要なのではないかと思ったんです。老若男女の隔たりを越えて、居心地のいい、お客様にとっての第二の家となるようなお店をつくりたいです。

そのために、これからも実力を高めていきます」

福本のプロフィール

年齢:18歳
出身地:東京都小金井市
所属:国際文化理容美容専門学校
趣味:筋トレ
特技:髪を切ること
大切にしている言葉:やってみよう

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Photo:Someya Kaori
Text:Taishi Murakami

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