
タイムリーな話題からカルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回は、多様な時代を生きる10代が「最近気になった時事問題」について。現実に起こる出来事をどのように受け止めて、何を感じているのでしょうか。興味関心があったニュースについて、4人のティーンに聞きました。
1. 颯空さん「埼玉県八潮市の道路陥没事故」

路上ライバーをサポートするイベントの企画・運営をしながら、自身もシンガーソングライターをめざして活動中の19歳。
「1月28日(火)に埼玉県八潮市で起きた道路陥没の事故です。
ニュースを見たときはとても衝撃を受けました。事故から1か月経ったいまでも安否がわからないひとがいる中で、『人生は何が起こるかわからない』ということを痛感させられて……。自分も1日1日を悔いのないよう全力で頑張らないといけないと改めて感じました」
2. 友結さん「ガサ地区のリゾート計画と多様性の課題」

ギフテッド研究に取り組み、子どものころから否定されない教育環境の実現をめざして活動中の19歳。
「アメリカがガザ地区を買収し、リゾート地にする計画です。
ガザの住民は、いまだに人権が十分に保護されていない状況でもあり、今回のアメリカ資本の進出でさらに外部からの脅威にさらされるのではないかと心配になりました。他にもトランプ大統領がトランスジェンダー選手の入国を虚偽申告として禁止するというニュースも、多様性を認められていない気がして、心苦しくなりました。
大統領は選挙で選ばれた国民の代表です。一人ひとりが、世の中をより良い方向へ導くリーダーは誰なのかを見極めて、一票を投じる責任をがあると改めて感じました」
3. 岡部真央さん「炭素資源に関する環境技術の進歩と可能性」

生活や自然界を構成する分子のひとつ「炭素」の研究をおこなっている16歳。
「環境技術の進歩に関する報道です。
新たな研究により炭素資源を循環させる新しい触媒技術が開発されました。炭素が結合する特性を活かし、二酸化炭素が効率的に固定化される技術です。これにより、産業界では温暖化対策への新たな一歩として期待が高まっています。
わたし自身、環境問題に深く関心を持っています。持続可能な未来に向けて、いままさに技術革新が起きていることに感銘を受けました。科学の進歩が社会全体に影響を与え、今後の技術展開にも興味が湧くような、嬉しいニュースだったと感じています」
4. 卯木遥奈さん「学生による教育改革の取り組み」

中学時代の経験をきっかけに、教育問題をテーマにした弁論活動に取り組んでいる19歳。
「2月26日(水)に、中高生が中心となって活動している「Students Changing Education」(SCE)が学生の声を教育政策に反映させようと記者会見を行ったというニュースです。
わたしも、教員や教育現場に対して不信感を抱いた時期があり、弁論活動を行い自分の意見を提示してきました。ですが、個人で活動することは限界があると感じています。学校も出身地も異なる中高生たちが協力し、教育機関や教育者に意見を届けようとする姿に感銘を受けました。
自分が理想とする教育の在り方であると感じています」
トランプやガザ関連の国際ニュースから、サイエンスの希望的な話題、同世代の政策提言まで多岐にわたるニュースが挙がりました。
みなさんも気になったニュースはありましたか? これからも10代の関心ごとや、彼らのリアルな視点と声をお伝えしていきます。
Photo:Nanako Araie
Text:Serina Hirano