世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、ヨーロッパの「欧州グリーン首都賞」についてご紹介します。
ギマランイスが2026年の欧州グリーン首都賞に決定
世界各国で、人と環境に優しい持続可能な都市づくりが進む昨今。ヨーロッパでは、各都市の取り組みを称える「欧州グリーン首都賞」という名の賞が存在します。欧州連合(EU)の欧州委員会環境局は2024年11月27日に、ポルトガルのギマランイスを「2026年の欧州グリーン首都賞」に選んだと発表しました。
ギマランイスはポルトガル北部に位置する都市であり、中心にある「ギマランイス歴史地区」は、2001年にユネスコ世界文化遺産に登録されています。そんな歴史あるギマランイスがなぜ今回受賞したかというと、持続可能な開発への継続的な取り組みが際立っているからだそう。そして、生物多様性や気候変動緩和適応などにおいて、著しい成果を上げていることが評価されたそうです。いま2025年であることを考えると「2026年の受賞」という点に疑問を感じるかもしれませんが、受賞都市は、支援金なども活用しながら、その年までに目標達成に向けたさまざまな取り組みをおこなう、という仕組みです。
欧州グリーン首都賞とは?
欧州グリーン首都賞について簡単に説明すると、環境に優しくクリーンな都市を推奨すると同時に、市民の生活の質向上も目的とした賞です。2010年に、欧州委員会によって始まりました。大気や水、生物多様性、緑地、持続可能な土地利用、廃棄物と循環経済、騒音、気候変動の緩和および適応などを含む、7つの環境指標に基づいて評価します。
人口10万人以上の都市を対象としており、優勝すると、環境の持続可能性を高める取り組みを支援するために600,000ユーロが贈られます。ちなみに過去には、スペインのバレンシアやスウェーデンのストックホルムなどが受賞しています。今回受賞したギマランイスは、現在進行中の都市活性プロジェクトを継続しつつ、2030年までに気候中立性を視野に入れた新たな取り組みや生物多様性保護、領土条件の改善、廃棄物管理などを推進する予定です。
2023年の欧州グリーン首都賞に選出されたエストニア・タリンの取り組み
エストニアの首都タリンは、2023年の欧州グリーン首都賞に選出されました。受賞自体は2021年に伝えられたため、2年の間にさまざまな準備を行ったそうです。そして、計画には建物のエネルギー効率と室内環境の改善、全体的な炭素排出量の削減、都市の生物多様性の増加、循環型経済の推進策をあげました。
具体的な取り組みとしては、タリン市全土の都市空間に緑を導入する「Green Tracks」プロジェクトを開始。町の広場に木製のベンチを置き花や苗木を植え、それに加えて、無料の図書館も開放したとのこと。緑が増えるだけではなく、図書館も自由に利用できるのは市民にとっても嬉しいですね。
ギマランイスの取り組みに注目
環境に配慮し市民の生活向上も目的とした、欧州グリーン首都賞。今回選ばれたギマランイスが、具体的にどのような取り組みをおこなうのか今後も注目していきましょう。また、「過去に受賞した都市が、どのような取り組みをおこなったのかをもっと知りたい」と思った方は、ぜひ調べてみてください。都市の特性を生かした取り組みが多いため、面白い発見があるかもしれません。
Reference:
Guimarães, Águeda, & Vaasa win 2026 European Green Capital and Green Leaf Awards|EuropeanCommission
European Commission Launches 2026 European Green Capital and Green Leaf Awards| EuropeanCommission
2026 Green Cities Awards|EuropeanCommission
What the European Green Capital award for 2026 could mean for the Portuguese city of Guimarães|euro.news
Guimarães elected European Green Capital 2026|The Portugal News
Tallinn begins one-year stint as ‘European Green Capital’|Globalfactor
Text:Yuki Tsuruda