
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、水産物を買うときに注目したい「BAP認証マーク」についてご紹介します。
養殖業の生産拡大。消費者であるわたしたちがすべきこととは
私たちが普段何気なく食べている水産物は、魚網や船などを用いて行う捕獲漁業や、決められた場所で育てる養殖業などを経て市場に並びます。その捕獲漁業や養殖業に関するおどろきのニュースが、2024年の6月に発表されました。
食糧農業機関(FAO)の「2024年 世界漁業・養殖業白書」によると、なんと養殖業による水産物の生産量が、捕獲漁業を初めて上回ったそうです。このように年々、養殖で育てられた水産物は生産量・消費量ともに増加。養殖業の生産拡大は、わたしたちの食卓を豊かにしてくれるとともに、食糧の安全保障や、栄養問題の解決といった視点でも不可欠な存在になっています。
しかし、なかには、自分たちの利益を最優先に考え、自然環境や生物たちに悪影響を及ぼす方法で養殖をおこなう人がいることも事実です。そのような不適切な養殖業を減らすためにも、わたしたち消費者は、ルールを守り、正しい方法で養殖された水産物を選んでいく必要があります。
水産物の購入時に注目したい「認証マーク」。最近見かける「BAP認証」とは
持続可能な正しい方法で養殖された水産物か否かを見分ける方法として、「認証マーク」の有無があります。有名なものでいうと、水色の魚のマークがついた「ASC認証」は比較的見かけることが多いのではないでしょうか。
そしてASC認証と同じく、最近見かけることの増えたマークが「BAP認証」です。こちらは、青色の魚マークの横に「BAP」と記載されています。水産物を育てる養殖場だけでなく、その前のふ化場や、成長した水産物を加工する工場など、養殖にかかわる全ての段階において、持続可能な正しい方法でおこなっていることを証明する制度です。「環境への責任」「養殖される魚介類の健康と福祉」「食品安全」「社会への責任」の4つの柱により構成され、2024年7月時点で、45か国にある3,675の施設で、39種が認証されています。
国内流通している「BAP認証」つき商品が100を突破
BAP認証を運営する「グローバルシーフードアライアンス(GSA)」によると、2024年11月21日時点で、国内に流通しているBAP認証商品の数が100商品を超えたとのことです。バナメイエビやブラックタイガーをはじめ、アトランティックサーモンやムール貝などに付いています。ちなみに、国産商品で唯一BAP認証が付いているのは真鯛。世界で初めて、認証取得にいたったそうです。
認証マークは生鮮食品や冷凍食品などのパッケージに付いていますので、スーパーを訪れた際は確認してみてください。また、BAPやASCのような認証マークは、他にも存在します。どのようなマークがあるのかを知って、意識して選択することで、人や環境に優しい買い物につながるでしょう。「寄付や活動に参加することは難しいけれど、何かアクションを起こしたい」という方は、認証マークのついた商品の購入も検討してみてください。
Reference:
1046. 2024年 世界漁業・養殖業白書|国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター
Text:Yuki Tsuruda