世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、アフリカで人気のスポーツについて紹介します。
アフリカのどの国でも見られるスポーツといえば！
世界には、その国や民族ならではのスポーツが存在します。日本では相撲や空手、柔道といった伝統的なスポーツがありますが、アフリカではどうでしょうか。今回はアフリカ各国で愛されている国民的スポーツや、伝統的スポーツを紹介します。
まず、アフリカで誰もが好きなスポーツといえば、やはりサッカーでしょう。2024年11月時点でのFIFAワールドカップ男子の世界ランキングでは、トップ20位にモロッコとセネガルがランクインしています。
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アフリカ各国では首都から地方まであらゆる地域にサッカーコートがあり、子どもから大人まで、あらゆる世代の人々がサッカーを楽しむ姿を目にします。以前、筆者が東アフリカの内陸部にあるブルンジという国を訪れた際には、ゴミから作ったサッカーボールでサッカーを楽しむ子どもに出会ったこともありました。
観戦においても、テレビのあるレストランやバーは人で溢れかえっていることが多くあります。アフリカ出身の選手が世界で活躍する姿を目にでき、かつ身近にできるスポーツであることから、サッカーは幅広い世代で愛されているのです。
エチオピアの伝統的スポーツは、女性を魅了する戦士の戦い
では、伝統的なスポーツはどうでしょうか。
東アフリカに位置するエチオピアには、「ドンガ」という、棒を使って相手を地面に叩きつけるスポーツがあります。ドンガは、エチオピアの少数民族であるスルマ族とムルシ族の男性が、勇敢さや痛みへの抵抗力を示すためのもの。女性に強さを見せる機会でもあります。
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ドンガは、スポーツというよりは決闘に近く、儀式的な要素も含みます。参加する男性は、前日から特別な木の樹皮で作った飲み物でうがいし、断食をすることで体を浄化。決闘の前には、集まった人々と共に歌や踊りで盛り上がります。男性たちは首や足には女性から贈られたアクセサリーなどで着飾るほかは何も身につけず、勇気を示すために全裸で戦うのです。
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決闘には、数百人の戦士が参加。審判が勝敗を判断しますが、たいていは最初か2回目のヒットで決着がつきます。決闘は最後のひとりが残るまで続き、勝者は多くの女性からアプローチを受けることもあるのだそうです。
YouTube配信もされる、セネガルの大人気スポーツ
西アフリカに位置するセネガルの国技として挙げられるのが「ランブ」と呼ばれるセネガルレスリングです。
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もともとは、セネガルの民族であるセレール族の男性が、戦う前の儀式として、あるいは、農業地域では収穫期が終わった記念や、イスラム教の断食「ラマダン」が明けたお祝いとして、おこなってきました。時代とともに国全体に広がり、収穫物や魚をかけて試合がおこなわれるようになったと言います。勝利した男性は村に名誉をもたらすとされ、コミュニティでたたえられるのだそうです。ルールはレスリングや相撲にも似ていて、相手の膝か背中が地面に触れた時点で試合が終了します。
ランブは1990年代からスポンサー企業がつき、現在ではプロ選手に巨額の報酬が支払われるなど、大人気の国民的スポーツになりました。世界的にも有名になり、現在はYouTubeで試合の配信もされています。一方で、婚約者からもらった腰布を身につけたり、試合の前には、相手に恐怖や尊敬の念を植え付けるためのパフォーマンスがおこなわれたりと、儀式的な要素も残っているようです。
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文化の重要な要素であるアフリカ民族のスポーツ
アフリカの民族のスポーツは、何かを祝うものであったり、通過儀礼や結婚に導くプロセスであったり、伝統的な文化の一部であることがわかりました。今回紹介したもの以外にも、マダガスカルの闘牛に似た「サヴィカ」や、アフリカ南部の国・アンゴラの、ダンスの要素が加わった武道「エンゴロ」など、アフリカには知られざるスポーツが数多く存在しています。世界的に広まったスポーツもありますが、残念ながら、時代の経過とともに失われてきているものもあるのが現状です。動画配信サイトなどが普及し、さまざまな国の文化や日常を知ることができるいま、メジャーなスポーツだけでなく、そうした伝統的なスポーツにも、注目していきたいですね。
References：
TRADITIONAL SPORTS「Donga (Ethiopia)」
Oxford Research「History of Laamb (Senegalese Wrestling)」
Text：Hao Kanayama
