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アート作品から畑の土まで!リサイクルガラスのユニークな使い道に注目【Steenz Breaking News】

アート作品から畑の土まで!リサイクルガラスのユニークな使い道に注目【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、リサイクルガラスの活用方法についてご紹介します。

廃棄されたガラス瓶などがリサイクルガラスに生まれ変わる

ジュースやアルコール、調味料などに使用されるガラス瓶。近年は、これらのガラス瓶を再利用、または再資源化し「リサイクルガラス」に生まれ変わらせる動きもあるようです。

リサイクルガラスは、環境面でも多くのメリットがあります。例えば、天然の材料のみで一からガラス瓶を製造すると、1kgあたり246gの二酸化炭素が発生します。一方で、ガラスを粉砕した「カレット」と呼ばれる再生原料を100%使用した場合は、原料起因で発生していた二酸化炭素の量が0になるのです。そして近頃は、ガラス瓶以外のものに生まれ変わらせたり、活用したりする例が増えています。

リサイクルガラスを使用したアート作品「ITOCHU SDGs STUDIO DOME」


東京都港区にあり、伊藤忠商事株式会社が運営する「ITOCHU SDGs STUDIO」では、11月14日~翌年の2月28日まで、美しいウィンターイルミネーションが楽しめます。これまで「つながる命」や「豊かな海へ」など、多様なテーマでアート・インスタレーションを展開してきましたが、第7弾となる今回のテーマは「森のクリスマス」。


敷地内中央にある「ITOCHU SDGs STUDIO DOME」には、光り輝く幻想的な森が出現し、中央には大きなクリスマスツリーも設置されています。よく見ると雪が積もっているように見えるのですが、実はこの雪、リサイクルガラスや、「蓄光石」と呼ばれる紫外線を吸収・蓄積し発光する石を使用しているそうです。

さらにツリーの装飾には、敷地内で開催されているワークショップにて参加者が制作した、蓄光石とリサイクルガラスでできた雪の結晶オーナメントを飾っているとのこと。リサイクルガラスの美しさや蓄光石の性質を上手く利用した、素敵なアイディアですね。

アメリカでは農作物の栽培に活かす研究も

アメリカのテキサス大学リオ・グランデ・バレー校では、植物の育成にリサイクルガラスを活用する研究が進められています。実験内容を簡単に説明すると、植物を育てる土壌の一部を、リサイクルガラスに置き換えるというもの。

3種類の異なる大きさのガラス片で試してみたところ、粗い砂粒のようなガラス片が最適だと発見。根まで酸素がいきわたり、水分も十分保持されました。その後の実験では、植物の成長が加速し、不要な真菌が抑えられることが分かったそうです。また、使用されるリサイクルガラスは、粉砕後に角を丸く削っているため、植物の根が傷つく心配もないと話しています。土が混ざっているとはいえ、リサイクルガラスで植物が育つなんておどろきですね。

リサイクルガラスの今後に注目

多様な分野で活用されるようになったリサイクルガラス。今後も、このような試みが増えていくことを期待したいですね。今回ご紹介したイルミネーションは翌年の2月まで開催されているので、近くにお住まいの方はぜひ遊びに行ってみてはいかがでしょうか。

Reference:
リサイクル‐高いカレット利用率がもたらす地球温暖化対策効果|ガラスびん3R促進協議会
Pilot study uses recycled glass to grow plants for salsa ingredients (IMAGE)|EurekAlert! Science News Rreleases
Pilot study uses recycled glass to grow plants for salsa ingredients|American Chemical Society

Text:Yuki Tsuruda

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Yuki Tsuruda

ライター

鹿児島県在住のフリーライター。販売職や事務職を経験後、2020年5月からフリーランスのライターへ。執筆ジャンルは、ものづくりやSDGsなど。

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