自然の隠れ家
忙しない日常から離れたいとき、私は近所の河川敷でキャンプをする。
コンクリートの道やビルに囲まれた場所ではなくて、水の音が聞こえる、木が無造作に生い茂ってるような場所。夏は蒸し暑くて冬は寒いから、不便にも感じるけど、人の手があまり加えられてない自然の中で遊ぶのは、なんだか心地良い。
(暑いのは嫌いだし、寒いのも苦手だけどね🧣)
今回訪れたのは京王線柴崎駅にある 「へら鮒釣り園」。ここは昭和40年に開業したらしく、年月を感じさせるような木の門がお出迎えしてくれる。東京の街中にぽっかり空いた自然の空間は、違う世界に入ったみたいな錯覚が起こる。🌱
釣り道具は事前に揃えて、やる気は十分!(前回の記事を読んでみてね↓)
思い通りにならないから楽しい
釣りのやり方はたくさん調べたし、釣り道具屋さんでもコツを教えてもらったから、準備万端のつもりだった。けど、実際にやってみると結構難しい(ー ー;)。話を聞いているのと、やってみるのじゃやっぱり違うな。
「これは簡単じゃないぞ」と思いながらも、餌の付け方や糸を垂らす位置を変えてみて、試行錯誤を繰り返してみる。最初は失敗ばかりだけど、だんだん正解に近づいてきてる感覚がある。それが面白くて、ワクワクしちゃう。
自分で方法を考えることや試してみることってこんなに楽しかったっけ? 失敗も、楽しみのスパイスなのかも🪄︎︎✨
制限無しでのびのび
ここの釣り場はとっても自由。きちんとした受付場所や、制限時間もはっきり決まってなくて、ふらっと地域の人が釣りに来るような場所🪣🎣
わざわざ項目を掲げてルールを作らなくてもこの場所に心地良さを感じるのは、きっとこの場所に足を運んで来た人たちが長い間大切にしてきたからこそなのかも。
子供の頃によく言われた「ルールを守りましょう」って言葉。確かに、みんなが気持ちよく過ごすためにはルールって大切なんだと思う。でも、なんか自由がなくなっちゃう気がして、窮屈に感じる時もある。最近も、「1人〇分まで」「飲食禁止」みたいな看板を見るたびに、もっと自由に過ごせる場所があってもいいんじゃないかなと思ったり。
ここの釣り場では、何も制限されない分、まっすぐに没頭できた気がする。そんな自然と一体になれるような場所は貴重なんだろうなぁ。
オトナのたまり場
帰り際にお店の方に挨拶しようと思ったら、地域の人たちが昼間から集まってお酒を飲んでた。「お嬢ちゃんも一杯どうだい!」なんて声をかけてくれた。釣り堀の思い出話を懐かしそうに話す姿を見て、何年もこの場所が彼らの居場所だったのかな、なんて思ったら少し羨ましくなっちゃった。
ここが地域の人たちの「いつものたまり場」になってるんだろうな。
私にも「たまり場」があったなぁって思い返す。小さい頃は近所の公園、高校生の時は毎日通った教室。
でも、大学生になって週2日しか大学に行かない今、「たまり場」を探すのは少し難しい。だからこそ、大学を卒業して社会人になって見つけられる「たまり場」ってきっと特別で、一生モノになるんだろうな。同じ趣味を分かち合う友達ができたり、長い年月を一緒に過ごして語り合ったり。そんなふうに心地よく過ごせる「たまり場」を、私も早く見つけたい。
スローペースに巻き込まれて
釣り堀の周りを見渡すと、ところどころに無造作に置かれた椅子が目についた。店主さんが無理に規律を正すんじゃなくて、自分のペースで地域の人たちと過ごしている様子を見ると、それもひとつの素敵な進み方なのかも。
そのゆったりとしたペースに私も自然と巻き込まれていく感覚があって、ワクワクする気持ちと同時に、心地よさを感じれる場所。
こんな自然の中で過ごす時間は、街の喧騒や日常の忙しさに少し疲れたときにはぴったりかもしれない。そしてやっぱり私は好きなことにのんびり没頭できる自然が好きだなと、改めて思った。またふと思い出した時に、足を運んでみよう🚶♀️
今回訪れたのは…
へら鮒釣り園
昭和40年創業の釣り堀で、柴崎駅近くにある自然豊かな隠れ家スポット。ヘラブナ釣りを楽しめる場所で、地域の人々の憩いの場にもなっている。釣り道具は持参が必要。
住所:東京都調布市菊野台2丁目4−5
営業時間:7:00~18:00
定休日:なし
キヨトカナのプロフィール
東京のはずれにある大学に、実家の車で通う大学3年生。
キャンプと銭湯、愛犬のLINEスタンプづくりが趣味。音楽を聴きながら散歩するのが最高の癒しで、髪色は月に2回はチェンジする
Text:Kana Kiyoto
Direction:Yukiho Wakao