世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、アフリカ各国のフェスティバルやクラブで楽しまれている音楽についてお伝えします。
パーティー文化が盛んなアフリカ
多くのアフリカの人々にとって、クラブでのパーティーは日常生活の一部となっています。日本では、クラブに対して、パーティーやダンスが好きな若者や、特定の趣味を持つ人たちが集う場所、という印象を持つ方も多いのではないでしょうか。しかし、アフリカの国々では事情が異なり、クラブは、さまざまな目的で、幅広い年代の人々に親しまれています。今回は、アフリカ各国のクラブの楽しみ方、流れている人気の音楽について、アフリカ在住のZ世代ライターがご紹介します。
いちばん人気は、やっぱりあの音楽!
アフリカ全土のクラブやバーで流れてくる音楽といえば、みなさんも耳にしたことがあるかもしれない、ナイジェリア発の「アフロビーツ」と呼ばれる音楽です。2000年代以降に進化していったポップ・ミュージックであるアフロビーツは、Ed Sheeran(エド・シーラン)や、Selena Gomez(セレーナ・ゴメス)がアフロビーツのアーティストとコラボするなど、昨今では世界的に親しまれるようになってきました。
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アフロビーツは、アフリカ各国の大規模なクラブから、地方の小規模なバーでまで、至る所で流れている大人気の音楽。Burna BoyやRemaなど、ナイジェリア出身のアーティストは、近年グラミー賞にもノミネートされています。
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ムスリムの国で見た、密かにおこなわれる外国人向けのパーティー
アフリカの中でも、人口の96%をムスリムが占めるガンビアでは、女性が軽装をしてクラブに出かけることは稀です。人口278万人の小国であるため、都市部であってもあまり発展していません。
一方で、大西洋を満喫できるビーチは、静かなバカンスを望む人にとっては「知る人ぞ知る名所」となっています。そのため、海外沿いだけは高級リゾートホテルが並び、海外からの富裕層が遊びに来ています。この独立した地域にあるのが、外国人向けのクラブです。客層を外国人にしていることから、欧米の音楽が流れ、信仰深い人も多くいるムスリムの国では見慣れないナイトライフが存在するのです。
気軽にボートパーティーを開催できるアフリカ
ナイル川やヴィクトリア湖で盛んなのが、ボートパーティーです。大人数で行けば、ひとりあたり数百円から数千円で貸し切ることもできるため、プライベートなボートパーティーが頻繁に開催されています。
エジプトでは、アラビア語のラップやポップソングが親しまれ、ベリーダンスとともにボートパーティーで楽しまれます。
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ウガンダでは、ヴィクトリア湖で開催される、クラブやイベントオーガナイザーが主催するボートパーティーが人気です。イベントにはDJも呼ばれ、日が暮れるまでパーティーは続きます。
都市部では音楽のジャンルごとに行きたいクラブを選べる!
南アフリカのヨハネスブルクや、ケニアのナイロビといった大都市では、音楽のジャンルによってクラブが分かれています。南アフリカでは「アマピアノ」と呼ばれる南アフリカ発のダンスミュージックが人気で、クラブでは「アマピアノ・ムーブス」と言われるダンスを、多くの人が楽しんでいます。SUMMER SONIC 2024にも出演した人気の歌手、Tylaも、アマピアノを代表するアーティストのひとりです。
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また、ナイロビでは、テクノやハウスといったエレクトロニックミュージックも人気を集めています。国内外からもDJが呼ばれ、ビルの地下や鉄道といったニッチな場所で、アンダーグラウンドなパーティーが開催されているそうです。
アフリカ大陸の東海岸はフェスだらけ!?
東アフリカの東海岸は、ハネムーンやバカンスに最適なビーチが広がります。こうした外国人をターゲットに、ケニアの東海岸やタンザニアのザンジバル島では、毎年フェスティバルが開催されています。ケニアのワタムで開催されるフェスティバルは、リゾートホテルを会場としたラグジュアリーな雰囲気。値段設定も高額であることから、ヨーロッパからやってくる人が目立ちます。
世界の音楽シーンを賑わすアフリカの音楽
今回は、アフリカでの人気の音楽、そしてさまざまな形で楽しまれるクラブやパーティーについてお伝えしました。近年、グラミー賞にも、アフリカ発のアマピアノやアフロビーツの音楽がノミネートされ、世界の音楽シーンを動かしています。日本でもアフリカ出身のアーティストのコンサートが開催されるなど、今後、アフリカの音楽がもっと身近になっていくことでしょう。
References:
US DEPARTMENT of STATE「2023 Report on International Religious Freedom: The Gambia」
Worldmeter「Gambia Population」
Text:Hao Kanayama